2011年04月07日
平成23年度予算特別委員会
内容が前後しますが、3月15日〜17日午前中まで審議が行われた平成23年度予算特別委員会の報告です。
一般会計と5つの特別会計(月形町老人保健事業特別会計は平成22年度末でを閉じたため、特別会計数6→5)のうち、私が注目した点を中心に記します。(右の写真は3月15日当日のもの)
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■一般会計予算 32億3,200万円(平成22年度予算比+7,100万円)
各種財政指数の見込みは
・経常収支比率 97.4%
・公債費比率 6.6%
・実質公債費比率(3ヶ年平均)9.6%
・公債費負担比率 17.8%
・財政力指数(単年度) 15.4%
・財政力指数(3ヶ年平均) 16.4%
※ 平成22年当初予算に比べて経常収支比率が大きく悪化した(87.0→97.4)のは、平成21年度に行った財政システムの変更とその基になる数字の取扱いの違いによる。実質的に極端な悪化はないものの、悪化(経常経費の上昇)傾向にはある。
※ 公債費比率や実質公債費比率、公債費負担比率は減少し、良い傾向。
今年度の一般会計事業の中で私が気になるものは
◆月形町光ネットワーク
・平成22年度で町内に整備された光回線を使って、様々な事業が展開される予定
(具体的な内容はこれから)
・当初予定より工期が遅れ、4月1日からの供用開始も遅れる
・月形町光ネットワークを利用したインターネット光通信の申込見込み数は、現在350件。
(光通信利用料の一部が月形町に還元され、光ネットワークの維持管理費と相殺される。
町の支出の限界点(収支±0)には、365件の加入が必要。)
◆法令遵守推進事業
□予算 ・法令遵守委員会委員報酬・費用弁償 5万9千円
(+弁護士等の費用 12万6千円)
・職員研修(公務員倫理法令遵守研修) 6万3千円
□月形町職員の公正な職務の執行の確保に関する条例(通称:コンプライアンス条例)
・コンプライアンス条例は平成23年4月1日施行
・法令遵守委員会の委員は3名「学識経験を有する者、または町長が適当と認める者」
・委員会は専門家を呼ぶこともできる(専門的知見の活用)
・法令遵守委員会委員の報酬は他の委員と同額。 日額7,200円(4時間以内は半額)
◆北海道地域創造フォーラム 200万円
・町長の執行方針に明記。今年度の目玉行事
・北海度雲霞委託における囚人の歴史を学び取り、月形を考える機会にする
◆ぬくもり交付券事業(対象:70歳以上の町民) 589万4千円
・支給額の増額 9千円 → 1万円/年・人(250円券×40枚)
・利用項目の拡充 (温泉・タクシー)+配食サービス+除雪サービス
・平成21年度の利用実態 温泉:タクシー=3:7
◆月形町社会福祉協議会補助金 1,221万6千円(前年度予算比 +96万8千円)
・人件費の増額(平成22年度 正職員2+嘱託職員1 → 平成23年度 正職員3人)
◆月形町最終処分場機能検査答業務 909万3千円
・開設から17年が経過した最終処分場の状況確認検査(自主調査)→ 今後整備計画へ展開
・検査項目:機能検査(施設の構造、浸出水の処理、機器の破損)
地中データを使っての遮蔽面の空洞調査
2カ所のボーリング調査
◆ヤナギのバイオマス研究のための圃場提供 0円
・独立行政法人森林総合研究所によるペレット化実験のためのヤナギ栽培圃場を提供
・つち工房エリアの町有地を提供
◆商品券発行事業(プレミアム商品券への補助金) 600万円
・商工会からの要望(町内各商店への波及効果あるとの認識)
・平成21年からの3カ年計画の最終年
◆就学援助事業 163万2千円(前年度予算比 +52万8千円)
・支給項目の単価上昇と、高額支給を要する当該学年児童生徒が多いため
(子ども達の就学状況が悪化している訳ではない。)
□月形町の就学援助基準[準要保護の一部規定。この他の要件のうちどれかに該当で可]
・所得が生活保護の1.0倍 (平成16年までは1.3倍だったが引き下げられた)
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各特別会計の平成22年度予算規模(歳入歳出)は以下の通りです。
■月形町国民健康保険事業特別会計予算 5億2297万7千円(前年度予算比 +380万1千円)
■月形町後期高齢者医療特別会計予算 4900万円 ( ー230万円)
■月形町介護保健事業特別会計予算 3億9100万円 ( +3282万円)
■月形町農業集落排水事業特別会計予算 1億1396万9千円 ( +451万4千円)
■国民健康保険月形町立病院事業会計 病院事業収支 7億9856万5千円
特別会計の中で気になる点
◆国民健康保健会計、介護保険会計の悪化
・いずれの会計も基金を大きく取り崩して予算立てしている。
・いずれの会計もあと1,2年で基金が底をつく状況(特に介護保険は今年度末にもあり得る)
・介護保険は毎年の予算の伸びも大きい(施設介護の増加、介護度の進展、対象人口の増加)
・介護保険で年度途中に基金が底をついた場合は、道の基金の借り入れで対応予定
◆病院会計の悪化
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東日本大震災が発生したのは3月11日。平成23年度予算の策定時には考えられなかった大惨事が発生し、日本全体の状況が変わってしまいました。ここに平成23年度の予算内容を記しましたが、財源となる交付金などが減額されることも予想され、全てをこのまま執行できるのか不安です。
非常事態となった今、「何を優先させるのか」は大きな関心事ですが、町政執行方針及び予算員会での町長答弁からは、町政の具体的な方向性は示されませんでした。
総花的な予算配分を絞る時には何かしらの指針が必要になります。町長からは「今後状況に合わせて検討する」旨の答弁ばかり。未来像が描けません。このままでは思考が目の前の課題解決のみに注がれ、月形町全体が矮小化するのではないかと非常に不安です。こういう時こそリーダーは一歩先の目標や夢を掲げ、職員や町民の顔を上げさせなければ・・・と思うのは私だけではないでしょう。
また以前からの懸案事項だった国民健康保健会計と介護保険会計の悪化が顕著になり、基金の底が見えてきました。国の制度改革が進まないことが大きな原因ですが、だからといって私達が何も手を打たないわけにはいきません。
町立病院の運営も含め、「医療」「保健」「福祉」は待ったなしの大きな課題です。
私も議会の一員として、今後の厳しい決断の場面に立ち会うことになります。一歩先を見つめた選択ができるように、準備したいと思います。