2017年01月25日

人権が理解できれば・・・【障がい者自立支援ネットワーク フォーラム】

寒さのピークを過ぎ、ホッしています。昨日の最低気温は-20.2℃、とっても寒かったですね。

そんな凍てつく1月24日(昨日)の夕方(午後4時30分〜7時)、月形町交流センターで【障がい自立支援ネットワーク フォーラム】が開かれていました。参加者は20人ほど。


一般にも開放したフォーラムとのことでしたが、私が見るに、福祉に直接関わっていないのは私くらいだったのではと思うほど。告知が(私の知る限りでは)前日夕方のIP端末で1度きりだったので、開催を知らない町民も多かったと思います。講演会の内容がとても良かっただけに本当に残念でした。

フォーラムは
1.学習会「障がい者差別解消法について」  月形町保健福祉課職員
2.講演会「津久井やまゆり園事件について」 IGM法律事務所 水沼 功 弁護士

講演会は、私が演題からイメージした内容とは全く違っていて、概念である【人権】を分かり易く解説するものでした。全ての人が【人権】を理解し尊重できたなら、社会の様々な差別意識(障がい者差別、いじめ、ジェンダー問題・・・)が解消できるのではないかと希望が湧くような、久々にヒットした講演会でした。

具体的には・・・

障がい者自立支援法がめざす「共生社会」を、「暮らしの中で目にする障がい者の割合を、社会の中に存在する障がい者の割合と同じにすること(=障がい者を隔離したり排除することなく、一般社会で暮らせるように社会システム上の不合理を解消すること)」という表現に言い換え、津久井やまゆり園事件や社会一般の事例も絡めながら説明されていて、私の中に「共生社会」というイメージや「人権」という概念がストンと落ちました。

また、講師の水沼さんは弁護士として精神医療に関わりが深く、矯正関係の知識も豊富。それらに関係した法律の目的とその運用を解りやすく解説してくれました。障がい者施設と刑務所などの矯正施設を持つ月形町民にとっては身近でイメージしやすいため、理解が進んだのだと思います。

さらに、「措置入院」「身体拘束」「罰則強化」「優生思想」・・・ 津久井やまゆり園事件を経て多くの人が触れたこれらの言葉や行為についても、その意味・目的・問題点などを丁寧に説明してくれました。簡単に使われるこれらの言葉、でもその言葉が意味する「本質」は単純ではなく、様々に形を変えて私たちの暮らしに入り込んでいます。悲惨な事件を目の当たりにして安直に否定しようものなら自己矛盾を起こすこともあると示唆しました。概念を含んだ言葉は慎重に使わなければと再認識できました。

さて、

前段の学習会では昨年4月に施行された「障がい者差別解消法」を解説し、差別を解消するための基本的な行動パターンや、月形町職員の行動指針(案)などが示されました。しかしながら、フォーラムに集まった人はほぼ関係者で既に承知済み。この内容は一般町民に知らせてこそ生きるものだったと思います。
ならば、この学習会の目的は何だったのか? 何を期待して開催したのか? 

学習会の最後で役場担当課に「一般町民向けに、このような学習会を開催する予定は?」と質問したところ、「今日がその場です」とのこと。だったら、もっと告知をすればよかったのに。

目的を明確にすることは目標達成の第一歩(講師の水沼さんも指摘していました)。その上で、目的に合致した企画を立て、行動する。現状はちょっとちぐはぐで、貴重な時間や労力がもったいない。山積している行政課題を解決するためにも、企画に力点を置いてほしいと思いました。


上坂町長は元障がい者施設長であり人権擁護委員です。キャッチフレーズは「共生のまちづくり」「対話を重ねる」。ならば、障がい者施策は上坂町長が本領発揮できる分野でしょう。そこを突破口に誰もが人権を尊重する社会をつくりあげてほしい、と 切に願っています。

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