とっても盛りだくさんな定例会が終了しました。

3月6日に始まった平成24年第1回定例会が、3月19日(今週の月曜日)に終了しました。

毎年3月の第1回定例会は新年度の執行方針と予算審議で長期間を要しますが、今年は輪をかけて盛りだくさん、活発な議会になりました。

と言うのも、月形町議会において今までにない動きがいくつもあったからです。
その中で特筆すべきは以下の3点。

意見案     : 迅速な対応「豪雪支援要望意見書」、議会独自の取り組み「脱原発意見書」
条例の修正案可決: 月形町議会初の修正案可決
予算の附帯決議 : 月形町議会初の附帯決議の提出と可決
これらについては個別に、背景も含めて詳しく報告します。


平成24年度の予算では、一般会計が33億円規模になりました。地方交付税増額を見込んで昨年より1億円大きくなっていますが、その内容は総じて総花的で特徴がないと感じました。これは町長の執行方針が例年通り総花的だったことに起因します。新規事業も様々な分野で展開されますが、その発想は既存の範ちゅうですし、区切りのついた事業もこれまで通り引き継がれています(例:プレミアム商品券)。

この他、豪雪被害に対するパイプハウス支援のほとんどは含まれていません(1500万円のみ計上されている。残りの分は被害確定後に補正予算として計上する予定)。今は話題になっていませんが、雪が融けて以降見えてくる公共物の破損状況も気にかかります。


一方、特別会計は厳しい状況が続いています。特に【介護保険事業特別会計】は利用増により会計規模が大きく膨らみました(3億9千万円 → 4億6千万円)。保険料の大幅値上げと基金取り崩しなどで対応することになります。
【国民健康保険事業特別会計】は、平成23年度に大幅値上げをしたので今年度の動きは少ない見込みです。ただし、基金の底が見えました(平成24年度末見込み:411万円)。
【町立病院企業会計】も当初予算から2500万円の赤字補填(ルール分以外の繰り入れ)が行われ、事業の展開によっては追加もあり得る状況です。

平成24年度もお金の動きに目を光らせながら、事業の展開をしっかり見ていきます。

2012年03月10日

定例会が始まっています。一般質問は3月14日(水)

3月に入ってから、随分と春めいてきました。北海道開発局の道路積雪データで、昨日、ようやっと積雪2mを切りました。

最近は豪雪関係の話題中心で、お知らせするのがすっかり遅れてしまいましたが、3月6日から平成24年第1回定例会が始まっています。日程は以下の通り(予定も含む)。

3月6日(火)◆本会議(第1日目)
      :平成23年度補正予算、条例改正等
       平成24年度町政執行方針
       平成24年度教育行政執行方針

3月7日(水)〜13日(火)□本会議休会
 ★ 8日(木) ◆一般質問〆切
 ★ 9日(金) ◆議会運営委員会
         ◆全員協議会
 ★12日(月) ◆まちづくり常任委員会・雪害状況現地視察

3月14日(水)  ◆本会議(第2日):意見案(豪雪支援)、一般質問
3月15日(火)〜19日(月)◆平成24年度予算特別委員会:予算審議および関連議案審議
3月21日(金)  ◆本会議(最終日):予算特別委員会報告、意見案(脱原発)、会議案
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そして昨日、議会運営委員会が開かれ一般質問項目が確定しました。今回一般質問するのは4名(金子、楠、大釜、宮下:登壇順)で11項目です。
平成24年度の執行方針への質問も含まれる一般質問なのに、4人しか登壇しないのは残念です。

以下が私の通告内容です。一般質問全11項目中5項目(1時間55分の時間をいただきました)。かなりハードですが今質問することが重要な内容なので、心して準備したいと考えています。

みなさん、豪雪の影響や年度末でお忙しいと思いますが、ぜひ傍聴にお越しください。
(一般質問は3月14日(水)午前10時から始まります。私は4番目なので、おそらく午後1時30分からになると思いますが、進行によっては一部午前中になるかもしれません。)
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【平成24年第1回定例会 一般質問 通告書:宮下裕美子】


1.地域防災組織の強化について ①防災士資格取得助成制度 [町長に対する質問]

地域防災組織強化の必要性とリーダー養成を提案してきた者として、執行方針に盛り込まれた「防災士資格取得助成制度の新設」を大いに期待したい。 そこで以下の点について質問する。
 1)制度の具体的内容
 2)地域防災組織の中で、防災士をどのように活用していくのか(将来計画も含む)。


1.地域防災組織の強化について ②豪雪対策における地域との連携 [町長に対する質問]

町は平成22年度から3年間、申請のあった行政区に対し地域防災組織立ち上げのための補助金を支給、地域防災組織強化を図っている。その中で今冬の豪雪は地域防災組織の構築と強化の実践として有用ではなかったか。 そこで以下の点について、質問する。
 1)豪雪対策本部を立ち上げて以降、地域防災組織の枠組みである行政区への情報提供や
   協力要請はどのようになっていたのか。
 2)今回の反省点を踏まえ、今後どのようにして行政と地域の連携を図っていくのか。


2.パイプハウスの雪害に対する支援について [町長に対する質問]

今冬の豪雪によるパイプハウスの被害は甚大になることが予見され、早い段階から町と議会は非公式ながらも協議を進めている。様々な検討を要する現段階において、支援内容が不十分な説明とともに公表され、誤解や憶測を生み、混乱が起きている。 そこで町長に質問する。
 1)町政執行方針および新聞等で公表された支援策の位置づけは「災害復旧支援」なのか
  「農業振興策による支援」なのか。位置づけの違いにより、支援の根拠も今後の展開も
   変わってくる。町長の考えを伺いたい。
 2)どのように混乱を解消するのか、具体的な手立てを伺いたい。


3.IP告知末端の活用について [町長に対する質問]

IP告知端末は供用から1年を迎え町民にも浸透し、活用の面で次の段階に入ったと考える。執行方針では「機能を最大限に活用し、効率的かつ効果的に行政情報の発信・提供を行っていく」となっているが、具体的にはどのように活用していくのか、伺いたい。
また、IP告知端末を地域生活インフラと捉えれば、情報伝達手段として(行政情報以外にも)広く公開できるのではないか。特に、運用および配信端末整備について伺いたい。


4.歴史的遺産を行かした観光振興について [町長に対する質問]

昨年来、この分野に対して様々な場面で質問を重ねてきたが、観光振興の具体策や将来構想について、私は充分把握できていない。 先の定例会での一般質問答弁では「第2部として展開していく」とあり、平成24年度の執行方針には「推進していく」とある。 補正予算3,000万円をかけリニューアルした現実も踏まえ、具体策と将来構想を伺いたい。


5.社会教育における社会福祉や防災分野との連携について [教育長に対する質問]

社会教育における社会福祉や防災分野との連携の必要性については、平成23年3月の一般質問(平成23年度教育行政執行方針に対する質問)として行っている。また議会の意向として、今定例会に提出された「まちづくり常任委員会報告」の中にも同趣旨の指摘がある。この状況の中、平成24年度教育行政執行方針には、従前からの文化・芸術・スポーツ分野への取り組みが謳われているのみである。
議会の意向を踏まえ、社会教育における社会福祉や防災分野との連携をどう考え、どう取り組んでいくのか伺いたい。

2012年03月09日

月形町・ハウス復旧で半額助成【2012.3.6 北海道新聞朝刊】の反響と個人的見解

『月形町 ハウス復旧で半額助成』という見出しの新聞記事(2012年3月6日 北海道新聞朝刊)への反響が大きく、私のところにも各方面から多数の問い合わせが来ていますし、直接多くの方と議論や意見交換も行っています。

議会での取り扱いは前のブログで紹介したとおり非公式な場で協議した段階です。金額的にも内容的にも今までにないものだけに慎重な議論が必要ですし、公平性や透明性の確保をどうするか意見の分かれるところでもあります。
現段階は、議案として提出されたわけでなく採決も行っていないので、議会の方向性(議会の判断)が確定したわけではありません。議会としての正式なコメントはできない状況です。

とは言え、地域や社会の関心が高い事業であり、新聞で公表されている内容もあるので、この件に関する私見をここに記したいと思います。

ハウス復旧で半額助成 月形町 雪害で独自支援策 [北海道新聞 2012年3月6日朝刊]

【月形】空知管内月形町は5日、記録的な大雪に伴い農業用ビニールハウス損壊の被害が相次いでいることを受け、復旧にかかる資材購入費の半額を農家に助成する独自の支援策を発表した。
 町と月形町農協は、町内の農業用ハウス約1500棟のうち被害は約600棟に上ると推計。同町はこのうち300棟が全壊、残りが半壊と見て試算し、支援事業費は9720万円を見込む。5日から調査を始め、被害が確定次第、補正予算に計上する。
 記者会見で桜庭誠二町長は「町内の農業生産額の半分は施設園芸の花きや果菜類が占めており、営農計画を立て直す農家のため、早急に支援を決めた」と述べた。

月形町の基幹産業は農業であり、総生産額22億円のうち11億円を施設園芸(花き・果菜)が占めていて、町長の発言にも「生産額の半分を占める」ことが強調されています。しかしそれ以上に重要なのは、施設園芸が【労働集約型農業=たくさんの雇用を生み、資材投入額も大きい】である点です。

以下が、私の認識する『施設園芸の特徴と月形町における位置づけ』です。
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【雇用の場=人口維持】
雇用の場が少ない地方において、労働集約型農業はとても重要な雇用の場です。小規模経営も可能で農業者数が多いのはもちろんですが、花きや果菜は軽作業も多く、高齢者や女性の職場として重要な位置を占めています。

【地域経済の牽引役】
土地利用型(米・麦・大豆等の栽培)に比べ資材投入費(肥料、農薬、ビニール等の栽培資材、段ボール等の出荷資材、他)は格段に大きく、資材の取扱業者や金融機関にとって重要な顧客になっています。
また、売り上げの回収サイクルが早いことも特徴で、地域経済を回す原動力になります。
それに、間接的には雇用されている人々の経済活動もあります。
様々な側面から、生産額は11億円であってもその経済効果はその何倍にもなり、経済重要度は見た目以上のものと言えます。

【耕作地の維持】
中山間地の月形町にとって施設園芸はなくてはならない農業形態です。国は大規模化を促進していますが、耕地面積を広げるにはいくつかの条件があり、山に近い月形町では適さない土地が多くあります。また転作作物として奨励してきた歴史もあります。
農地の有効活用のためにも、耕作放棄地を出さないためにも、施設園芸は必要です。

【農村部の地域維持=農家戸数の維持】
農道や灌漑(かんがい)施設を含む農村部の地域維持は、農業者を中心とした地域組織が担っています。草刈りや排水溝の掃除など人手が必要な部分も多く、ある程度の農家戸数がなければ維持できません(労働を金銭で補完する仕組みはありますが、全てを依頼できるほど農業収入が多くないのが現実です。)。
国の施策である大規模集約化・土地利用型農業を進めることは農家戸数を減らすことにもつながるので、地域の特長を活かした農業(月形町の場合は施設園芸)で農家戸数を維持することは非常に重要です。

【地域の一翼】
地域を守るという観点から農業を見ると、土地利用型の大規模農業と労働集約型の施設園芸が混在することで地域全体をカバーし、最も効率的で競争力のある『地域産業』になると考えます。
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これを踏まえた上で今回の豪雪状況を見ていくと、(全容は解明されていませんが)パイプハウスが大きくダメージを受けたことは予見できます。何らかの対策をとらなければならないのは明白でしょう。

しかし「パイプハウスは個人資産だから税を投入することはどうか」という意見もあります。

月形町における施設園芸の位置づけを考えた場合「パイプハウス=生産インフラ」とも考えられ、その整備が地域社会全体に波及するのであれば、私は問題ないと考えます。つまり「地域振興策」「農業振興策」としての支援です。

ただし投入には「公平性」と「透明性」が担保されなければならず、そのための「評価軸」が必要です。また豪雪がきっかけとなって支援するのですから、次に建てるハウスには危険回避=強度強化の考え方も必要でしょう。いずれにせよこれらは「政策」です。明快な理論(根拠と具体的な施策)が必要になってきます。
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マスコミを通し「パイプハウス支援の具体的な数字」が公表されましたが、表現が端的で誤解を招く部分があったのが残念です。また町側も、政策意図や理論がまだ充分に定まっていないようで、時によって表現がまちまちなのが気になります。

もし議決を経てからの公表であれば、この点は解消されたでしょう。しかし「営農計画を立て直す農家のため、早急に支援を決めた」と町長が言うように、この施策の場合はスピードも欠かせません。スピードを重視した分、説明不足になってしまったとすれば、そこをフォローするのも議員の役目と思います。

そこで、この件について、3月定例会の一般質問(3月14日)でとりあげます。
詳しい質問内容は次のブログに。今回の論点は「農業振興策」か「災害復旧」なのか、です。

2012年03月03日

議員協議会(2012.3.2)豪雪対策【参考画像:パイプハウスの状態】

3月2日午前、急遽「議員協議会」が開かれました。

通常、議員と町側の協議は「全員協議会(公開/正式)」として開催されますが、今回は案件の内容(「記録的な豪雪による農業被害対策」=急を要する案件でありながら内容が流動的。支援内容の公平性、情報(数字)の一人歩きを防ぐ目的)から「議員協議会(非公開/非公式)」の形となりました。

現段階で詳しい内容は書けませんが、町と議会とも、この記録的な豪雪災害に対して、何とか「産地としての力=生産力」を維持しようと検討を重ねています。

月形町の基幹産業は農業であり、その生産額の1/2は施設園芸(花き・果菜)が占めていて、町内には農業生産用のビニールハウス(パイプハウス)だけでも1,500棟以上建っています(用途:花き・果菜・水稲育苗・他)。

今年の豪雪によるパイプハウス倒壊の全容はまだ把握できていませんが大打撃を受けているのは間違いなく、生産基盤をなくした農業者の営農意欲減退(=離農者の増加)も懸念されます。

これから「産地」として存続できるか、非常に危機的な状況と言えます。

そこで町は、今までにない規模の農業振興策(生産力維持のための施策)を考え、議会との協議に入りました。一般会計33億円の自治体にとって、とても規模の大きい支援になるだけに「公平性」「透明性」など様々な視点での検討も必要になりますし、今年の営農への影響を最小限にするためには「スピード」も重要になります。

「記録的な豪雪による農業被害対策」は近々公表されるでしょう。
この施策によって「産地が守られる=生産力が維持される」ことを願ってやみません。
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ここに掲載した写真は、月形町農事会のパイプハウスの現状(平成24年3月2日撮影)です。

【1枚目】雪の下に埋まったパイプハウスを掘り出したところ。雪の重みでパイプが肩の部分で折れています。

【2枚目】掘り出したハウスの全体像。ハウスの幅の半分まで掘り出したところ。パイプは全体的に変形し、ひしゃげた状態。一部は1枚目の写真のように完全に折れています。
ハウスの上には50cm以上の雪が積もった状態で、雪全体が圧縮・沈下し荷重がかかっています。雪表面の少し下(約5cm)には融雪剤(炭の粉)の黒い層が見えます。
融雪剤は太陽光(太陽熱)を吸収し表面(上層)から融かしていきます。黒い層は、融けた雪が融雪剤と混ざって氷の層になっている状態。この層が雪表面にあるうちは融雪が進むのですが、散布後にまとまった降雪があり、雪表面はまた真っ白になってしまいました。時期を見てまた融雪剤のまき直しです。

【3枚目】ハウスを掘り出しているところ。この場所は越冬ハウスの横に位置しているので除雪車が入れるスペースが確保されています。まずは除雪車で脇をギリギリまで開け、そのあとはひたすら人力。スコップを使って掘り出していきます。

※パイプハウスの立地によっては機械が入れず、雪の奥深くに埋まったパイプハウスを人力のみで掘削しなければなりません。2m以上の積雪がある現状では雪を捨てる場所もなく、人力にも限界があり、まだまだ手がつけられない状態のところがたくさんあります。
どの農業者も、被害が拡大しないように最大限努力していますが限界もあります。時間があれば掘り出しているのですが、雪が降れば全体に埋まり、吹雪になれば低い場所(掘ったところ)ほど雪が溜まりやすく、徒労感が否めません。これから気温が上がり、雪も降らないことを祈るばかりです。

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■降雪状況(平成24年2月29日現在 : 月ヶ岡での目視観察)
 ・総降雪量 13.34m ・・・ 昨年:6.68m ・・・ 過去最高値 12.99m(昭和60年)
 ・積雪深   2.40m ・・・ 昨年:1.05m ・・・ 過去最高値  2.8 m(昭和45年3月25日)
 ※昨年3月の降雪量 1.34m 

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