2015年03月18日

全て原案可決も、議論すべき話題の多かった定例会が終了【平成27年第1回定例会/概要報告】

3月16日(月)、会期を一日残して平成27年第1回定例会は閉会しました。

私にとってはいつにもまして内容の濃い議会で、議会開会前も含めた約1ヶ月間フルに集中していたのでとても疲れました。議会閉会の議長の声を聴いて“ふっ”と緊張の糸が切れ、どっと疲れが出たのを覚えています。低体温のための体調不良で回復に1日を要し、その間、議員として活動してきた8年を振り返ることもできました。あっという間のようで長かった8年間、1つの区切りです。

さて、定例会全般について概要を報告します。

3月3日(火)から2週間をかけて《平成27年度の月形町がどんなことになるのか》について、町長や教育長の執行方針を基に担当課長や職員に予算の詳細を確認し、その意図や課題を理事者(町長・副町長・教育長)や各課長と議論してきました。結果は「全て原案可決」でした。

しかしながら、その過程には色々な議論がありました。私は一般質問や審議全般(平成26年度補正予算、各種条例改正や制定、平成27年度予算など)を通して、個々の疑問点を(一般質問では意見を交え)質問し、答弁に納得できることもあれば、課題が浮き彫りになったこともありました。採決の一部では反対討論=反対をしています。

結果として「全議案・原案可決」となりましたが、議会は10人の議員によって様々な視点を提供することが1つの使命なので、積み重ねた議論はムダにはならないはずです。
ただ原案が可決された以上、町側は予定通りに物事を進めることができます。今回の議論をどう活かすかは、町側のこれからの進め方にかかってくるのです。慎重に見極めていきたいと思います。

以下は今定例会で審議された内容のうち、特に私が注目したものについて概要を載せました。何か疑問や質問があれば遠慮なくお知らせください。説明します。また、一部の内容については別項目で詳しくお知らせする予定です。そちらもあわせてご覧ください。
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【平成26年度一般会計補正予算】 37億6331万6千円 (-1619万6千円)
■「まち・ひと・しごと創生」関連の補助金  5213万3千円

・国から上記補助金の町への予算配分をうけ、平成27年度に行う事業(計7事業)を前倒しして平成26年度の補正予算で計上した。
・実施予定事業の多くは、既存の事業をこの補助金に合致するように手直ししたもの。補助申請に間に合わせるため十分な検討はできていない。
・新たに行う事業として「地方創生総合戦略策定事業 1,000万円」が計上されている。そのうち約900万円は総合戦略策定業務としてコンサルタントを活用するとのこと。
・プレミアム商品券の発行も計画。(国だけでなく、道からの補助金もあり。)

【条例の改正と制定】
■教育長の身分改正にともなう各種条例の改正

・法律改正に伴い、教育委員会の代表者が教育委員長から教育長になる(教育長が教育委員長の職を兼ねるイメージ。新制度では教育委員長はなくなる)。
・教育長は町長が直接指名し、議会の同意を得て任命する。任期は3年。
・教育長は特別職になることから、教育委員は3人→2人に。
・制度移行措置として、現行の制度(教育委員長制度)を松山教育長の任期(平成30年11月)もしくは松山氏の辞職まで継続する。

■保育所・学童保育所に関係する各種条例の改正と制定
・子ども・子育て新制度にともなう条例改正と制定(開館時間の変更、他)
・保育園と学童保育の利用料の改定(現行の保育料 → ともに約30%減に)

■乳幼児等医療費助成の条例改正
・平成27年8月1日〜は、中学校3年生まで医療費(通院・入院)が無料に
 (これまでは就学前:医療費無料、小学生:入院のみ無料、中学生は対象外だった)
・第4次総合計画による重点プロジェクト

■介護保険条例の改正
・区分変更あり(これまで月形町では8区分だったが、9区分に)
・基準となる区分(第5段階)の保険料は月額 5,041円に。
 (これまでの基準額(第4段階)は月額 4,635円。8.6%up。)

■月形町第4次総合振興計画の策定
・かねてから策定作業をしていた第4次総合振興計画。完成して議会の議決が求められた。

■月形町子どものいじめ防止条例の制定
・子ども(小学生と中学生)を対象にしたいじめ防止条例
・町・教育委員会・学校・保護者に責務を課し、町民と事業者には役割を定めた
・いじめ防止のために「いじめ防止対策連絡協議会(各校長やPTA会長、民生児童委員など10名)」を、対策のために「いじめ対策委員会(学識者など5名)」を設置する。
※この条例の制定に対し、私は反対討論を行い、採決では反対しました。結果は反対1・賛成8で原案可決。平成27年4月1日から施行されます。詳しくは別項目で。

【平成27年度一般会計予算】 36億5700万円
■花の里保育園増改築工事 9998万7千円 
 → 一般質問や総括質疑とあわせて別項目で詳しく

■保育所運営経費 1億3813万5千円
・子ども・子育て新制度により、運営費の算出方法が変更になったため額面が大きく膨らんだが、実際の運営費は指定管理料を含めほとんど変わっていない。
(平成26年の保育所運営経費 7965万6千円。今年度はここに保育所施設型給付費 5920万円9千円が経費として上乗せされている。その一方、保育所から同額を使用料として受けているので、この分の差し引きは0円)

■町立病院への操出金のうち、赤字補填分 8346万4千円
・昨年の当初予算時の同項目は 5825万円だった。

■塵芥収集および衛生センター管理業務 6480万円
・これまでは随意契約で行ってきたが、今回は指名競争入札に(契約期間3年)
・今回、廃棄物の処理および清掃に関する法律施行令の「遂行するに足りうる額」を適用し、最低価格ではない業者が落札。(「地方自治法上の最低価格ではないので、基準を決めた要綱は作成していない。内部決済のみ。」との説明あり。)
・入札率は93%

■月形温泉管理業務 865万9千円
・このうち265万円は、電気保安検査など温泉施設を運営する上で必要な専門業者による保守点検業務。これまでの3年間は指定管理者側が負担してきた。当初の契約でどちらが支払うか曖昧になっていた部分であり、指定管理者側の赤字がかさんでいることなどから、町が負担することにした。(議会から多数の問題点指摘あり。)

■基金繰入 2億2380万7千円
・このうち、財政調整基金からの繰入は1億3000万円
 (平成27年度末の財政調整基金残高見込みは 4億7843万3千円。) 
 (昨年は、当初予算で2億円の繰入予定だったが、最終的に繰入ナシ。)
・公有財産整備基金からの繰入は8608万3千円(ここ何年も繰入ナシ)
・公有財産整備基金は使途目的が決まった基金。通常は災害などで突発的に公共施設を修繕しなければならないときや、土地の取得などでまとまったお金がいるときなどに取り崩す。今回は公共施設に関する19の細々とした維持修繕事業をこの基金を使って行う。短期間で集中して行うためとの説明。
※今まで一般会計で行ってきた細々とした修繕を、公有財産整備基金を使って行うということは、財政調整基金を減らさない手立ての1つ。なので、実質的には財政調整基金繰入と同じ意味合い。また、平成26年度補正予算で計上した国からの「まち・ひと・しごと創生」に関わる補助金(約5200万円)は、もともと27年度に行う事業の前倒しなので、27年度はその分も加算されると考えれば、2億8000万円ほどの歳入不足と考えられる。

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