2015年04月25日

選挙を候補者以外の目線で捉えるチャンス【選挙運動期間最終日から見えてきたもの】

本日、選挙運動期間最終日。もしも選挙になっていたら私も大忙しな一日だったはず。でも無投票当選で何もない。
ところが、そんな私に思いがけないチャンス到来。そう、自分に何もないからこそ「他の自治体の候補者がどんな選挙をしているのか?」「市民の目線で、各候補者の選挙運動はどう見えているのか?」を、この目で確かめられるチャンス! 

早速、統一地方選挙後半で議会議員選挙が行われている《岩見沢》《南幌町》《当別町》に行って見てきた。
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【事前調査/インターネットによる情報】
まずはインターネットで各選挙管理委員会から発表されている候補者情報をチェック。自治体によって公表している情報に差があり、候補者の「名前」「性別」「所属」しか掲載されていないところも。

これでは候補者の背景が全く解らず想像もできないし興味も薄れる。せめて「別紙 平成27年4月26日執行月形町議会議員選挙立候補届出者」くらいの資料は掲載して欲しいし、選挙公報が公開されていればなお良し。(しかしながら月形町を始め、特に町村では選挙公報そのものを発行していない自治体が結構ある。残念。)

候補者のウェブサイトを確認。上記届出書に記載されたアドレスをチェック。内容は様々。候補者の考え方や方針、実績が載っているものもあれば、遠い過去にページをつくっただけ(更新なし)のもの、できない理由(言い訳みたいなもの)が書かれてるだけのブログ、キャッチーな言葉だけ(一般論と流行の言葉が中心で、本人の考えや言葉が見えないもの)が並んだページなどもあった。

その中で目にとまったのは、街頭演説の日程が掲載されたもの。この時間にここに行けば、確実にこの候補者の声を聴くことが出来る! そう、これをめざして行ってみよう!


【実際目にした選挙運動】
選挙戦最終日。私も候補者だったからわかる。終了時間が見えて、気持ちが上がり踏ん張りもきく。演説は回数を重ねてよくまとまり、自信もついてくる。候補者の本質が最も現れる日。

■街頭演説を聴きたくて、予定時刻に予定の場所へ。4人乗りの軽自動車選挙カーが時間通りに現れ、4人(候補者、司会者、補助者、運転者)がシステマチックに動いて、すぐに候補者が街頭演説を始める(約2分間)。演説中に証拠写真(「現在、街頭演説○○回目のプレートと一緒に撮影。たぶんネット掲示用)。そのあと司会が投票の呼びかけ等を行っている間に、候補者は聴衆と握手し、予定の所作が終わるとあっという間に立ち去った。その間5分以内。街頭演説というより「ゲリラ演説」という印象。新鮮! スゴイ! なるほど!
既に500回を超えた街頭演説は一般論が中心だが短くよくまとまっているし、何より自信を持って話しているのが良かった。それに4人のチームワークが抜群で、組織がしっかりしているのも感じる。たくさんのチャレンジが含まれていて、とても参考になったし、興味もそそられた。

■候補者が自転車による選挙運動をしているところにも遭遇。ネットでもたくさん紹介されているが実際に目にしたのは初めて。色々なやり方があると思うが、私が見たのは・・・ 
候補者が自転車に乗り先頭を走る。その後ろをゆっくりと選挙カーが追従し、ウグイス嬢が名前を連呼。住民の姿が見えると候補者は自転車で向かい、自転車を降りて握手。素早い! なるほど、こういう仕掛けになっていたのか!
自転車遊説のネット写真を見て、私は勝手に候補者が一人で頑張っていると思っていたが、現実は違うこともあると気づいた。ウグイス嬢が連呼してい前方で自転車に乗っているのは、どんな意味があるのだろう? 私にはパフォーマンスにしか映らなかった。でも「有権者とふれ合う」という意味では、選挙カーから手を振るよりは目標達成できるだろう。1つの選挙スタイル。

■政党による組織選挙も見た(月形町では政党所属候補者がいないので新鮮)。
演説の声が遠くから聞こえたので現場に直行してみると・・・ (現場に行き着くまでに時間を要したので既に演説は終わっていたが、)かなり長い時間やっていたもよう。選挙カーと遊説隊を乗せた車が何台も沿道に止められ、おそろいのジャンバーを着た運動員が実にたくさん群がっていた。その近くにもたくさんの聴衆。組織の力はすごい!
個人的に候補者のことを知っているが、普段とは違った雰囲気だった。

■「○時○○分(5分後)より、△商店前で街頭演説を行います。」という選挙カーの呼び込みに誘われて現地に。候補者と数名の運動員が配置につき、いよいよ街頭演説が始まった。
第一声を聞いた時、あまり慣れていない話し方に「選挙期間中、あまり演説してないんだなあ」と期待が半分薄れていく。しかし、約10分間の演説は、立候補の理由、現状の課題提起、町の未来像、議員としての取り組み方など、候補者自身の考えを候補者自身の言葉で綴っていて次第に引き込まれた。演説が終わったとき、私は惜しみない拍手で「頑張って!」の気持ちを表していた。

■一番多く目にしたのは、選挙カーの助手席に候補者が乗り、後部座席におそろいのジャンバーを着た運動員とウグイス嬢がいて、大きく手を降りながら候補者の名前と選挙特有のフレーズを繰り返すスタイル。 
確かに、名前の連呼は「あっ、○○候補が近くにいるんだ!」ということを伝えるのにはいい。私もそれぞれの自治体に知り合いの現職議員がいるので、その人の名前を聞けば「会いたい」とも思う。けれど、全く知らない候補者の場合、名前を聞いてもどんな人なのかは想像できない。選挙公報やウェブサイトがあれば調べられるが、往々にしてそういう候補には情報がない。結果、何の印象も残らなかった。
また、今回出会った選挙カーのほとんど全てが「ウグイス嬢=女性の声」を使っていて、街中に女性の声があふれていた。道内の市町村議会には女性議員は1割もいない。なのに選挙の時は女性の声が響くから、女性が政治に参画しているような間違った印象を与えているのではないかと感じた。もし候補者だけの声しか許されないなら、中高年男性の声がほとんどになる。選挙運動そのものの印象も変わり、多様な候補者の必要性を実感できると思う。
それから、ビルが建つ都市部での連呼はスピーカーの音が反響して、とても聞きづらかった。何を言っているのかも解らない。辛うじて名前の一部を判別できる程度。市議会の候補者ほど立派なスピーカーを搭載していたが、実際に使える場面はそう多くないようにも思った。
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選挙をする側(=候補者側)にとって、選挙期間はあっという間に感じるし、とても濃厚な時間。しかし、一般市民の感覚で見ると、選挙カーに遭遇する機会は案外少なく、非日常の一コマくらいなものなのだとわかった。実際、私はたくさんの候補者の様子が知りたくて、あちらこちらを走り回ったけれど、出会えた選挙カーは数えるほど。事前調査でお目当ての候補者が数人いたが、最後まで出会えなかった。

「選挙」に対する感覚は関係者と一般市民とでは、相当に違っているのがよく解った。この温度差を縮めなければ、投票率の向上も、無投票選挙の回避も進まないと思う。そのためには、市民が欲しがる情報をきっちり提供することが必要で、特に選挙管理委員会には情報提供システム(最低でも、詳細な情報の載った届出者一覧や選挙公報の作成とウェブでの公開、それらがリンクなどを貼り合って一元的になっているシステム)を構築してほしい。

一方、候補者は、どこに行けば会えるのかの情報(街頭演説等の日程や遊説ルートの公開等)を積極的に行うべきだと思う。選挙運動の目的を「有権者とふれ合う」ことにする場合でも、行き当たりばったりより事前に予定として解っていた方がいい。インターネットや携帯・スマホ等の発達で、情報環境は一昔前と全く違っている。普段誰かに会いに行くときも、まずメールなどでアポを取ってというのが一般的になっているから。


今回私は選挙運動期間が1日しかなかった。そのため、街頭演説しかしない方法に限界も感じていたが、今回の調査で悩む必要などないことがよく解った。やり方の工夫は必要だが、路線としては間違っていないと確信した。そして活用できるアイデアもたくさんいただいた。やはり『百聞は一見にしかず』なのだ。


さて、いよいよ投票日。私に投票権はないが、入れるとすれば《○○○○○》候補かな。

有権者のみなさん、みなさんの1票は、あなたのまちの未来をつくります。
どうぞ、想いの丈を1票に表して、投票しましょう。

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