2011年10月27日
まちづくり常任委員会(2011.10.25)学校教育
今回の所管事務調査は教育委員会学校教育分野で、テーマは「札比内小学校の閉校・統合に向けた取り組み状況」です。
札比内小学校は、現在児童数20名の完全複式小学校で、今年度末で90年の歴史に幕を閉じ月形小学校に統合されます。[来年度から月形町内の学校は、小学校1・中学校1・道立高校1]
統合にあたってどの様な取り組みがなされているのか、札比内小学校の現地視察を行って札比内小学校長から直接お話を伺うとともに、子ども達の授業風景を見学してきました。
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【月形町立札比内小学校の閉校・統合に向けての取り組み】
(1)交流(平成23年度)
・1学期:各学年での交流(合同授業、交流給食、合同修学旅行、他)
・2学期:児童会が中心になった交流(交流集会・交流給食)
PTAの交流(合同参観日、PTA交流・懇親会)
(2)円滑な接続に向けての取り組み
○札比内小学校が完全複式であるため、(小学校課程中途での統合で)学び残しや学び漏れが
懸念され、課題になっている
・学び漏れ、学び残しのない教育課程の編成
・単式指導
(3)閉校記念行事の開催
・閉校記念運動会(6月4日)
・閉校記念撮影、PTA主催「閉校記念キャンプ」(7月22日)
・閉校記念学習発表会(10月15日)
・閉校記念植樹(10月26日予定)
・閉校記念公開研究会(11月30日予定)
※ 90周年並びに閉校記念式典・惜別の会
(平成24年2月11日開催予定、主催:札比内小学校閉校記念協賛会)
(4)閉校後に向けての取り組み(PTA・育成会)
○札比内地域の行事の多くを小学校やPTAが中心になって進めてきた。閉校に伴いその母体が
なくなることから、今後どの様に対応するのかが課題
[札比内地域行事]
・8月 :子ども盆踊り大会(PTA主催)
・9月 :札比内神社祭:子ども神輿、子ども相撲(育成会協力)
カラオケ大会参加(PTA協力)
・10月 :月形町子ども会ミニバレーボール大会(育成会主催)
・1月 :新年交礼会(PTA主催)
○ 現在地域内に2つある育成会を今年度中に1つに再編し、組織力を強化して地域行事を継続
して行けるよう調整中
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【授業風景と感想】
● 1・2年生:生活 ● 1年生:1人、2年生2人
「秋を見つけよう」がこの日の授業内容。事前に校庭等で児童が撮影した秋の風景をデジタルテレビ(パソコン連動)に映し出し、それを見ながら自分の感じた秋を発表していました。
たくさんの参観者(それもスーツ姿の見知らぬおじさんがほとんど)のいる状況で、元気に物怖じせず発表する姿は学習発表会の時の様子と同じ。研究授業や地域参観等で場慣れしているのかもしれませんが、普段から主体的に物事に取り組んでいる現れなのでしょう。スゴイの一言です。
それから、授業にデジカメの画像を取り込んだパソコン映像を使うなど、ICT機器が活用されていることも目を引きました。
● 3・4年生:書写 ● 3年生:4人、4年生7人
習字の授業で、3年生は「にじ」、4年生は「林」が課題。同じ方向を向きながら別の課題を行う[同単元異教材]の授業スタイル。学年ごとに「先生による黒板での指導」と「デジタルテレビによる解説」を交互に受けながら、授業時間を有効に使って学習を進めていました。
「ICTってこんなに有効なんだ!」と正直驚きました。こういうソフトが色々開発されているんですね。それに先生も使いこなしていることに感心しました。
また習字の授業できめ細かな指導(へんとつくりの大きさの違いや具体的な配置等)がなされているのにも驚きました。私が小学生だった頃は[お手本を見ながらひたすら書く、合間に先生が朱墨で手を入れてくれる]というものでした。このような授業が受けられたら、もっと習字が楽しく上手くなれたかなあ、と羨ましく思いました。
● 5・6年生:算数 ● 5年生2人、6年生4人
算数の授業は、学年ごとに別々の黒板に向かって授業を受けていました(黒板は90度に配置)。参観時、先生は6年生に百分率を教え、5年生は計算問題をこなしながらの自習。[わたり・ずらし]という授業スタイルです。
私にとって、複式の授業と言えばこのスタイル。非常に効率的な授業ができているなあと感じました。今、月形小学校の算数などではTT(ティームティーチング:複数教師による授業)が行われ、学力向上のために色々な手法がとられています。学校の置かれている環境によって受けられる授業の種類は違ってきますが、その状況に合わせ最善が尽くされているのを感じました。
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札比内小学校は閉校・統合に向け、着実にそして前向きに進んでいると感じました。また学校が地域の中心である事実に配慮し、閉校以降も見据えて様々な手だてがなされているのにも感心しました。いずれにしても安心して閉校・統合を迎えられると思います。
- by 宮下ゆみこ
- at 23:49
comments
閉校は、すべての住民が賛成しているわけではありません
でも「子どもたちのため」と言われれば、仕方ないですね
こんなに素晴らしい学校をなくすことは、本当に子どもたちのためなんでしょうか?
それとも、町の財政事情などがからんでいるのでしょうか?
中和や昭栄や知来乙の人に、聞いてみたいです
閉校して、子どもたちのためになりましたか?
そうであってほしいと願っています
札比内住民さん、コメントありがとうございます。意見交換できて嬉しいです。
札比内小学校は本当に素晴らしいですね。
確かに学校の様子や学校を中心とした地域活動を見ていると、
私も閉校するのが惜しいと思ってしまいます。同感です。
ただ、少人数教育の課題や限界、あるいは少子化が進んでいる現状など
現在の教育体制や質がどこまで維持できるか(高めていけるのか)は・・・
閉校を決断した地域やPTAの皆さんの想いは重いとも思っています。
また月形町の財政の立場では
札比内小学校の校舎本体(木造2階建て部分)は耐震評価ができない状況です。
もし学校を存続するとなれば、それ相当の補強が必要になります。
あるいは規模を縮小して立て直さなければならないでしょう。
(体育館と給食室等がある増設部分は耐震化されていて問題ありません。
閉校後も活用する予定です。)
いずれにせよ、現在の形のままで札比内小学校があり続けることは難しいと思います。
中和小や昭栄小、知来乙小学校の統合当時の詳しい話しは分からないのですが、
漏れ聞いた話しによると
複々式学級(3学級で1学年)や欠学年が存在し、授業の進行が難しかったり、
集団での活動(特に球技やチーム活動)はほとんどできなかったとか。
また先生の数も減って
(児童数によって教頭先生が配置されなくなったり、担任を兼務する場合がある)
様々な活動で「少人数の限界」を感じたそうです。
地域に学校がなくなると確かに寂しいし、地域活動も減ってしまうかもしれません。
そうならないためにと、札比内小学校では育成会の強化などに取り組んでいます。
過去の課題を改善するために様々な取り組みがなされていることに目を向け、
子ども達にとっても、地域にとっても
前に進む一歩として閉校・統合を捉えていきませんか?
他地域の方々から札比内小を誉められるたび、
どんどん閉校が惜しくなります
もう誉めないでください(笑)
良いものは良い!!
札比内住民さんの気持ちをかき乱すことがあるかもしれませんが、
これからも感じたままを書きますよ♪
その時その時の気持ちや場面や風景を私はこのブログに書き記して「今」をお伝えしていますが、
それは同時に「アルバム」を作る作業にもなっています。
いつか札比内小学校を懐かしく思った時に
(あるいは札比内小を知らない未来の子ども達がインターネットを検索した時に)
このブログの記事にたどり着いてくれたなら
どれほど地域の皆さんが札比内小学校を愛していたかが分かると思います。
それはそのまま「札比内の誇り」にも「郷土愛」にもなり、ひいては「自信」になります。
寂しくて惜しい気持ちもありますが、良いものは良いのだから後世に残していきましょう!
ということで、
札比内住民さんもどんどんコメントくださいね。一緒にアルバムを作りましょう♪