2014年12月13日

【平成26年第4回定例会/報告】その2 一般質問つづき

一般質問報告その1の「つづき」です。

※写真は本文と全く関係ありません。強いて言えば、私の気持ち(ブルー)を表しているかな。

ここでは平成28年4月開設の「認定こども園」に関する質問(2つ)です。特に質問5は身近で具体的で喫緊の話題ですので、町内の人には特に読んでいただきたい内容です。
どなたでもコメントを寄せていただければ嬉しいです。よろしくお願いします。
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平成26年第4回定例会 一般質問報告(宮下裕美子)

4.認定こども園の運営形態について【答弁者/町長】

Q)平成26年10月1日現在、道内には認定こども園が75ヶ所あり、そのうち公立は21ヵ所。大部分が直営(公設公営)で、指定管理者制度による運営は1ヶ所しかないが、公募を行い透明性を確保している。
 平成28年度から月形町に開設される認定こども園は、なぜ指定管理者制度をとるのか。幼児1人当たりの保育単価で言えば、花の里保育園(認可保育所)は一般の公立保育園より同等か高い。(現在の水準を維持するなら)直営も可能ではないのか。
 また、認定こども園は新しい条例を制定する必要があり、事業者の資格も違う。なぜ公募を行わないのか。

A)新たに開設される認定こども園は、花の里保育園を母体に幼稚園機能を付加したもの。場所だけでなく環境を変えないことが重要と考えているので、これまで通りの指定管理者制度で。公募は行わず同じ法人にやってもらうことは既に何度も話している。
 現在、花の里保育園の職員給与は福祉ベースなので、月形町職員給与ベースより低い。この点からも直営は難しい。

Q)花の里保育園の運営費は8千万円弱。認定こども園になれば定員も機能も増えることから1億円規模の事業になる。指定管理者制度は自治体に任された制度で透明性を求められる上、公募を行わないのであれば更なる透明性の確保が必要。これから手続きが始まる段階なので対応できるのでは?
A)透明性の部分はしっかりやる。監査もしっかり行う。認定こども園条例を制定していく。

Q)公募を行わず現法人に任せるととのことだが、現法人は認定こども園の資格を有しているのか?
A)資格は認定こども園ができるまでに担保できると(現法人)理事長と約束した。

[感想]
公募をしないで現法人に任せることの説明を何度聞いても、私は納得できない。同じ施設を使うとは言っても、認可保育所(花の里保育園)と認定こども園は別の目的の別の施設で、条例も新たに作るのだから。指定管理者制度の手続き条例施行規則「第3条(5)その他町長が特に必要と認める場合」を適用して可能だというのだろうが、この規則は1年前の議論真っ直中に追加されたもので、どうも釈然としない。
 しかし事業は進んでいる上、他の議員からの疑義の声もないので経過を見守るしかないのが歯がゆい。あとは、いかに透明性が確保されるのか。手続きを含め、しっかり見極めていきたい。
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5.保育所増設事業(花の里保育園増改築工事実施設計業務)について
                              【答弁者/町長】

Q)昨年度末の町側の説明は「保育園の床面積は(定員を80人にしても)ほぼ基準を満たしているので、大がかりな増築工事は必要ないだろう。ただ保育室が不足しているので、仕切りなどを変更する工事は必要かもしれない。工事は保育に配慮し、日曜・祭日・夜間に行う。」であった。この点は議会も保護者も納得している。
 しかし、11月27日臨時会に提案された実施設計補正予算の説明は、当初の話とかけ離れた印象を受けた。課題を整理するため以下の3項目に分け質問する。

(1)手順
Q)
基本設計などの増築内容が全く示されないまま、実施設計の補正予算が提出されたことは、議会や保護者との協議手順をないがしろにしているのではないか。実施設計を議会に提案するまでに、どのような手順で進めてきたのか。今後のスケジュールも。

A)経過は以下の通り
7月30日 開設準備委員会/幹事会(保健福祉課と教育委員会の担当者、保育園園長、大谷幼稚園教諭)で妹背牛町と奈井江町の認定こども園を視察。
8月20日 教育委員会・産業課(建設)・保健福祉課で花の里保育園の要望を聞く。
8月26日 花の里保育園と大谷幼稚園の合同保育を観察
10月20日 幹事会から改修案
10月30日 認定こども園大麻幼稚園まんまる保育園を視察
10月31日 副町長と工事の概要を協議
11月14日 総合振興計画ヒヤリング 
11月27日 臨時会(実施計画の補正予算 → 可決)
12月5日 入札修了

今回の工事は増改築なので、基本設計は行わず実施設計になった。そのため事前に説明できる図面はない。保護者には実施設計が出来上がってから説明する。

Q)(実施設計前の)計画段階で保護者と協議すれば、当事者の視点で施設や工事を点検でき、保護者の不安も取り除ける。議会と協議することで全体的な問題の洗い出しや財源・資金計画の検討ができる。(今まで協議をしていないが)実施設計が出来上がった段階で設計変更ができるのか? 

A)設計変更はかなり厳しいが、もう一度意見をいただきたい。


(2)本体工事   
Q)概算で1億円という数字が出されたが、平成10年の保育園開設時の建設費(予算)は2億7千万円だった。なぜこれほど高額になるのか。どこが当初と違っているのか。また、建設費を抑えるためにどのような検討をしてきたのか。

A)平成10年に2億7千万円なら資材費の高騰などを考えればそれほど高額と言えないのでは。
 保育環境を整えることは、これからの人口減少対策にも通じる。認定こども園の施設の充実は大きな条件。今よりも良いものを作りたい。経年劣化への対応も含め、10年20年先を考えて今改修をしていくことが大事。
 一時保育用保育室やトイレの増設、駐車場やグラウンドの拡張は当初の予定と違っている。幹事会が、合同保育の状況や他の認定こども園を見学して必要と判断し決めた。

Q)幹事会の要求を丸呑みでは? 
 10年・20年後と言うが、人口減少と少子化が進行している時代、今がピークで子どもの数は減少する。定員も80人でなく70人に設定し、2割増し枠での対応もできる。施設を増築すればその分の光熱費もかかり固定費(ランニングコスト)が増える。
 来年度以降、保育料を30%減額することは既に議会も了承している。この上1億円の工事費そしてランニングコストの増大。認定こども園が開設されれば運営費も1億円。限られた財源を活かすならハードよりソフトでは?

A)これは必要最小限のプラン。今の状況を考え、今後の期待に添う工事にしたい。


(3)工事の影響
Q)これだけ大規模な工事を行うとなれば、果たして夜間等の工事だけで間に合うのか? また、工事期間中も保育園で保育を続けると言っているが、工事現場と保育現場が混在する状態で、園児の安全や健全な保育環境を維持・確保できるのか? さらに、夜間工事の祭に、隣接する愛光園(特別養護老人ホーム)利用者への影響は十分検討されているのか?

A)全ては実施設計が出来上がってから。
工事の規模から夜間等の工事だけでは済まないだろう。公共施設を使うことも考える。

Q)この工事規模なら積極的に代替施設を使い、園児と工事現場を分けるべき。安全が確保できる上、工期を短縮し、工事費を低減できる。
代替施設の案として、3歳児以上は大谷幼稚園を使用(夏休み等に借り上げ)してはどうか。乳幼児は総合体育館の旧教育長室を改装し対応しては。施設内にシャワーなどもあり、多少手を入れるだけで使える。

A)工事の時期との関係もあるので、全ては実施設計ができてから。

[感想]
「全ては実施設計ができてから」と言いながら、「実施設計を変更するのは厳しい」と言う。これでは、行政側の案を「何も言わずに飲め」と言っているようなもの。果たしてこれで効率的な予算の執行と、町民参加のまちづくりができるのだろうか? 

保育園の駐車場は狭いかもしれないが、すぐ脇の多目的研修センターには最近増設した駐車場がある。入口を保育園側に新設すれば供用できる。三人寄れば文殊の知恵。予算を低減するアイデアはいくらでも出てきそうだ。

そういえば、通園バスの運行はどう考えているのだろう? 
今まで保育園に通園バスはなかったが、幼稚園の保護者から通園バスの強い要望があった。経費がネックになっていたが・・・。
保護者は立派な建物と通園バスのどちらを選ぶのだろう? 少子化対策のため、両方を選択することになるのか? その時、財源は? 議会は? 

質問の最後に私が「これでは夢のある保育園は作れない。夢を共に語れるようなやり方を」と言ったことに対して、町長は「私がまさにめざしているのは夢のある保育園だ」との答弁。やっぱり感覚が違っている。

私の描く「夢のある保育園」は立派な箱ではない。改築過程から保育園に関わる人みんなで完成像を想像し話題にしていくことであり、そこで遊ぶ子ども達の満足した姿である。そういうプロセスを楽しむことであり、保育や教育の中身そのもの=ソフトの充実だと思っている。
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[最後に]
5番目の質問は、本来、実施設計の補正予算が提出された臨時会で行うべきものでした。臨時会当時、宮元議員と私が質疑を行いましたが、そもそも町側からの最初の説明が少なかったことに加え、質問回数3回までの決まりの中で十分な説明が得られなかったことが第1の問題。その状況で可決してしまったことが第2の問題。この部分だけを議決から外す修正案も出せなかったことが第3の問題。議員としての力の無さを痛感しています。

議会が可決したことで予算は執行され、既に入札も修了しています。今さら何を言っても後の祭りであり、それを良しとしたのは議会で、議決の重さを感じています。

今回の一般質問全般を通して感じたのは、まさしく「議決の重さ」です。町長が随所で口にした「既に議会は議決をしている。承認をいただいているのだから問題ない。」の言葉は胸に刺さりました。それぞれの議決時、質疑や反対討論で問題箇所を指摘したとしても、多数決で議決されれば、そんな小さな意見は何の力も持たないんだなあと、改めて数の力を感じたからです。

あわせて、私たち議員一人一人にはそれだけ重大な議決権が与えられているのです。そして、その議員を選んでいるのは町民の皆さんです。巡り巡って、全ての責任と結果は自分自身(町民)に返ってきてしまうと言うことも、再認識させられました。

これから先は町側の良心に頼るしかありません。(本体工事予算の修正・否決という手段もないことはないですが、これまでの経過を考えると、かなり高い絶壁! 私はロッククライミングも好きですから、問題があれば果敢に一人でも挑戦します。)

町民からみて、町側の独断専行でなく、共に歩み、共に理解が進むよう、事を進めて欲しいと思います。地方自治の時代であり、主権在民の時代ですから。

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