2015年04月20日

花の里保育園の増改築工事、これでいいのか? 少数意見を再考することなく進む事業に議会はOKを出した。【平成27年第1回定例会:一般質問と予算/花の里保育園増改築工事】

1年後に開園する月形町認定こども園。そのために、花の里保育園を増改築する工事費(1億円:写真の緑&赤の部分)が平成27年度予算に計上されました。

予算の額もさることながら、その設計内容(特にトイレの配置:緑部分の左上)と進め方(少数意見の検討もなしに粛々と進めるやり方)に大いに疑問を抱いた私は、設計変更の可能性を追求しましたが・・・

一般質問と予算審議で見えてきたことは、全てが予定調和で進む現実。より良いものを作る努力より、予定通り進むことを重視する町側の姿勢。それら全てを容認する議会の姿。でした。

議会はこの案に賛成しました。

※私は一般質問や総括質疑で問題点を指摘し続けました。しかし、議員の中に賛同者を得ることはできず、工事費の減額修正案を提出できませんでした。いつもならここで、この事業を含む全ての予算に対して反対するのですが、今回は36億円余の当初予算。行政全体の予算配分を考えた時に反対することはできませんでした。結果、私もこの工事費を認めたことになります。

この予算は既に議会を通って、当初の設計と計画通りに進んでいます。
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【平成27年第1回定例会/一般質問/平成27年3月10日】
花の里保育園増改築工事・実施設計の変更について[答弁者:町長・教育長]

Q)2月20日の全員協議会に、増改築工事の実施設計図面が初めて提示された。その際、私は「新設トイレの位置は、使い勝手や増改築目的と違っていて問題がある。」と指摘した。町側からは「設計変更は難しい。」との答弁だった。
 今はまだ設計段階であり変更は可能と考える。変更が困難な具体的理由(設計変更料、手続きや工期の変更等)は何か?

A)2月20日の全員協議会で説明した際、宮下議員以外から意見はなかった。他の議員はみな「花の里保育園としっかり協議した上での設計なら問題ない。」とのことだと理解した。粛々と進んでいる。よって設計変更は全く考えていない。
 設計変更は全く考えていないが、もしも変更するとしたら、新たに発生する設計変更料は160万円(当初の設計額は400万円)は補正が必要。4月の臨時会で承認をとり、設計し直し完了するのが6月中旬。予定の工事期間8ヶ月が遅れることによる工事費の増額、加えて冬工事で除雪費や暖房料などかかり、1億円の工事費では済まず必ず補正予算の議決が必要になるだろう。完成は来年4月を過ぎてしまうので開設時期にも影響が出る。

Q)工事の開始が後ろにずれ込むのであれば、それを見越した工事のやり方に変更すればいい。計画原案では保育園で保育を続けながら並行して工事を進めるから工期が長くなる。以前から提案しているように、別の公共施設に場所を移し保育を行ったなら工期も短くなる。その方が工事費が安くなることも考えられる。設計変更すると決めれば検討の余地は充分にある。 
 そもそも、今回の進め方には問題がある。2月20日の全員協議会は決定の場ではない。議会に1度設計図を見せただけで事業を進める(=最初から設計変更できない)手はずになっていることが問題。これなら何のために議会があるのか? 議会は保育専門家とは違う視点で設計図を見て、保育園のあり方を議論・提案することもできる。
 町長は先の答弁で「宮下議員以外OKの方向だから問題ないだろう」と言ったが、それなら最初から議員の半分がOKならそれだけで物事が進んでしまう。議会の役割は、様々な視点から問題点や疑問点を示すこと。それに対し町側がキチンと答弁(対応)し、最終的に議決=多数決という形をとる。今回の場合の進め方はどうだったのか。議会が設計図を見ても変更できない時期であれば、何の意味もない。
 本来は利用者である保護者に対しても町側から提案を行い、見て、納得して、不安をかき消すような説明をする必要があるのでは? これでは町長がめざす「共生」や「協働」からほど遠い。

A)保護者からは、小さな部分の意見は出てくるだろうと認識している。
 今後において、大型工事などの時は充分に注意しながらやっていきたい。

Q)2月20日にも指摘したが、新設するトイレの配置に問題がある。今の配置は新設される2歳児室内の一角にあり、2歳児以外は使いにくい。また、新設される建物は渡り廊下で本舎とつながるが、トイレは最も奥になるので死角になる。
 トイレの位置を本舎側に持ってくる(トイレと2歳児保育室入れ替える)ことで、廊下から直接トイレに入ることができ、3〜5歳児・1歳児も使うことができる。また保育士等が廊下を通るたびにトイレの様子を見ることができ、死角になりにくい。
 これまでの町側説明や答弁で「トイレの増設が必要」と何度も言われてきた。私も合同保育を見学したがトイレは確かに混んでいた。また独自に調査したところ、定員80人の場合、現在のトイレの数は基準を満たしているが余裕はない。せっかく増設するなら、2歳児以外の園児も使えるよう配置すべき。

A)設計は開設準備委員会幹事会が中心に進めていて、トイレの配置は現場の保育園と何度も図面を確認して決めてきた。2歳児専用トイレは保育園側からの要望である。3〜5歳児は既存のトイレを使用しているが、合同保育の様子から、クラスでトイレの使用時間帯を分ければ対応できるということだ。
 保育園に確認したが、トイレと保育室などは今の配置がベターとのこと。もしトイレと2歳児室を入れ替えた場合、2歳児室が最も遠く孤立してしまう。本舎側の保育室との連続性が大事と判断した。
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【平成27年度予算特別委員会/総括質疑】
認定こども園開設について[質問:宮下/答弁:副町長・教育長]

Q)増改築工事のスケジュールは?
A)予定では、3月定例会で予算を議決。平成27年4月に入札、仮契約。5月上旬の臨時会(初議会)で契約議決のあと本契約。工事は5月上旬からで12月中旬完成予定。
 工事はまず愛光園側の園庭に2歳児用保育室などを増築(写真の緑部分)。完成したらそこに職員室を移し、玄関と職員室と厨房の増改築を行う(写真の赤部分)。この間、給食は「はな工房」を利用。

Q)保護者に対する説明は?
A)工事業者の工程表ができてから、1度説明会をする予定。まずは花の里保育園の保護者会役員と打ち合わせをし、必要なら保護者全体に説明する。

Q)平成27年度、認定こども園開設までのソフト事業の内容は?
A)今年度と同様。合同保育や視察を計画。教育目標を作成していく。

Q)教育目標の作成は平成26年度の委託事業だったのでは?
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一般質問も予算総括質疑でも、私は何一つ納得できませんでした。「共生のまちづくり」を標榜する町長が、町民を全くの蚊帳の外にして事業を進めていることが悔しいです。

それから今回の件を通して「議会の役割」を果たすことの難しさを痛切に感じました。議会が自らの役割(権能)を果たすには、議会・議員自らが意識を持って行動しなければ得られないのだと。今回の件では、議員自らその権能を放棄したように見えてなりません。このことも悔しいです。

物事を議決するとき、専門家の意見は重要です。だからと言ってそれを鵜呑みにするのなら、そんな議員はいらないです。専門家の意見は意見として聞いた上で、別の視点からどうかと見てみたり、検討は十分だったのかと確認したり・・・。

議決の責任は個々の議員に戻ってきます。私たちはもう議決してしまったのです。


あ〜それにしても今回の件、1億円もの工事費をかけて保育園を増改築することに対して「大金をかけて施設を良くしてやるんだ。満足だろう〜。」と、四方八方から言われているように感じてしまったのは私だけでしょうか?

汚れているより綺麗がいいし、何もないよりは設備が整っている方がいい。
でも限られたお金だったら、私は(保育や教育の)中身が充実する方がいい。
1億円の1/10=1千万円あるだけで、ソフト事業数年分が手に入るのに。
どう使おうか自分たちで考えられる少額のお金と、あてがわれるだけの高額のお金はどっちがいい? 
私は自分で使い方を選びたい。何に使おうか考えている間中、幸せな気持ちになれるから。

更新が滞っていてゴメンナサイ。明日は町議会議員選挙の告示です。

大変ご無沙汰しています。前回の更新から1ヶ月、更新できずにすいません。

個人的な事情(家庭=息子の道外進学による巣立ち。生業=雪融けとともに一気に始まった種まきやハウスの準備他。町議会議員選挙の準備。他)によって、ブログが疎かになっていました。

区切りとして、選挙が始まる前に2期目の仕事のうち「平成27年第1回定例会の報告 = 保育所増改築工事に関係する一般質問と予算関係」だけはキチンとしておきたいと思っています。今急ピッチで取り組んでいますので、少々お待ちください。


明日は町議会議員選挙の告示日です。ここまでの雰囲気から、立候補者は定数と同数(現職7,新人3)で無投票になる見込み。選挙にならないことを喜ぶ候補者も多いようですが、私はとても残念です。

※写真は須部都川河川敷南斜面に咲いていた[エゾエンゴサク]。昨日見つけました。
こんな時期に見られるとは! 普通は桜が咲く頃(5月の連休から中旬)なのに。
ここは[陽だまり]だったんでしょうね。
ホッとするひとときでした。

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