2013年11月03日

後輩に何か伝えられたかな? 私は気づきと元気をいただきました。【新規就農者・研修生等交流会】

10月30日(水)、岩見沢市で開催された「新規就農者・研修生等交流会
 私の農業参入〜先輩から伝えたいこと」

に、パネリストの1人として参加してきました。主催は北海道指導農業士空知地区連絡会議や北海道空知総合振興局など。

参加対象者は空知管内に新規就農した人のうち5年以内の人と現在研修中の人。夫婦での参加が多かったです。他に関係機関(指導農業士、農業士、JA、自治体担当課、農業改良普及センター、空知総合振興局)。参加者数は申し込み段階でパネルディスカッションに93名、交流会に77名。結構、規模の大きな交流会でした。

では内容を。
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【第1部】パネルディスカッション

テーマ
「私の農業参入〜先輩から伝えたいこと」


パネリスト 
 ■ 岩間 尚人氏(岩見沢市/畑作・野菜農家/平成18年就農)
 ■ 宮下 裕美子(月形町 /就農アドバイザー/花き農家/平成8年就農)
 ■ 押谷 行彦氏(長沼町 /就農アドバイザー/野菜・鉢花農家/平成13年就農)
コーディネーター
 ■ 相馬 直子氏(空知農業改良普及センター主査/人材育成)
オブザーバー
 ■ 青山 俊夫氏(公財・北海道農業公社担い手本部長)


まずは個性的な3人のパネリストの自己紹介と経験談。その後、質疑応答を通して失敗談や資金繰り、販路や差別化、経営方針、田舎で暮らしていく上で大事なこと・・・など。予定時間はあっという間に越え、2時間近く壇上と会場とで対話が弾みました。

このパネルディスカッションを通して、私が重要だと感じたことは
●3人とも農業の可能性にかけて就農した。
●多くが就農を意識して農業系大学や短大で学んでいる。(就農前に準備をしている)
●就農女性にとって「子育て」は不安材料。(農業と両立できるか)
●自分のめざす農業の形を求め、常に「修正を重ねる」ことが重要。
                    (変化を恐れない。労を惜しまない。)
●就農当初は失敗が多い。原因を探り解決策を見つけて、失敗の許容範囲を広げる。
●営農する上で地域との関係は重要。お世話になった地域に何を返せるかを意識する。
●本気度が大事。本気であれば支援してくれる人・理解してくれる人は必ず現れる。
●北海道の農村はまだまだ男性社会。でも女性が活きる道はある。機会を見つけ外に出て、色々なものを見て聴いて感性を養い、引き出しを増やしてほしい。必ず役に立つ。


【第2部】昼食・交流会 
・・・ 昼食をとりながら、自由に歓談。積極的に話しかけてくれる人が多く、話題が広がりました。農業士の司会により就農5年以内の人の自己紹介も。それぞれ様々な経歴と経験の持ち主で、これから先が楽しみです。
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新規就農者向けのこうした場で話しをするのは初めてでした。今年度委嘱された「就農アドバイザー」の肩書きがあったからこそですが、とても良い機会を与えていただいたと感謝しています。私も元気をいただき、以前にも増してやる気が出てきました。参加して良かったです。ありがとうございました。

今回集まった新規就農者と研修生の多くは30代くらい(たぶん)。積極的な発言と熱い視線から、若さとやる気が満ちているのを感じましたし、みなキラキラと輝いていました。
しかしながら、就農してしばらくすると大なり小なりつまずいたり、先が見えなくて不安になることが出てくるでしょう。その時こそ正念場。「何としても農業で生きていくんだ!」「しんどい時こそ頑張るぞ!」との強い気持ちを持って、頑張って欲しいと思います。

今は国の制度が充実し、新規就農者に対して様々な支援策(多くは補助金)が支給されるようになりました。支援を受けるということは、何らかの恩(=期待されるもの)も受け取ったということ。地域への貢献であったり、農地の保全であったり、収益を伸ばして納税することであったり、後進の育成であったり。重荷とは思わないでほしいですが、現実も踏まえなければなりません。農業以外の自営業ではこれほどの支援は受けられず、個人の力で努力している人が多いのですから。だからこそ《途中で諦めることなく、いかに継続していけるか》を命題に、頑張ってください。続けていけば必ず道は拓ける・・・と思います。

それから、女性のみなさんに。

農業と子育ての両立に不安を持っている人が多かったのですが、私は農業こそ仕事も子育ても両立できると考えています(そう思ったから就農しました)。農業者は自分で時間を作り出すことができます。自分の人生設計において、どの段階で何を優先するかを自分で決められるなんて、なんて素晴らしいんでしょう! 農業は最高です。

子育ては体力もいるし、お金もかかります。大変なのはどんな職業でも、誰でも同じ。それでも自分で時間をコントロールできれば、子どもが母親を必要とする時に傍にいることができます。子育てで大事なのは子どもとの心のつながり(信頼感、安心感)であって、長く一緒にいなくても補完できると思います。それに、子ども達は親たちの背中を見て育っていきます。何かに一生懸命取り組んでいる姿は、何物にも代え難い教育になるのではないでしょうか。

女性のみなさん、ダンナさんや地域の人やお友達・・・頼れる人がいたら頼ってしまいましょう。できる時にお返しをすれば大丈夫。お互い様です。私もたくさんの人に助けられて子育てしてきました。その時はほとんどお返しできなかったのですが、今、子育てが一段落して、地域活動や議員活動を通してお返ししようとしています。そうやって世代を繋ぐことが、私たちが新規就農することの価値ではないかと、今は思っています。お互い、頑張りましょう。

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