2015年01月19日

何だか一方通行。欲しい情報と提供される情報の差。【子ども・子育て新制度説明会と認定こども園講演会】

1月17日(土)午前、「子ども・子育て新制度の説明会(月形町保健福祉課から)」と「講演会 〜認定こども園 0歳から6歳までの連続性のある豊かな育ちを〜(主催:月形町認定こども園開設準備委員会)」があり、参加してきました。

会場の交流センターには約40人。託児もあったことから、小さなお子さんのお父さん・お母さんが連れ立って参加されている姿もあり、関心の高さがうかがえます。
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【子ども・子育て新制度説明会】

子ども・子育て新制度は今年の4月からスタートする制度で、自治体が運営する施設は新制度に移行することが求められているため、認可保育所花の里保育園は新制度の適用施設になります。私立の施設は選択が可能で、大谷幼稚園は平成27年度で閉園することもあって新制度に移行せず、従来通りの中身や保育料となります。平成28年度から始まる認定こども園はもちろん新制度です。

新制度になると何が変わるか・・・ 最も違ってくるのは、保育園に子どもを入れたいと思ったら、入園手続きの前に「支給認定」を受けなければならないことでしょう。親の働き方と子どもの年齢によって、1号認定〜3号認定、保育標準時間(11時間までの保育)か保育短時間(8時間までの保育)に区分されます。

これら、子ども・子育て新制度についての基本的なことを、手続きの担当部署である保健福祉課の職員が資料を基に説明しました。もっとも、対象となる家庭には既に資料が配付されているとのことで、特段新しい情報が提供されたのかは疑問です。

特に保護者の関心の高い「新たに設定される保育料」については、「月形町では保育料を引き下げる(国の基準の30%減という)方針は決定しているものの、基準となる国の保育料(が大幅に変わることはない見込みだが)確定していないので、今の段階でハッキリした金額は示せない。今日それを期待して参加された人には申し訳ない(個別の相談には応じる)。確定するのは3月頃になるだろう。」とのことでした。

「保育料」・・・ 家計にとってはシビアな問題です。この金額によって、幼稚園にするか保育園にするのか(働き方も変えるか)迷っている人がいるのも事実。年が明けたこの段階でも保育料が確定していないなんて、ビックリです。国が基準を示していないのが一番の問題としても、保育料の決定権は自治体にあるのだから、町が決めてしまえば良いのではないかと私は思っています。
(現在、30%減にすることを理解している議会ですが、きっかり30%にこだわっているわけではないと感じます。事情と筋の通った説明があれば納得するでしょう。)

今回の説明会では、全体での質問時間が設定されていませんでした(講演会終了後か後日に、担当者まで個別に質問する形式)。また、対象となる家庭には既に新制度の概要(詳しい資料)は配付されていた上、今回の説明会で新たな情報提供がないのであれば、何のための説明会だったのか、私には疑問が残りました。
もし質問時間を設けて疑問点や意見を参加者と行政、あるいは参加者同士が共有できたら、新制度に対する理解がもっと深まったのに、もしくは行政との距離を縮められたのにと感じます。「呼びかけても質問は出ないだろう」と思って質問時間を設けなかったのなら、それも残念。認定こども園に関係するこれまでの流れを見れば、毎回必ず質問や意見が出ていましたから。

どうも一方通行のような雰囲気を感じているのは、私だけなのでしょうか?
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【月形町認定こども園開設準備委員会主催 講演会】

演題「認定こども園 0歳から6歳までの連続性のある豊かな育ちを」
講師   飯沼 美智子氏
(学校法人北海道浅井学園 認定こども園大麻幼稚園まんまる保育園 園長・施設長)

江別市にある、認定こども園大麻幼稚園まんまる保育園の園長(施設長)である飯沼美智子さんが、日頃の子どもたちの様子を中心にお話しくださいました。

認定こども園大麻幼稚園まんまる保育園は、大麻幼稚園が母体となった幼保連携型の認定こども園で、定員は幼稚園部分が200名、保育園部分が21名(0〜2歳は各6人、3〜5歳は各1人)。
0歳〜2歳児は保育所として、3歳〜5歳児は(保育園籍の子どもも合わせて)幼稚園に入園する感覚で保育を行っているとのこと。幼稚園児が帰宅する午後1時半以降は、幼稚園籍の預かり保育と保育園籍の保育を、保育所的に行っているそうです。

認定こども園の良いところは、親の就労体系に関係なく分け隔てなく生活できることで、保育園と幼稚園は「園内での生活時間の違いでしかない」とも。

ただ、平成27年度から始まる子ども・子育て新制度には移行しないとのこと。現状で保育料が確定できず保護者に説明できないことが問題と考えたからだそうで、平成27年度は一旦認定こども園を返上し大麻幼稚園とまんまる保育園という形態にした上で、平成28年度から新制度の認定こども園になるとのことでした。
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今回の講演会、チラシには「講演では、認定こども園について、わかりやすくご説明いたします。」となっていました。確かに、認定こども園大麻幼稚園まんまる保育園については理解できたのですが、月形町がめざしている花の里保育園を母体にした認定こども園の姿は全く理解・想像できませんでした。そもそも、定員が220人以上いる都市部の私立幼稚園が母体となった認定こども園と、少子化で他に選択肢がない地域にある定員80人の保育所を母体とした認定こども園とでは、園の雰囲気も、地域での役割も、子どもたちの時間の使い方も相当違うのではないかと思うのです。

月形町は学校法人北海道浅井学園の北翔大学と包括的連携協定を結んでいることから、その延長線上で認定こども園に関して連携していこうということなのかもしれませんが、それは施設や運営側の研修の中で積極的に活用されればいいのではと思います。現段階で私たちが知りたいのは、花の里保育園がどのような姿の認定こども園になるのかということで、同じような立地で同じような背景の自治体が運営する認定こども園の実態こそ、知りたいのです。

そして、もっとも知りたい情報は「認定こども園開設準備の全体像」です。

そもそも、今回の講演会の主催者である「月形町認定こども園開設準備委員会」は誰が構成員で、どんなことを行う組織なのか、一般向けに説明したことがあるのでしょうか? 
チラシには事務局として教育委員会学務係と書かれていますが、昨年までこの関連の説明会は住民課が主になり、総務課と教育委員会が関わっていました。今年は保健福祉課と教育委員会です。保護者に混乱はないのでしょうか?

それから、認定こども園に関する説明会は昨年2月16日、17日に行われた「月形町の幼児教育についての説明会」が最後。その後の取り進め方や進捗状況など、町側がまとまった形で説明しなくていいのか? (合同保育については、保育園だよりで知らされているが・・・)

これから始まる増改築工事などについても、昨年の説明会の時点とは大きく変更されていることから、説明の時期や状況などの情報を提示しなくてもいいのか?

本来、認定こども園開設において最も重要であるべき主権者(乳幼児、保護者、町民)が置き去りにされている感じがして、どうも解せません。情報開示と、共に作り上げる姿勢がなければ、未来に向かった「まちづくり」はできないと私は考えるのですが、どうでしょうか・・・

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