オンライン申請って効率的なのか思ったら・・・/10万円特別定額給付金の舞台裏【新型コロナ対策】

首相を筆頭に「オンライン申請で最短給付」と言うから、私は勝手に「オンライン申請すれば行政が持っている様々な情報とコンピュータ内で紐付けできるから、行政側の手間も省けて最短給付ができる」のだろうと考えていたけれど、実際は全然違ってた!
 
滋賀県湖南市 谷畑英吾市長の発信を読んで愕然。(以下引用)
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 マイナポータルからの申請は、連絡先メルアドと電話番号を登録し、マイナンバーカードにある氏名、生年月日、住所データを引き出し、さらに世帯員氏名と振込先口座を打ち込んだあと、口座の通帳かキャッシュカードの画像を添付して、個人認証をして送信します。(中略)
 無事、マイナポータルを通じて電子申請がされたとしても、役所側では独立した電子データを受け取ることになります。このデータでそのまま銀行振り込みされるわけでなく、ここから人の手で1件ずつ処理されていくことになります。世帯主のマイナンバーカードで確定するデータは世帯主の氏名、生年月日、住所だけだからです。
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国が決めた政策がこんな仕組みだったとは!
実際に給付金を支給する現場(市町村役場)はこんなにも大変で、こんなにもアナログ。オンライン申請と言っても「紙申請」と何ら変わらない作業をしなくちゃならないなんて! 
 
これと同じことが全国の市町村、つまり月形町役場でも行われるということ。職員は大変だわ!! 
職員のみなさん、本当にお疲れさまです。


Facebook 谷畑英吾/5月3日 17:02
【休日も特別定額給付金】

 昨日はさすがに疲れ果てましたので、休息を取りました。せっかくの暑いくらいの陽気だったようですが、一日横臥していました。

 今日は午後から市役所を覗きました。日直の職員に声をかけて庁舎に入ると、ゴールデンウィーク中ですが、結構な数の職員が出勤していました。障害福祉や生活困窮、子育て支援、住民基本台帳、税務、国民調査、人事、総務、財政など、特別定額給付金以外の部署でも職員が黙々と働いています。

 新型コロナウイルスで2班体制としたことによる仕事の滞りもありますが、相変わらず国からの平時の調査物の期限との格闘もあります。そこに、新たに特別定額給付金と子育て世帯臨時特別給付金の事務が国から与えられ、しかも早くしろというので、現場にはかなりの混乱をもたらしています。それを粛々と現場の職員はこなしていきます。

 特別定額給付金については、昨日からマイナポータルを通じた電子申請を受け付け始めました。総務省肝入りのマイナポータル利用です。湖南市ではマイナンバーカードの交付は6576枚ですが、そのうち何枚が世帯主なのかはわかりません。そして、昨日からの1日半で130件の電子申請がありました。

 マイナポータルからの申請は、連絡先メルアドと電話番号を登録し、マイナンバーカードにある氏名、生年月日、住所データを引き出し、さらに世帯員氏名と振込先口座を打ち込んだあと、口座の通帳かキャッシュカードの画像を添付して、個人認証をして送信します。

 慣れていれば5分ほどでできる手続きですが、慣れていなければいつまでも進みません。無限ループに入り込んで抜け出せない人もいるのではないでしょうか。運良くすべての事項を打ち込み、画像添付をして個人認証まで来たところで、認証番号で挫折した人も多いでしょう。

 実は、4ケタのパスワードだけでなく、16ケタの個人認証番号も必要なのを多くの人が忘れていると聞きます。そこで、5回間違えるとロックされてしまい、住民基本台帳担当窓口で再度番号を登録し直さなければなりません。5月1日から電子申請を受け付け始めた市役所では、再登録の市民が押しかけたと聞きます。

 無事、マイナポータルを通じて電子申請がされたとしても、役所側では独立した電子データを受け取ることになります。このデータでそのまま銀行振り込みされるわけでなく、ここから人の手で1件ずつ処理されていくことになります。世帯主のマイナンバーカードで確定するデータは世帯主の氏名、生年月日、住所だけだからです。

 世帯員については、様式には続柄と生年月日を打ち込む欄がスペース的に設けられているものの、氏名だけしか打ち込まずに電子申請が完結するので、それが正しいかどうかを人の目で突合しなければなりません。せめて生年月日があればすぐに確からしいと確認もできるのですが、氏名だけで住民基本台帳と突合することになります。

 例えば、複数世帯が同居している場合、どちらかの世帯主が電子申請をしようとして、両世帯の世帯員を混同したり一括して申請フォームに打ち込んで申請してきた場合、その人が別世帯なのか、申請に世帯員が揃っているのかなどは、やはり人間の目で確認していかなければなりません。

 また、極めて厄介なのは、振込先口座を確認するために、預金通帳かキャッシュカードの画像データを添付することにしていることです。手続きを簡略化するために写真があればいいんじゃない的に設けたのでしょうが、最近のスマフォは画素が半端ありません。データ量がかなりなものとなっており、これを申請データと突合するために画面表示や打ち出しをするだけで、ものすごい時間的ロスを生じます。

 1日半で130件の申請を受け付けた湖南市ですら大変なのですから、これが大津市のような中核市や京都市のような政令指定都市ではどれだけのデータ量が集まり、確認作業が生じるのかと思うと、とても心配になります。そして、このデータと郵送申請のデータ、さらにはDV等で他市に避難している人のデータとの突合作業も待ち構えているのです。

 郵送申請については、湖南市はすでに申請書や封筒の印刷と封入封緘作業を委託し、5月5日に納入、それを甲西中央郵便局に無理をお願いして持ち込んで仕分けをしてもらい、連休明けの5月7日から配達してもらえる最速の対応をしています。他の自治体では封筒が手に入らず、封入封緘から足踏みしていると聞いています。

 さらに、DV等で他の自治体に避難している人については、避難先の自治体に申し出ることになっていますが、その情報は都道府県を通じて5月7日に届くことになっています。そのデータを受けて、支給に際しては避難者分を分離するべき世帯について手作業で止めて対応する必要があります。また、避難してきている人の分は別に支給する準備が必要になります。

 こうした複雑な手作業の交差を膨大に積み重ねながら、支給については、電子申請分を5月7日から、郵送申請分を5月16日から、順次開始していくこととしています。電子申請分はDV調整があるのでこれ以上早めることはできませんが、郵送申請分はさらに早める努力をしたいと特別定額給付金班員たちは意気軒昂に休日出勤しています。

 なお、子育て世帯臨時特別給付金については、内閣府から「例えば次回6月児童手当の支給に合わせるなど、できるだけ速やかな開始」を求めていますが、市町村は一般支給対象者に「支給の申込みを行う」こととされたうえで、「一般支給対象者が、子育て特別給付金の支給を希望しない場合」に「子育て特別給付金受給拒否の届出書」を提出させることとされています。

 できるだけ速やかな支給開始をするなら一方的に対象者に児童手当上乗せで支給すればいいものを、いったん、支給させていただいてよろしいでしょうか、いやなら支給しませんので受給拒否届を出してください、とはどういうオペレーションなのでしょうか。そのおかげで拒否届を待つ期間を置くため、速やかな支給をどう担保しようとしているのか不思議です。

 まあ、システム改修の時間的余裕もあまりないのですが、湖南市ではそれも間に合いますし、受給拒否届の受付期間も含めて何とか6月支給に上乗せできそうです。しかし、そこまでスピード感を持って準備できなかったり、規模が大きすぎて物理的に対応できない自治体では、ストレスを抱えた市民からの窓口でのトラブルが増えそうです。

 東京で制度設計をする人たちは、そうした現場の状況を把握した上での事業の立案をお願いしたいと思います。官邸が指示したからというだけで、それをそのまま現場に落とされても、回れればよいのですが、回れなければ国民の不安と不満に直結します。大東亜戦争で大本営作戦当局が犯した現地軍に対する観念的作戦指導という過ちを繰り返しませんように。

2020年05月04日

桜・水仙・チューリップ・ヒヤシンス・・・ 花いっぱいの庭に想う【みどりの日】

今日は「みどりの日」。昨日からの暖かさが残り、時々小雨が降るゴールデンウィーク中の休日。湿度を含んだしっとりとした空気が高原にいるようで、思わず深呼吸。気持ちを落ち着かせてくれる。
 
5月に入ってからの暖かさで庭の桜が咲き出した。水仙は満開、チューリップは色づきはじめ、ヒヤシンスは盛りを過ぎた雰囲気。様々な庭木は鮮やかな新芽を吹き出している。
 
私が大好きな芽吹きの季節。花や新芽の生命力に力をもらっている。人間の社会がどんな状況でも、自然はいつも通りに力強く生きている! その癒やしの力は素晴らしい。その中で暮らせることの幸せ・・・ 
 
そう、庭に植えられたたくさんの植物、花を見るにつけ、この家に住んでいた婆ちゃんと爺ちゃんを思い出す。
 

元農家(私たちに農地を売ってくれた元地主)で外仕事が好きな二人。爺ちゃんは「ここにある木はみんな何かの記念に植えたんだ」と1度話してくれたことがあった。「これは○○が生まれた時、こっちは孫が生まれた時・・・。」当時は樹種に興味がなくて・・・全然覚えてなくてゴメンナサイ。それでも、桜の花やナナカマドの新芽を見ると、あの時のことを思い出す。
 
婆ちゃんは花が好きだったから、毎年種を採り、球根を掘り上げてはデザインを考えて植え付けてた。いつも花いっぱいの庭だとは想ってたけど、今春芽吹いてきたら・・・ 2階にある居間の大きな窓や台所の小窓からちょうど見える位置に水仙とチューリップが植えられていて、白と黄と赤がとても春らしい景色を見せてくれる。ああ、そういうことだったのか! と、この家に住んで初めて納得できた。素敵♪
 
この家に住むようになって4ヶ月。ようやく自分たちの家として馴染んできた。と同時に(元住人の)爺ちゃんと婆ちゃんの暮らしが見えてほっこりする。庭も長い時間をかけて今の姿になっている。
家を引き継ぐってそういうことなのね〜。
 
今、花いっぱいの庭だけれど、雑草もいっぱい出てきた(笑)
樹木も折れたり曲がったり。ここ数年手入れをしてなかったからしょうがない。今年はどこに何があるのか見極めて、少しずつ自分たちの庭にしていきましょう。これから先ずっとここに住むのだから、ネ。

2020年05月03日

「新しい生活様式」に共感と期待【新型コロナウイルス対策】

5月1日の専門家会議の記者会見を音声のみのリアルタイムで聞き、今(正確には2週間前まで)がどのような状況なのかが解った。
 
そこで示された「今後のイメージ図」と「新しい生活様式」という考え方にとても共感できた。

全世界を巻き込んだ新型コロナウイルスとは長い付き合いになるのは必須だから、経済活動を以前のように戻そうとしたら必然的に「新しい生活様式」をするしかない。だとしたら、できること、できないことを見極めて、私たちの未来につながる「新しい生活様式」を取り入れたい。苦しい今だからこそ、未来に希望を持ちたい。
 
■専門家会議の詳細なレポートは以下から(厚生労働省HP)
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020 年 5 月 1 日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627254.pdf

2020年05月02日

なるほど なるほど なるほど〜/久米さんのラジオに西浦先生【新型コロナウイルス対策】

今日(5月2日)放送のTBSラジオ「久米宏のラジオなんですけど」のコーナー「今週のスポットライト」のゲストは、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するクラスター対策班のメンバーである西浦博先生(北海道大学大学院医学研究院教授)。去年3月生出演の再放送。西浦先生が数理学を研究することになった経緯や、集団免疫と数理モデル、基本再生算数、インフルエンザの集団予防接種の意味・・・  
 
新型コロナウイルスの影響で私たちにも耳馴染みになった専門用語。番組では久米さんと西浦先生のやり取りで、その意味や考え方をわかりやすく説明・解説しています。当時(去年3月)は新型コロナウイルスは影も形もなかったわけで、今、聴くからこそ理解も深まると思います。
 
番組は、ラジコプレミアムで 5月9日(土)まで聴くことができます。
「今週のスポットライト」は 14:00〜 
 
久米宏 ラジオなんですけど | TBSラジオ | 2020/05/02/土 13:00-14:55
http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200502130000

ぜひ、聴いてみてください。

2020年04月30日

ここまで来てる。遺伝子解析で解ること【新型コロナウイルス対策】

個人的に興味を惹かれた記事があったので紹介します。

【遺伝子解析=ゲノム解析】という言葉を聴いたことがある方も多いでしょう。ウイルスの遺伝子(ゲノム)を解析することで拡散経路も解る時代になっています。
新型コロナウイルスは中国を発祥地に、全世界に広がる過程で遺伝子が変異し少しずつですが形を変えています。その違いを解析することで感染経路が解るという研究の成果が報告されました。

この記事の元になった情報は
国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センター
「新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム分子疫学調査」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/basic-science/467-genome/9586-genome-2020-1.html?fbclid=IwAR0bCjRej8rLVGtWtSDCYoJ2BvkcIU1slLbzDoot0Xox0vnRECVY2zRJcU0

せっかくの情報(科学的知見)を政策に反映するには、科学的基礎知識が必要です。基礎知識があれば、説得力のある説明ができて信頼につながるように思うから。
ドイツのメルケル首相は物理学者。

新型コロナ、日本で拡大中のウイルス 欧米から流入か ◆ 4/28(火) 15:01配信 TBS News 

 新型コロナウイルスのウイルス株の変異の状況から、日本で現在感染が拡大しているウイルスは欧米から流入した可能性が高いことが、国立感染症研究所の調査で分かりました。
 国立感染症研究所は世界各地で流行している新型コロナウイルスの遺伝子の変異を調べ、どのウイルスが広がっているかを調査しました。
 その結果、日本国内では、「ダイヤモンド・プリンセス」を起点とするウイルス株は検出されておらず、また中国・武漢からの第1波の感染クラスターも抑え込まれていたことが分かりました。
 一方、3月末から全国各地で確認されている第2波の「感染リンク不明」の症例はヨーロッパやアメリカからのウイルスで、旅行者や帰国者からもたらされ、数週間で全国各地での感染拡大につながった可能性が高いということです。(28日13:54)

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