2012年04月18日

故林かづきさんを偲んで

江別市議会議員だった林かづきさんが、昨日亡くなりました。まだ42歳、子宮体がんでした。

今朝、自治体学会のメーリングリストで訃報を知り「えっ!」と驚いたのは言うまでもありません。一年前から闘病していたのは知っていたのですが、快方に向かっているとも聞いていたので・・・
残念です。


私と林さんはともに平成19年の統一地方選で初当選した、いわば同期です。

林さんは石狩管内の市議、私は空知管内の町議。組織が分かれているので通常の議員活動ではまず出会わない二人でしたが、お互い足の向く方向が同じというか、議員になってすぐから様々な勉強会や講演会で顔を合わせるようになり、(私にとって)気になる存在になっていきました。

というのも林さんはいつも、わずかな休憩時間や終了後に講師の先生と名刺交換したり、談笑したり。年齢も近く同姓で同期でありながら積極的で自信にあふれた姿は、私にとって「ちょっと先を行く」存在でした。「私も頑張らなくっちゃ」と、私のシャイな部分を奮い立たせる原動力になっていたのです。


その後、月日を重ねるうち同じ壇上に上がる機会(地方自治土曜講座「議会は変わるか? −議会改革の諸問題−」)を得たり、林さんの発表(北海道自治体学会フォーラム in えにわ2010北海道自治体学会・政策シンポジウム、他)を聞いたり。次第に意見交換や議論をするようになっていきました。

林さんと私の目指すものはたぶん同じです。ただ林さんは政治に関わることを念頭に勉強を重ねてきた人で、法学部出身、公共政策大学院修了、国会議員秘書も経験した正統派。かたや私は政治とは全く無縁の学生生活を送り、農業や子育てをしていくうちに議会の重要性を感じて議員になった人間。
同じものを目指していても方法論が違ったり、視点が違ったり、いつも新鮮な議論ができました。


他にも林さんから影響を受けたものはいくつもあります。日々のブログやホームページはいつもチェックし動向に興味を持っていましたし、「林かづきの市政広報誌/江別から笑顔を発信!」や雑誌への寄稿文(日経グローカル2010年9月20日号「奮闘地方議員」他)では、発信力や考えを文書に残すことの重要性をいつも示してくれました。

折しも現在、私も日経グローカル「奮闘地方議員」への寄稿文を準備中で、つい最近、林さんの原稿を読み直したところでした。リズム感とまとまりのある文章に流石だなあと。私もこんな風に考えをまとめられたらと・・・


色々思いだし、何だかまとまりません。
いずれにせよ、林さんは私にとって同志でした。謹んでご冥福をお祈りします。
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実は林さん、4月9日に江別市議会議員を辞職されています。体調がすぐれず市民の負託に応えられない以上、議員ではいられないとケジメをつけたとのこと。また、本日の葬儀も林さん本人は「家族葬」を希望していたそうです。
(ただご家族で話し合った結果、支援者や地域のみなさんに最後のご挨拶をすべきと考え「偲ぶ会」「お別れの会」の形になったとか。葬儀会場にはあふれんばかりの参列者が訪れ、林さんの死を悼みました。)

いずれも「林さんらしい」。きっと誰もがそう思っていることでしょう。

林さんが亡くなったことで、人生の儚さを痛感しました。それと同時に、私たちには限られた時間しかないことも。
特に議員として活動できるのは様々な環境が整い選挙に出て当選してからの任期中、それも健康である期間だけです。思いのほか短いのかもしれません。だからこそ、現職の議員である私たちは、議員にしかできないことをしなければ。

議員に不作為は許されない。再認識した今日です。

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