2015年09月17日

議員の議決権行使の重み【月形町議会平成27年第3回定例会・国会】

平成27年9月17日(木)早朝、まだ国会は動き出していない。安全保障関連法案は参議院特別委員会での攻防が続いている。

一方、月形町議会は、9月15日(火)に平成27年第3回定例会(平成26年度決算特別委員会を含む)を閉会した。新聞報道を見ると、いつも通り何事もなく終了したように見えるだろう。確かに結果はそうだった。けれど、これほど審議が白熱し、休憩が何度も挟まれ、決算不認定もあり得る状況になったのは初めて。この定例会中、討論と起立採決が行われたのは3回。そのどれもが僅差であった。

■平成26年度決算特別委員会における月形町一般会計決算認定 → 認定
・討論:賛成討論(なし)
    反対討論(宮下
・採決:賛成 4(我妻、松田、出村、金子)
    反対 3(宮下、笹木、平田)
 ※ 議長(堀)、監査(大釜)、決算特別委員長(楠)は採決に参加しない。

■本会議における月形町一般会計決算認定 → 認定
・討論:賛成討論(金子)
    反対討論(宮下、笹木)
・採決:賛成 6(我妻、松田、大釜、楠、金子、平田)
    反対 3(出村、宮下、笹木)
 ※ 議長(堀)のみ採決に参加しない。

■「塵芥収集及び衛生センター管理業務」に関する調査特別委員会
  設置の発議(提出者:宮下、賛成者:笹木)
 → 否決
・討論:賛成討論(笹木、我妻)
    反対討論(大釜、松田)
・採決:設置に賛成 4(我妻、出村、宮下、笹木)
    設置に反対 5(松田、大釜、楠、金子、平田)
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これほど白熱したのは、決算特別委員会でいくつもの疑念が見つかったからである。その疑念を「確かめたい」と思うか、「疑念はあるも、よしとする」か、その判断が分かれた。

私が反対討論で指摘したのは
◆塵芥収集及び衛生センター管理業務における4tトラックの問題
 ・4tトラックの購入経緯・所有権・処分への疑念。
 ・あるべき財産・収入が平成26年度会計に繰り入れられなかったこと。

◆上記事業において同一業者との約30年にわたる随意契約(4tトラックと関連)
 ・委託料約3,000万円の事業が、特段の理由もなく一者特命随意契約であったこと。
  (なお、平成27年度からは広域処理によるシステム変更。入札実施。)
 ・随意契約を続けてきたことを「しかたなかった」とした町長(行政)の不作為。
  (制度改変や毎年業務委託時の検討や、監査委員からの指摘を無視)

◆認定こども園開設準備事業の設計と執行
 ・業務委託にもかかわらず、指定管理者制度と混同した曖昧な設計と執行
 ・予定業務が執行されなかったにもかかわらず精算していないこと。
 ・開設準備のために必要な事業とその経費は適切だったか。
※審議に先立ち、私は情報公開条例によってこの事業の資料を請求。入手した委託料の事業設計は全て黒塗り、精算資料は非公開。明解な説明なし。(詳しくは一般質問で)


指摘した問題は個別具体的であるが、単なる「間違い」ではなく、体質的な要素を含んでいる。一つを見過ごせば月形町全体に波及しかねない(あるいは既にそうなっていることの一端かもしれない)。

そこで、最も疑念が大きかった「塵芥収集及び衛生センター管理業務」について、地方自治法第98条に基づく調査特別委員会を設置し、過去からの実態をしっかり調査し見極めたいと考え、動議を提出した。

賛成討論をした議員は
「決算審議での説明はどうしても納得できない。解明されていない。」
「決算を承認したが疑念は残った。自分の判断をよりハッキリさせるため調査したい。」

反対討論をした議員は
「多くの課題は残ったが、既に議会は承認した。今後は行政がしっかり検証し、適正に遂行していく。議会も求めていく。なので、調査特別委員会は必要ない。」
「多少の疑念はあったが、当時の政治状況等があったと思う。過去のことであり既に決算で認められたこと。平成27年度からは新たな体制でスタートしている。前に進んでもらいたい。地方創生を考えなければならない時に、この件に時間を割く必要性があるのか。」

これほどの意見対立があったが、結果は “いつも通り” である。
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《議決は重い》。一人一人の議員が何を考え、何を重視して議決権を行使したのかはわからない。しかし、その結果は全てその議員が背負う。町議会議員とて同じ。
町民のみなさんには、今回の各議員の判断を覚えていてほしい。

さて、国会もまもなく動き出す。
これからそれぞれの議員は、議決権を行使する。どう投票するか、その行為と結果は各議員に帰結する。私たち国民はそれらを覚えておかなければならない。

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