2010年01月20日

北海道中小企業家同友会南空知支部 2010年新年交礼会

1月18日夜、岩見沢市ホテルサンプラザにおいて「一般財団法人北海道中小企業家同友会南空知支部 2010年新年交礼会」が開催されました。私も町内の会員の方にご案内いただき、初めて参加してきました。
この「北海道中小企業家同友会」ですが、昨年創立40周年を迎え一般財団法人に移行し、現在12支部、12の専門委員会をもって活動しているとのことです。

交礼会は二部構成で、第一部の「新春講演」では旭川支部政策委員会委員長の久保あつこ氏から中小企業振興条例の意義と取り組みについての発表があり、第二部は会員同士の親睦と情報交換のための懇親会でした。

今回のテーマは「条例」なので普段より行政や議会関係者の出席が多かったとのことで、私以外にも岩見沢市議や新篠津村議、桜庭月形町長の姿もありました。
(余談ですが、桜庭町長はこの会の勉強会に以前から参加しているとのことでした。また今回は不参加でしたが、月形町職員も研修の目的で毎回数人が参加し、グループ討論などを行っているとのこと。会員の方々から「月形町は積極的に勉強をしていて素晴らしいですね。」とのお声をいただきました。)

それから発表者の久保さんは焼き鳥専門(有)ぎんねこ(旭川市)の取締役ですが、旭川市議会議員も務めています。私が議員になる前に地方自治土曜講座で知り合い、その後も自治体学会や各種セミナー、北海道女性議員協議会など様々な場面で顔を合わせ、情報交換させていただいています。聡明でバイタリティーあふれる久保さんは議員としての方向性をしっかり持っている方で、私のめざす議員像のうちの1人でもあります。

以下に印象に残った発表内容を記します。
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『地域づくりと中小企業振興条例の果たす役割! 
  〜旭川の事例から、南空知地域の未来を考える!〜』

  発表者) 焼き鳥専門(有)ぎんねこ取締役 久保あつこ氏
       (旭川支部政策委員会 委員長)   

【旭川市中小企業振興基本条例制定要望書 提出までの経緯】
◆2007年(平成19年)政策委員会委員長に就任。中小企業振興条例に取り組み始める
・旭川市はこの時既に中小企業振興条例を有していたが、補助金条例の色合いが濃かった。
・条例の中に「市長の責務」がうたわれており、市側は「改正の必要なし」の結論。
  ↓
◆理念を盛り込んだ条例を作りたいと先進地(帯広市)視察。旭川市とのギャップを感じる
・強力なリーダーがいる
・何年も前から取り組んでいる
・関係者が、理念条例の必要性に気付いている
  ↓
◆まずは同友会内の勉強会から(行政、同友会、企業家がいっしょに旭川の実態を勉強)
  ↓
◆情報を共有し、足元を固める活動へ(業種別意見交換会の開催)
・旭川市内の業界を5つの業種に分類し、それぞれに意見交換会を行う
・意見交換会には、対象業種の代表+経済団体+大学+行政
・各業界には事前にレポート(現状、今後の見通し、問題点と課題、対策)を提出してもらい、
 それを基にプレゼンテーション。その後、全体で意見交換。懇親会。
  ↓
◆どの業界にも共通する問題点の発見
 1) グローバル経済の影響を受ける
 2) 後継者不安(順調な業界、企業であっても抱えている問題)
  ・継ぐ人がいない。継がせられない。
  ・技術者の高齢化
  ・規模拡大しなければ成り立たない状況(世相)
 3) 業界内の連携がとれていない(連携をとる力がない)
  ↓
◆2年間の活動で、理念条例の必要性を企業、経済団体、行政、市民等が理解
・2009年7月、商工会議所、商工会、青年会議所、同友会が連盟で
        「旭川市中小企業振興基本条例制定要望書」を提出
・2009年9月 旭川市議会定例会で現行の「旭川市中小企業等振興条例」の
        改定か新条例の制定を進めることを旭川市が表明
(政権交代の影響を受け、条例制定は国の動きを見ながら進めることになった。)

【要望書の中で、特に力を入れた点】
・前文を設けると共に目的と基本理念を明記すること
・市の工事発注の際、中小企業の受注の機会の増大に努めること
・中小企業の組織化と連携、相互協力
・大企業の役割(地域社会の構成員、中小企業振興策への協力、地域経済発展への寄与)
・市の努力(施策が中小企業経営に及ぼす影響への配慮、学校教育における職業観の醸成教育)
     
【なぜ条例化が必要か?】
◆業界や団体が連携をとることがこの時代を乗り切るためには必要だが、
 その時の共通理念や精神的バックボーン(支え・裏付け)として条例が必要
◆形だけの条例では意味を成さない。
 条例制定と同時に政策展開ができるよう、関連づけながらやっていきたい。
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久保さんの発表は条例制定までの展開が具体的に示され、非常に有意義な内容でした。

今回の事例は経済活動に限らず様々な場面に応用できると思います。
生活の中で問題意識はあるものの、それを解決する具体策が見つからないとき、諦めず、まずは足元を正直に素直に見つめ返すことで問題の本質を見極められるということ。その解決策も関係する様々な人の連携と知恵で、少しずつではあっても見えてくるということ。
今私が取り組んでいる「議会改革」などでも応用できそうです。

この北海道中小企業家同友会は「学ぶ」ことを基本とする団体だそうで、懇親会での会話や姿勢からも「何かをつかみたい」「現状を打破したい」という積極的なオーラを感じました。「経営者として、会社や従業員を守るのが自分仕事だから」という強い自己認識の現れだと思います。
そういった前向きな雰囲気の中で、月形町職員が研修を行っていることに嬉しい驚きを感じると共に、これからの政策展開において成果が現れるのを期待せずにはいられません。

また私にとっても、今まで関係の薄かった経済団体や経営者と知り合えたこと、経済活動の現場の課題や対策などを学べる機会を得たことは有益でした。この会へお誘い下さった会員の方々に、お礼申し上げます。

「どこも一緒なんだ。」と諦めるのではなく、「どこも一緒ならば、成功例はそのまま生かせるはず。」という前向きな姿勢で、自分の足元から活動していきたいと思います。

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