2012年01月20日

全員協議会(2012.1.18)ごみの広域処理

1月18日の全員協議会での協議から「ごみの広域処理」について、詳しく報告します。

なお、3市町はそれぞれの議会に同時に情報提供しており、岩見沢市議会民生常任委員会の開催された1月11日、月形町議会の正副議長と各委員長に対し説明があったとのことです。(関連情報は→こちら
月形町議会では全議員への説明を1月18日の全員協議会で行うこととし、資料のみ事前配布を町に要請。私の手元には13日に郵送されています。

以下、全員協議会での報告と質疑の内容です。

※写真は1月19日の須部都川。久々、朝からの晴天。
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3市町による、ごみの広域処理について【資料説明】

◆広域処理施設は【破砕処理機】【焼却炉】【埋立処分場】の3つの施設から構成される

◆自治体ごとに広域処理施設の利用状況が違う
 【月形町】・[燃やせないごみ]と[資源ごみ]は自前で処理 = 月形町内既存施設の活用
      ・[生ゴミを含む燃やせるごみ][粗大ごみ]は広域処理施設で処理 → 岩見沢市へ
      ・[焼却灰]も広域処理 → 岩見沢市の埋立処分場へ

 【美唄市】・[生ゴミ]は自前で堆肥化 
      ・[粗大ゴミ]の大部分は自前の破砕機で処理 
      ・[生ゴミ以外の燃えるごみ]のみ広域処理施設(焼却炉)を利用 → 岩見沢市へ
      ・ただし[焼却灰]は持ち帰る = 岩見沢市の埋立処分場は利用しない

 【岩見沢市】・広域処理施設で全てのゴミを処理
      ・広域処理施設内にリサイクル施設を建設し、資源ゴミを処理(岩見沢市100%負担)

◆施設の規模と建設費負担割合を決定する基礎になる数字が提示された(平成27年度ゴミ量推計)
 【月形町】 燃やせるごみ  996 t(うち 生ゴミ 384 t、生ゴミ以外 612 t)
       燃やせないごみ 431 t
       粗大ごみ     42 t
       資源ごみ    300 t
        計     1,769 t

◆それぞれの処理施設の利用量に応じて負担率が計算された(費用負担シミュレーション)
 【月形町】の負担割合・・・施設整備費全体  3.25%
  (焼却施設:3.80% 破砕選別施設:1.03% 最終処分場:3.30% その他:0〜3.80%) 

◆財源
 ・施設整備には、国からの交付金(広域ごみ処理への交付)、地方債(岩見沢は合併特例債等、
  美唄と月形は一般廃棄物処理事業債)と一般財源(一部交付税措置あり)をあてる
 ・維持管理費(計画は15年間)は全額一般財源から

◆現状での負担額(基本計画段階の数字。今後精査される)
 【月形町】
   ・施設整備費:127億円(総工費)×3.25%−各種補助金等=(実質負担額)2億5900万円
   ・維持管理費(15年間の計):総額の2.88%=2億6400万円
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【質疑応答】

Q 国からの交付金の交付率が通常より低く計算されているがなぜか?
A 近年交付率が下がっている。危険率も加味して計算した。

Q [燃やせないごみ]が全ごみ量の3割にもなっている。なぜこんなに高いのか?
  何を[燃やせないごみ]とするのか?
A ごみの割合は、全国的な標準値を使用した。実際にはもっと低くなると考えている。
  何を燃やせないごみにするかの分類はこれから。

Q ごみの広域処理のためにはストックヤード建設など月形町内での施設整備が必要であるが、
  その事業はこの試算に含まれているのか? 
  この事業に乗るかどうかで負担額は大きく違うのではないか?
A 今回の試算は岩見沢市に建設する広域処理施設の分のみ。月形町単独の事業は含まれていない。
  今後協議していきたい。

Q 広域処理施設は15年間の使用で想定しているが、それ以降についての検討は?
A 耐用年数はそれ以上あるので、期限以降の使用については協議できる。

Q 月形町の焼却灰は全量、岩見沢市の埋立処分場が受け入れることになっているが、
  必ず受け入れてもらえるのか? 住民感情的に大丈夫か? 15年間の期限以降は?
A 協定で15年間は受け入れてくれる。その先も(焼却炉の耐用年数があるうちは)協議できる。
  もし受け入れ不可となっても「月形町内の最終処分場に焼却灰を絶対入れない。」と地元地域と
  約束している。それは必ず守る。
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今回提示された資料を実際に見た感想として、負担割合等のシミュレーションが非常にきめ細かくなされていて、担当者の努力の跡が伺えます。今回の事業は短期間で進めなければならず大変だったと思います。お疲れ様でした。

一方、その基礎となるデータはまだまだ精査が必要とも思いました。特に「ごみの分類」によって処理量も仕様も大きく変わるだけに、迅速に、より正確に実態を把握しなければならないと考えます。

例えば[燃えないごみ]。一般的な標準値を使用したとのことですが、一口に[燃えないごみ]といってもその分類基準は各自治体でバラバラなので、データの取り扱いは慎重にすべきです。特に【製品プラスチック】をどう扱うか(どう分類するか)で[燃えないごみ]の割合が大きく変わると推察できます。

【製品プラスチック】は熱量が高く炉を傷めるなどの理由から、これまでは[燃やせないごみ=燃えないごみ]と分類されてきました。しかし、紙や容器包装プラがリサイクルされるようになり、相対的に生ゴミの割合が増えています。その結果、熱量が低下し燃えにくくなって・・・助燃剤として重油等が必要に・・・こういう状況が全国各地で起きています。

また【製品プラスチック】は、石油を原料にできていますが用途に合わせて様々な添加物が加えられています。見た目は同じに見えますがその性質は多種多様です。海外(特に中国)からも大量に製品プラスチックやリサイクル法規制外の容器類も入ってきています。現段階では【製品プラスチック】と【容器包装プラ】を同一に扱いリサイクルすることは難しいと考えます。

これらのことから、【製品プラスチック】を[燃えるごみ]にすることの方がメリットがあり、【製品プラスチック】を燃やすことを前提に焼却炉を建設するべきと考えます。焼却炉の建設が設計段階に入る前の今、焼却炉の容量や仕様も再検討していただきたい!! 強く願っています。

それから【焼却灰】の問題も懸案事項です。美唄市が持ち帰りをするとの報告を受け、岩見沢の住民感情が気になりました。「協定で決定している事項なので大丈夫」との答弁がありましたが、こと【焼却灰】に関しては契約でもなく、経済性でもなく、感情の問題に発展しやすいだけに心配です。
現に月形町埋立処分場の地元地域の方との「焼却灰は絶対に入れない」という約束も、過去からのごみ行政に対する不信感(感情)に起因していると思います。
いずれにせよ、【焼却灰】の扱いは慎重にすべきだと思いました。

comments

岩見沢市議の田中和宏と申します。
先日は私のブログへのアクセス・コメントありがとうございました。
広域化の議論においては、第一に各自治体の情報共有化を進めなければならないと思っておりますが、岩見沢市では現状、諸問題の発生が背景にあるためか岩見沢市民の目を気にするので精一杯の感があり、不安視しております。
こちらとしましても、ぜひとも情報交換させていただきたいと思いますし、一年生議員として広く勉強させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

田中和宏さん、コメントありがとうございます。

ゴミ処理は全ての住民に長期間にわたって影響する行政の仕事です。私たち議員も心して判断しなければならないと、思っています。

一年生議員などと言わず、ぜひ独自の視点と行動力で事を進めていただきたい、そう願っています。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

  • 宮下ゆみこ
  • 2012年01月23日 01:53

  •     

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