2011年04月13日

岩見沢市議会・民生常任委員会を傍聴

4月12日午前に開催された、岩見沢市議会・民生常任委員会を傍聴してきました。(写真は、岩見沢市の最終処分場。帰りに見てきました。)

普段(議会改革などの視察目的以外に)他の議会を傍聴することはありません。しかし、今回は『きれいなまちづくり検討会議の答申について』という、岩見沢市のゴミ問題に関係する重要な事項がテーマであること、この動向が月形町の今後のゴミ処理にも影響する(現在、岩見沢市と美唄市と月形町によるゴミ広域処理が発議されている)ことから、傍聴し情報収集することにしました。

岩見沢市役所3階委員会室には、報道も含め20人近い市民と、民生常任委員(石黒委員長他、計7名)以外にも多くの議員が傍聴に訪れていて、岩見沢市全体の関心が高まっていることが解ります。

まずは説明員(副市長を筆頭に環境部の職員)から『きれいなまちづくり検討会議の答申』について概要が説明され、その後、質疑応答になりました。

これら一連のやりとりの中から、私の印象に残った事項について内容を要約して掲載します。なお、傍聴者には資料配付がなかったので口頭での説明を文章に起こしています。落ちや漏れがあるかもしれませんがご了承下さい(確認できた内容は補足しました)。
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■答申内容
 ・今回の説明内容は、先日行われた学習会での内容とほぼ同じ
 ・他に情報として
   □岩見沢市の1人あたりのゴミ埋立処分量は、全道平均の約3倍(平成20年度)
   □岩見沢市のリサイクル率は17.7%(全道平均19.4%、全国平均20.3%)
   □岩見沢市のゴミ処理三原則
      ・廃棄物の減量を推進すること
      ・廃棄物の再生利用を推進すること
      ・自然にやさしい処理を行うこと

■質疑応答から
・生ごみを分別する=複数の処理施設を持つこと。コスト高につながる。
・岩見沢市のゴミ量は年間33,000トン。うち約3割が生ごみ。
・生ごみ堆肥化の問題点は、できた堆肥の受入先の確保と高齢化(分別徹底の限界)。
・市民ゴミの堆肥を農家が使うのかが疑問(不純物の混入、重金属、生産履歴への記載の問題)

・検討委員会は課題の整理と今後のゴミ処理への提言が目的。ゴミ問題の原因究明が目的ではない。
・岩見沢市は20年間分別の取り組みをしてきたが、未だ不徹底。これを踏まえた上での提言。

・溶融処理を導入しているのは、道内6ヶ所、道外80ヶ所
・溶融処理について、答申資料の中では「建設費+維持管理費」が最も安い処理方法。
・溶融処理を導入している江別市では、当初トラブルがあった(作業員の不慣れによるもの、
 分別の不徹底による破砕機の故障、他)。その後対応ができ、今は順調に運転している。

・渡辺市長の「答申を最大限尊重する」は行政の常識的な発言。どの答申に対してもそう答える。
 (あえて強調したものではない。決定事項でもない。)
・答申は答申であって決定したものではない。答申を受けて全庁的な議論をした上で決定したい。

・「ゴミのよりよい始末を進める市民会議」の代表委員32名は、4月4日の代表委員会議の場で辞任を申し出た。市として意思疎通がなかったことを反省している。辞任の理由は知らない。聞く機会があれば聞きたい。

・今後のスケジュールについて。平成26年度末までしか今の最終処分場は使えない(昨年度のゴミ問題発覚後覆土を多くしているので、平成26年度末まで持ちこたえられないかもしれない)。
そこから逆算すると6月決定になるが、議会改選もあることなので決定時期をどこまで遅らせることができるか、雪解け後測量する予定。

・補助金を受けるためには、近隣自治体との広域処理が必要。補助金を受けずに処理施設を建設することはコスト高につながる。
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この答申はあくまで「岩見沢市のゴミ処理の最適化」を答申したもので、ゴミ量や分別に関する基礎データも方式も、現状の岩見沢市単独を想定しています。一方「補助金を受けるためには広域処理が必要」としていて、広域処理を前提にしているようにも受け取れます。

矛盾を感じたのは私だけ?

岩見沢市の最適なゴミ処理方法は、必ずしも広域にとっての最適なゴミ処理ではないと考えます。
もし「広域処理」を念頭に置くのであれば、最初から関係者を交えた検討があってもいいはず。岩見沢市は今後どうやって広域処理を進めるのでしょう?
小さな自治体の意向はどうなるのか?

今回、岩見沢市に「ゴミ処理三原則」があることを初めて知りました。「減量推進」「再生利用推進」をうたっていながら分別や有料化、堆肥化にも消極的で、ここにも矛盾を感じてしまいました。
先日「ゴミのよりよい始末を進める市民会議」の代表委員全員が突然辞任したのも、私の抱いた感覚と同じだったのではないかと・・・邪推してしまいました。

月形町のゴミ処理をどうするか・・・やはり町民とともに考える場が必要だと、強く感じます。

【2011.4.18 追記】
本文中、岩見沢市の一人一日あたりのゴミ埋立処分量を「ゴミ排出量」と誤って記していました。口頭筆記だったので、聞き間違っていたようです。申し訳ありません。本文は修正しました。

なお、岩見沢市の一人一日あたりのゴミ排出量は、全道平均の約1.1倍でした(環境省:一般廃棄物処理実態調査>平成20年度より)。排出量はほぼ同じでありながら埋立処分量が3倍にもなるのは、中間処理(焼却や堆肥化、バイオガス化などの減容化)をせずに直接埋立する割合が高いことによります。月形町のように、中間処理施設を持たない自治体は特に大きな値を示します。

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