2017年02月12日

何を目的にするのかが重要。【「町民と議会との懇談会」に参加して】

先週から月形町内で「町民と議会との懇談会」が開催されていますが、町民のみなさんはご存じですか? 
2カ所は既に終了していますが、最後の会が明日(2月13日)月曜日の午後2時〜札比内コミュニティーセンターで開催されますので、ぜひ参加してみてください。

私は2カ所目、2月10日(金)交流センターの時に参加してきました。

「町民と議会との懇談会」のチラシが配布されたのは1月20日のお知らせ号。月形町議会として初めての懇談会が開催されると知って、もう嬉しくて楽しみにしていました。
だって、私は議員になったときから「議会だよりの発行」と「議会報告会の開催」を訴えてきたんですから。議会だよりは実働部隊は少人数でも対応できるので、1期目最後には第1号を発行できたのですが、議会報告会は全議員の理解と参加なくしては難しく、近隣で開催されている議会報告会や懇談会を視察に行こうと誘っても一緒に行く議員もなく、現役時代は半ば諦めていたくらいです。

それが私が辞職した同じ年度に形になったんですから、それはもう嬉しいの一言。「議会報告会」ではなく「懇談会」だったとしても、議会が町民と真摯に向き合う機会を設けたのは、とても大きな前進だと思ったので、はやる気持ちを抑えて当日会場に足を運びました。

会場入口で名簿に名前と住所を記載すると次第書とお茶が配布され、会場に案内されました。会場前方には全10人の議員の席。それと対峙するようにイスとテーブルが並んだ町民席。議会事務局の席はどこかな〜と思いつつ、始まるのを待ちました。
町民の参加者は最終的に9人。平日の昼間の割りには集まったと思います。それに、町が主催する町政懇談会は行政区長等が半分以上を占めますが、この日はそれとは違ったメンバーが集まっていて「色」の違いを感じます。集まったのもほぼ同数でしたしね。各議員との関係性で集まった人もいるとは思いますが、純粋な個人的興味で参加した人もいましたし、町政に関して「行政」と「議会」の2つの窓口があることは重要だと感じました。

懇談会の司会は、議会運営委員長の楠議員。開口一番に
「今日の懇談会は、議員が個人的に町民のみなさんの話を聞くために開いた懇談会で、たまたま全議員が揃ったと考えてください。なので、質問があれば議員個人の見解をお話しすることはできますが、議会としての統一見解や方針などはお話しできません。」
と説明したのです。これには驚きました。

言われてみれば、チラシにも次第書にも「月形町議会主催」とは書いてありませんでしたが、標題には「議会」とあり、連絡先には議会事務局が記載されていたので、てっきり議会が主催しているものと勘違いしていました。確かに、会場内に議会事務局職員の席はなく(職員は受付を手伝っていましたが、会場内にはいない)、記録は議員自身がとっているようでした。

まあ、細かいといえば細かいことなのですが、議会という組織を知っている人間としては何とも微妙な位置づけの懇談会なのだと。ここで議論されたことが議会でどう活かされるのか、一気に不透明になりました。一応「ここで話し合われたことは議会だより等で公開してほしい」と要望しましたが、曖昧な返事で・・・どう取り扱われるのか疑問。ちょっと残念でした。

とはいえ、こうして議員が個人的にでも広聴の場を設けるのは(私以外には)初めてだったので、一歩前進したと言えるでしょう。議会が開かれた方向に行くのは大歓迎です。

さて、内容。

懇談会のテーマとして2つ(JR、町立病院)が用意され、ぞれぞれのテーマ毎に状況の説明を議長が行い、その後、参加者と議員とでディスカッションするという展開です(くわしくは末尾に記載)。
どちらのテーマも関心が高く、その他の話題を含めてノンストップの2時間10分。町民から様々な意見が出る中、議員が個人見解を話すというやり取り。議会が主催であれば議決したことの説明に根拠となる詳細な資料を提示するのでしょうけれど、今回は個人的な場だったことからか資料を用意した議員はなく、具体的な話しというよりは「考えの提示」に留まった感じでした。それでもかなり濃厚な時間だったと思います。

形式や位置づけはどうあれ、この懇談会が意味あるものとして活かされるには
・議会は何をする機関なのか
・町民との懇談は何のために必要なのか
の「目的意識」を明確化・共通化しておくことが重要です。

今回の場合は現時点では曖昧だったようですが、まだ間に合います。もし懇談会を実施しながら町民と向き合うことで見えてきたなら、実施した甲斐があったというもの。少なくとも会場で出た様々な意見や提案や論点は、全議員が聴いていて共通化できてるはずですので、これをどう結果に結びつけていく(形にする、町民に投げ返す、新たな展開を示す)過程で目的をハッキリせざるを得なくなるでしょう。そのことは各議員に、そして議会に課せられているといえます。

議員が勇気を持って踏み出した第一歩、その歩みが確実に前に進むよう期待しています。

なお、JR札沼線の存続問題に対する私個人の考えを、ある議員から懇談会の場で問われました。その場でも答えていますが、道のワーキングチームの情報なども絡めて、改めて(詳しく)ブログに掲載します。少々お待ちください。
※懇談会で私が発言した内容は、以下に、他の人の意見や質問と分けずに掲載しています。
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「町民と議会との懇談会@交流センター」での意見交換内容
※宮下メモ。全てを書き取れなかったので不掲載の部分あり。ご了承ください。

【JR北海道を巡る動向について】
■議長が資料を示し、簡単に説明
・JRから月形町に正式な提案はされていない。(町からの情報)
・平成28年7月に、3町(新十津川町・浦臼町・月形町)の3議長が正式に顔を合わせて懇談。それ以降、顔を合わせる度に私的な話し合いをしている(正式な会合はなし)。直近では2月7日に顔を合わせた。道のワーキングチームの答申を受けて展開はスピードアップすることが予想されるとの見解で一致した。
・議会も必要に応じて町からの話しを聞く体制になっている。

■町民からの質問・意見
・JRは乗る人が少ないから赤字でやっていけない。JRが止めると言い出したらもうダメだと思う。騒いでも仕方ない。バス転換を受け入れた方が良い。
・町から町民への説明がなされていない。新十津川町、浦臼町、当別町では住民向けの説明会と意見集約等を行っているようだが、月形町は全く動いていない。情報提供と意見交換の場を!
・JRの問題に対して悠長に構えている時間はない。2,3年後に廃線になるくらいの勢いで話は進んでいる。まずは基本的な情報を町と議会と町民で共有しないと話にならない。
・JRから月形町に正式な説明はあったのか、なかったのか?
・新聞をとっていないので全体の話しが全く見えない。町民への説明はないのか?
・町議たちは、国会議員や道議に働きかけているのか? 国会議員や道議の動きが全く見えない。
・過去にバス転換になった自治体の状況を調べたのか? 転換後すぐに赤字で廃止になっていないか?
・バスを走らせても赤字なのは織り込み済み。あとはどれだけの本数や利便性を確保できるのか、条件闘争しなければ。
・過去にバス転換した自治体では、バス赤字分を交付税で補填される措置があったのではないか。町は存続一辺倒ではなく、具体的なデータを集めて比較検討する必要がある。何も調べないで、次の日から方向転換はできない。水面下での情報収集は必要。
・赤字額3億円というが、それは運行経費なのか?設備費なのか? 何もわからないで数字だけ上げても話にならない。内訳等詳細なデータを示して欲しい。
・「JRがなくなったら困る」という人は、必ずしも鉄路がなくなったら困ると言っているわけではない。公共の移動手段がなくなったら困るということを言っているだけ。バス転換して公共の足が確保されるなら、それでもいいという人はかなりいる。キチンと調査すべき。
・夢のような提案として聴いてほしい。町内に宅地開発業者を入れて毎年50世帯×10年間、住宅を建てれば、10年間で1000人人口が増える。その人にJRを利用してもらえば赤字解消もできるのでは。まずは人口減少対策をしっかりやってほしい。月形まで電化してもらってもいい。

■議員の個人的見解
・人口減少社会でいずれJRはなくなる。ただ今はJRを守りたい。その時が来たら条件闘争する。
・町から議会への説明は夏から2回だけ。上坂町長は今まで一度もJRと正式に話したことはないと言っている。今はまだJR存続の要請活動をする時期。まだ余裕はある。
・月形は札幌に近く、札幌の一員という意識。赤字額は3億円程度で、赤字額としては他の路線より少ない。粘り強く存続活動をして月形までの鉄路を残したい。
・JRが赤字なのは国の交通政策失敗による。国に責任がある。
・最近、道のワーキングチームが方針を出し、国会議員の先生も意見を言い出した。ようやっと役者が揃った雰囲気がある。これからの議論だ。
・JRは地元のものだけではなく誰が乗ってもいい鉄路。インバウンドの利用で札沼線に乗るかもしれない。地元の利用や利便性だけでなく広い視点で考えることが必要。
・良い意見(宅地開発・人口増・電化)をもらった。未来に夢が広がるような提案がいい。
・町には、情報提供をするよう要請する。
・町には、水面下で動いてもらうよう進めて行く。


【月形町立病院診療日程について】
■議長が資料を示し、簡単に説明
・1月末で整形の常勤医が辞め、内科の常勤医1人になった。
・整形外科の診療は外部からの派遣で対応し、外科の搬送先は確保してある。救急はその都度対応することになっている。
・しばらくはこの体制で対応する
・平成30年度には医療制度改革が予定されているので、それにあわせ平成29年度中には、町立病院の抜本的見直しを行うと、町側が言っている。

■町民からの質問・意見
・町立病院の赤字が増えるのは目に見えている。病院の体制変更に対して、議会から提案などはないのか?
・議会は道外視察などで、地域包括ケアや訪問看護などの現場を視察している。せっかく視察に行っているのだから、それを活かした提案をしてほしい。
・病院の縮小(診療所・19床)も考えられる。その上で、訪問看護ステーションを立ち上げ、看護師やリハビリの先生を派遣することもできる。様々なアイデアを検討すべき。
・病院と鉄道はいらないと思っている。
・病院経営の不採算に対する交付税額はいくらか?
・救急指定による交付税減額と、廃止によるコストを比較する必要がある。単純に廃止にはならない。住民の利便性とコストの計算必要。

■議員の個人的見解
・今後の方向として、内科に特化したり、救急返上もあり得る。町民と何度も相談する。
・町立病院の累積赤字は7億5千万円以上。今後も膨らむ。
・議長と副議長で相談し、水面下で案を出している。
・病院会計は企業会計であり、公会計システムも入った。議員も勉強中。
・昨年10月に長野県川上村を視察してきた。その成果として議会から提案できるようにしたい。

【その他】
■町民からの意見》 以前議会を傍聴した。議員の質問に対して答弁者が「見解の相違だ」と言って、それ以上の答弁をしなかった。これは答弁拒否にあたる。議会を軽視している重大問題だ。本来ならそこで審議を止め、答弁者に注意すべきもの。議会(議長)はしっかりした対応をしてほしい。

■Q:町民》 11月の臨時会で議員の期末手当を3.95ヶ月から4.3ヶ月に一気に上げた(町長等は4.2ヶ月 → 4.3ヶ月)が臨時会での発議のため、この事実が町報に掲載されず、議会だよりにもまだ掲載されていない。なので町民は上がった事実を知らない。さらに、本会議の発議理由説明も簡略化され、質疑もなかったので議事録にも載っていない。期末手当を上げた理由は何か。また、議会だより等に掲載するか?
 A:議長》 月形町議会議員の期末手当は空知管内でも低い方。(1)足並みを揃えることと待遇改善を考えた。また、(2)議員のなり手もいないことから、上げることで議員の担い手確保の意味もある。(3)手当を上げるタイミングがいつでもあるわけではないので、町側と一緒に、同じ程度まで上げた。
 Q:町民》 その理由であれば、上げたことを広報し町民に周知しなければ担い手対策にはならない。選挙前になって「調べたら上がってました」では、議員が自分の報酬欲しさに上げたように見られてしまう。議会だより等に掲載して広く周知してほしい。

■Q:町民》 議員報酬は税金からだから、議員同士で勝手に決めるのではなく町民の意見から判断することはできないのか? デフレの時代に報酬を上げることが理解できない。
 A:議員》 町民の意見を聞くために、遅まきながら懇談会を開催している。これから努力する。

■Q:町民》 12月の定例会で「議員年金復活の意見書」を全会一致で通したが、その理由は?
 A:議員》 全道議長会からの依頼。議員の身分の不安定さを考慮して、全会一致で採択した。深い議論はなかった。

■意見:町民》 月形町の行政は「してやってる」意識が強い。驚く。改善できないのか。
 

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