2014年02月02日

ポイントは自己有用感!【月形町地域見守り推進フォーラム】

1月28日午後、月形町交流センターで開催された標記フォーラムに参加してきました。主催は月形町社会福祉協議会。参加者は見守り活動や地域づくりに関わる各種団体、事業者、地域、行政などから85名です。

今年度から始まった【地域見守り推進事業】。事業開始前の昨年は「どう展開するのか」がテーマでしたが、2回目となる今回は「1年間の見守り活動を通して見えてきた状況や課題を共有し、今後の活動に生かす」ことが目的となりました。

会場はワールドカフェの雰囲気。正面に向かって島方式に配置された10個のテーブルにはお茶とお菓子があり、合間合間には音楽が流れ、参加者には大きなネームプレート。こういうフォーラムにありがちな堅苦しさはほとんどありません。
また、テーブル毎のグループ分けは「居住地域」。地域見守り事業の目的に合わせ、普段顔を合わせる者同士で気軽に会話が弾むように、そして地域づくりの課題を共有できるように、細部にわたって工夫がなされていました。


さて、フォーラムの中身は・・・
4部構成になっていて、それぞれの内容と私の気になったポイントを以下に記します。
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月形町地域見守り推進フォーラム

1)社協は地域福祉の“かなめ”です!

社会福祉協議会(社協)の歴史・目的・全国的な組織とその役割など、社協が地域づくりにとって重要であること、力になることを伝えていました。また、月形町の社協が行っている事業の紹介があり、福祉全般にわたって身近なところで様々な活動をしていることが示されました。

この紹介の中で、今回のテーマである「地域見守り推進事業」が具体的にはどのような活動なのか、社協職員や役場保健福祉課の保健師などが役者になり寸劇で表現されました。

内容は、見守りサポーターが対象者のちょっとした変化に気付き、社協に連絡。その後、社協から地域包括支援センターに情報が伝えられ、関連する部署が一緒になって対応するというもの。事業全体の流れと、それぞれの役割がよくわかる内容でした。また、役者の迫真の演技に「あ〜、あるある。」「そうだよね〜」など会場からは共感する声も出て、場が和んだのは言うまでもありません。このあと続く事例検討に向けて良い雰囲気作りになったと思います。


2)講話「変わるマチ、町・人動く」
      鳥居一瀬氏(地域福祉アドバイザー)

 講師の鳥居さんが手がけている全国の様々な地域福祉の事例をもとに、それらの課題と取り組みを紹介し、月形町ではどうなのかと問題提起をしてくれました。特に、個別の課題解決のための町内会活動の重要性や、全体の方向性を決める総合計画とそれを作る行政がいかに発想を柔軟にするべきか、重要な視点だったと思います。


3)見守り活動に見る町民意識とその活動(事例研究)

 見守り対象者の状況や様子、希望や課題などが提示された8つの事例について、各テーブル毎に割り当てられた事例の解決策を段階を追って話し合いました。
 1.事例から感じたことは? 
 2.どうしたら安心に過ごせるのか? 
 3.私たちができることは何か?

 私のグループで話し合ったのは《市街地から離れたところに住む高齢夫婦。移動手段をなくしてさあどうする》という事例。本人の気持ちを大事にしながらも状況の変化への対応策を考えねばならず・・・。
転居なども視野に入れ、各種行政サービスへの取り次ぎ方法、隣人としてどこまでできるのかなど身近な話題として話しは進みました。が、それだけでなく(今はまだ月形町では実施されていない)訪問医療の提案まで話しがおよびました。

 その後に与えられてお題
■見守られる人になったら?
■地域全体での「見守り」をどう進めたらいいか?
についても、挨拶や回覧板の活用など、月形だからこそ意識すればすぐにでも「見守り」として取り組めるアイデアが出されました。


4)まとめ「大丈夫!と伝えるマチに」

 グループ発表や関係団体代表者の感想を聞いた後、鳥居さんからのまとめは
「自己有用感=自分の属する集団の中で、自分がどれだけ大切な存在であるかということを、自分自身で認識すること」
地域の中で誰もが自身の価値を見いだせれば、きっと幸福感が増し、地域づくりも上手くいくのだろうと想像できました。
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《自己有用感》は地域づくりの大きなポイントであり、重要な視点だと思います。

今回のテーマは「見守り」だったので対象の多くは【高齢者】ですが、「ニート・ひきこもり」などの【若者】を対象とした場面でも、「女性の自己実現・社会進出」「自殺予防」など【子育て世代】【働き盛り世代】の場面でも、《自己有用感》は重要なポイントに上げられていて、問題解決の鍵であると感じます。

「見守り事業」というと、現場の課題をどう解決すればいいのか近視眼的になりがちですが、様々な計画を立てていく側(行政や議会)は《自己有用感》をいかに高めるかという大きな視点に立たなければならないし、その視点に立てば解決策も見えてくるように感じます。

これからは否が応でも超高齢社会。これまでのように物事の担い手が若者や現役世代というわけにはいきません(何せ、人数が少ないので)。
高齢者同士の支えあいが日常的になるでしょう。だとすれば、それを支える地域や行政の役割や仕組みも変化させねば!
やはり柔軟な発想が必要ですね。

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