2011年12月11日

平成23年第4回(12月)定例会【一般質問】

定例会から間もなく1週間になります。師走は本当に駆けていきますね。

ここでは一般質問の要旨と町長答弁を報告します。最後に私の感想なども載せました。
別のページですが、当日傍聴に来られた方からのコメントもいただいています。(→ こちら
率直なご意見と感想に「なるほど」と感心したり、アイデアをいただいたり。第三者からの視点は非常に重要だと、改めて感じました。ありがとうございます。

このページを読まれた方、感想やご意見など何でも結構です、コメント欄への書き込みをお待ちしています。
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【1】非理営利活動法人コミュニティワーク研究実践センター(略称:コミュニティワーク)の活動把握と認識、今後の支援について

Q)■今年度から町内で本格的に活動を始めた「コミュニティワーク」の活動について、
   町長はどの程度把握・認識しているのか?
A)●3年前から町内との関わりがあったことを知っている。新しい形の事業だと認識している。
    
Q)■今後の支援策の提案がある。どう対応するか?
   1.国や道への補助申請の窓口や補助金の受け皿としての支援
   2.町内の様々な地域活動に参加できるよう、コミュニティワークの利用者を
     町民と見なすという支援
A)●月形町内に残っている地域コミュニティがあるからこその事業なので、歓迎したい。
   1.しっかりと対応したい。
   2.具体的な事例がないと何とも言えないが、参加を望むことに対して協力する。


※【解 説】質問の中で、コミュニティワークの活動内容と実績、利点などを説明しました。
      皆さんにも知っていただきたいので、以下に掲載します。
      なお、コミュニティワークのブログ「月形日記」は → こちら

 ◆特定非営利活動法人コミュニティワーク研究実践センターとは
    都市部における就労困難な若者を対象に、地域コミュニティの力によって新しい働き方や
   暮らし方を見いだし自立できるように支援する団体。数年前から町内で活動準備を重ね、
   今年度法人として本格的な活動を開始

 ◆コミュニティワークの活動実績(平成23年5月〜10月)
  ・新しい働き方 :町内の農家(トマト、花、米等)での就労体験、その他
  ・新しい暮らし方:地域との交流(ボランティア、高齢者との交流、各種夏祭り)
           地域行事への参加(樺戸神社カラオケ大会、行政区対抗ソフトボール大会)
  ・利用状況   :利用者(延べ708人、実数32人)
           1日あたりの利用者数 4.12人(+職員2人)

 ◆月形町にとってのコミュニティワークの利点
  ・地域の担い手(特に農業、福祉分野。ボランティア、イベントスタッフ)
  ・地域経済の活性化(職員の定住、町内商工店やJRの利用、販売ルートの確保)
  ・町外からの資本投入
   (様々な補助政策、利用者の利用料、コミュニティワークによる事業展開)
  ・都市部との交流=グリーンツーリズム的な要素
  ・若者が来ることによる、町内の雰囲気の変化
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【2】月形町の「歴史遺産を活かすまちづくり」について (1)ビジョンと施策

Q)■月形町の歴史遺産を題材に様々な活動が展開されているがそれぞれの連携は極めて薄く、
  「歴史遺産の活用」と「まちづくり」が結びついていない。具体的には、行政と町民が共有
  できるビジョンがなく、基本的な構想と実際の活動を繋げるロードマップ(具体的施策を
  管理する進行表)が不足していると感じる。町長はどう見ているのか?

A) ●ビジョンは月形町総合振興計画であり、それを基に様々な事業が展開されている。
   連携が足りないとの指摘だが、どこが足りないのか分からない。
  ●昨年の130周年と今年の地域創造フォーラムで、第1部の事業展開が終わった。
   これからは第2部として展開していく。
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【3】月形町の「歴史遺産を活かすまちづくり」について (2)物故者追悼式のあり

Q) 樺戸監獄物故者追悼式は長らく続く月形町としても重要な行事の一つであうが、近年規模が
  拡大し、有り様も変化したと感じる。大きな行事が終了し区切りを迎えた今、物故者追悼式の
  あり方を見直す時期だと感じる。
  ■物故者追悼式を年々盛大にしてきた理由は?
  ■招待範囲を広げたことの意義は?
A)●囚人労働による道路開削は北海道開拓の歴史でもあり、物故者追悼式は月形町だけの行事
   ではない。道民みんなで先人の労苦に感謝するイベントにしたいと考えた。
  ●道内の関係団体や要人を招いたことで月形の歴史を知ってもらうことができ、(樺戸監獄や
   囚人労働の歴史に対する)評価が上がった。また展開もあり、プラスの効果が出ている。

Q) 町長の思いと成果は理解したが、今まで説明が不十分だった。今後も税金を遣うのであれば
  町民に対して説明する責任がある。
  ■町外向けには成果が上がっているようだが、自由参加の町民が少ないなど町民に対しては
   不十分と感じる。今後どの様な物故者追悼式にするのか? 
  ■町民の行事であることを動機付けるための提案がある。どう思うか?
   ・中学生を町歌だけに呼ぶのだけでなく、追悼式そのもの参加し献花体験をさせる。
    (未来を拓く子ども達に、郷土愛を持ってもらうため)
   ・以前行われていたように、町民からの詩吟や民謡、舞などの奉納を行う。
A)●年々町内招待者も増やしており、現状でも町民共有の物故者追悼式になっていると思ってる。
   今後の物故者追悼式は、(招待客の一部、食事会などは取りやめるものの)ほぼ同じ規模と
   内容で執り行う予定である。
  ●中学生の参加は希望するところだが、授業時間との関係がある。(要検討)
   町民による奉納は、町民側の事情もある。
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今回の一般質問は「町長の考えを聞く」ことを柱にしようと臨みました。

一般にその年度に実施される事業の背景やねらいは3月の町長執行方針で語られ、その後の一般質問の議論を通して肉付けがなされてハッキリとした形が形成されます。この過程により、町長と議員と町民がイメージを共有し、「まちづくり」の大きな力に発展すると考えます。

しかし現実には、ここ数年の執行方針は「総合計画に沿った事業展開」を言い訳にして総花的なものになり、町長の「まちづくり」に対する考え方や方向性が見えない状況でした。
だからこそ、今回の一般質問でイメージを共有したかった・・・私の正直な気持ちです。

幸い、私の一般質問の時に小学生の傍聴があり、町長が自分の想いを熱く丁寧に語ってくれました。最近の私に対する答弁の中では、最も真摯な答弁だったと感じます。

しかしながら、議論の中身は・・・
私は「まちづくりに向けて、これからどうやっていくのか?」と未来についての質問を投げかけたつもりでしたが、町長からは「実績は上がっている。」「その前に比べ増えた。」等、視点が過去に向いている答弁ばかりでした。だから噛み合わないのですね。残念です。

傍聴された方からいただいたコメントに
『“連携”とか“ロードマップ”の意味が抽象的でわかりにくかったので,答えるほうも抽象的な答弁になってしまったのだろうと思います。』
とありましたが、目から鱗が落ちる思いでした。自分なりに『分かり易さ』を追求して出した言葉が”連携”や”ロードマップ”だったのですが、それがかえって分かりにくくしていたとは! 指摘されて初めて気付くことで、本当に有り難いです。これからは少し視点を変えて言葉を選んでみたいと思います。

もう一点。コメントには
『過酷な条件の中,命を削って原野を切り開いてきたのは,囚人たちですが,ではその歴史に,この月形の自然環境や住民たちは,どう関わり支えてきたかということにもっと目が向けられてもいいような気がします。』
とありました。とても重要で新しい視点だと思います。

『歴史』と『まちづくり』を連携させ自分たちのものにするためには、『自分(町民)』という視点で歴史を掘り起こすことが必要になります。その観点で今までの事業を見直すと、『官』『政府』『看守』の視点でしかなかったことが分かります。だから『まちづくり』と関連させようとすると違和感が出てくるんですね。やっと理解できました。

更にもう1点。月形の歴史を語る時『開拓時代』『明治時代』と言うものの、その視点は『現代から見た』ものだったのではないでしょうか。もっと『当時』の感覚に遡る必要があり、そのためには研究が足りないとも感じました。
幸いにも樺戸博物館は学術的資料が豊富です。そして学芸員も郷土史研究家や歴史好きの人もいます。これからです。

『視点を変える』こと、『気付く』ことで、目の前に宝の山が出現したようです。

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