2012年03月24日

【月形町議会・初】条例修正案、可決!

平成24年第1回定例会には条例改正や予算案などいくつもの議案が提案されていましたが、その中に『月形町商工振興事業補助金交付条例の一部を改正する条例』がありました。
※条例はこちらから → 月形町例規集「月形町商工振興事業補助金交付条例」で検索
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【条例の改正点】
これは、月形商工会への補助金の補助率を改正するもので、条例の別表に記載されている固定補助率を変更可能にするというものです(全ての項目で○○% → ○○%以内に変更)。商工会事務局長給与などの人件費の他、経営改善や指導、女性部や各種部会の活動費など、町から交付されている補助金全てが対象になります。


【なぜ改正が必要なのか:提案理由】
副町長による提案理由説明から、事務局長給与が高水準で固定されていることの是正が主目的であり、(この部分は)商工会と協議済みで理解が得られていること。その他の部分(活動費等)は「同時に改正するものの、商工会との今後の協議で決定していく。すぐに変更するわけではない。」


【月形商工会の現状】
月形町商工会は現在、会員数100戸を様々な工夫をしながらギリギリの状態で維持しています(道からの補助金額が100戸を境に大きく変わるため)。活動も会員数が少ないながら取り組んでいます。
その中で、現行制度における事務局長人件費は、町内および商工会員の給与(所得)水準から見ても高額になっていて、商工会員からも是正の話が出ていたそうです。


【なぜ修正案を提出したのか】
事務局長人件費の減額については社会情勢・町財政から見ても、誰もが納得するところ。当事者の商工会とも合意ができていると言うことで、議会にとっても全く問題なしです。

しかし、活動費等は商工会の事業に関わることであり【商工振興】の政策的部分になります。
月形町にとって商工振興は大きな政策課題。危機的な状況の商工会に対し支援をしながら活性化することは重要と考えます。加えて商工会への補助金の大部分は人件費。活動費等の部分は現状でも大きな金額ではありません。
このような状況の中で活動費等を減額可能にすることは、商工会員に「補助金が減らされるのでは?」との疑念を抱かせ、衰退に歯止めをかけようと努力する商工会員の努力に水を差す結果につながるのではないか・・・議会内で疑問と不満の声が大きくなりました。私も同感です。

議案が手元に届いた当初は原案(町から提出された条例改正案)のみの審議を想定し、各議員も原案に賛成か反対の立場で考えていました。町側からの提案理由説明を聞いて条例改正の趣旨がはっきりし、提出された条例改正案ではどちらに転んでも商工会にとって良い結果にならないのでは(賛成多数の場合=原案可決=活動費が減額可能に。反対多数の場合=原案否決=事務局長費が高止まり)・・・の考え方が大勢を占め、人件費と活動費等を切り離した【修正案】が浮上、急遽案文を考え提出することになりました。


【修正案】
修正案の趣旨は、「指導事務局人件費」部分は○○%以内とし、それ以外は現条例と同じく○○%のままとなるように、改正案を修正する文言を提案しました。
※修正案そのものを見るとどうなっているのか解りにくいのですが、提出された条例改正案を修正しているので、両方あわせて初めて修正意図が見えてくる状態になっています。


【審議結果】
この条例改正案が付託された予算特別委員会では賛成多数で修正案可決、その後の本会議では全員一致で修正案を可決しました。
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議会の修正案が可決されたことで「商工振興も図りながら、人件費を適正にする」という、本来の条例改正目的が達成できたと考えます。議会が非常によい形で機能した事例ではないでしょうか。
月形町議会初の【修正案可決】の事例として、とても誇らしく思います。

とは言え、修正案の案文作成に大きな壁がありました。この条例は特殊な別表を使った補助率の改正だったため、技術的に難しい修正案の作成だった上に、修正案の考えが持ち上がってから採決までにほとんど時間のない状況だったからです。
その中で、議員からの「修正案を提出したい」という考えを形にできたのは、議会事務局の支援があったからこそ。昼夜休日をいとわずの対応には頭が下がりました。

また私個人としても横のつながりに助けられ、その重要性・必要性・柔軟性を再認識しました。
というのは、最近入会した『議会事務局研究会』(関西方面の県議会や市議会の事務局員が中心となった研究会で、大学教授や議員なども参加。議会改革のための課題研究を目的に、個人的に(自分の業務以外のところで)資質向上と向学心・向上心のために研鑽を積んでいる団体)のみなさんに、今回の修正案に対して法務の専門家としてのご助言をいただき、私もこの修正案成立に対して一つの役割を果たせたと思えたからです。

人口3,800人の町議会で最も弱いのは法務。専門スタッフは置けず、道議長会等の支援も休日は難しい状態、私も含め法務に詳しい議員が皆無の状況で、修正案の作成・確認作業は至難の業でした。今回は議会事務局研究会とその人脈による支援を受け、前に進むことができました。ありがとうございました。

『月形町議会初の条例修正案可決』は、それぞれの議員が、事務局が、目的に向かって自分のできることをした結果であり、チーム議会の成果です。

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