2010年12月10日

第3回北海道アライグマ慰霊祭&小講演会(1)

議会関係の話題が続いたので、今日はちょっと違った視点の報告を。
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先の日曜(12月5日)の午前、北海道大学大学院獣医学研究科で行われた『第3回北海道アライグマ慰霊祭&小講演会』に参加してきました。主催は北海道アライグマ慰霊祭実行委員会(アライグマ研究グループと北海道環境生活部環境局自然環境課特定生物グループの有志)です。

会場には道内を中心に各地から、様々な形で「アライグマ」に関わっている約50人が集まりました。
私が名刺交換できたのは、研究者、行政関係者、狩猟者、ワナのメーカー、中学校教員の方々でしたが、他の関係者もいらしたかもしれません。いずれにせよ、多様な視点で「アライグマ」を見て、考え、新たな視点に気付かされた「慰霊祭」でした。

この慰霊祭には3つの目的があります。
1)人が関与したことで害獣の扱いとなって処分された、アライグマの冥福を祈る
2)アライグマが野生化したことで影響を受けた生物(在来生物)の冥福を祈る
3)人の行為が生態系に作用している現実を再認識する

詳しく説明すると・・・

 アライグマは北海道にはペットとして持ち込まれたものの、その生態(小さい時には人なつっこくかわいいが、生殖期を向かえると凶暴化する)の為に、飼いきれなくなって野山に放されたり、あるいはオリを破って逃亡して(多くは死んでしまったものの、生き残ったものは)野生化し、現在生息範囲を広げている。野生化したアライグマは生きるために必死で、手近な餌である農作物を荒らしたり、住居として納屋に侵入したりしたため、「害獣」扱いされ、駆除の対象になった。・・・(1)

 一方、もともと北海道に住んでいた生き物(在来生物)にとっても影響があった。凶暴なアライグマに住処や餌を奪われたり、アライグマを捕獲するために仕掛けられたワナにかかる(混獲)などして、影響を受け、死んでもいる。・・・(2)

 これらの多くの命に影響を与えているのは、人間の行為である。生態系の一員である私たち人間の何気ない行為が、生態系の中で多くの生き物に影響を与えている事実を認識する必要がある。私たち自身が行ってはならない行為は何かを考えよう。・・・(3)


 「アライグマ慰霊祭」そのものは獣医学研究科の敷地の奥に建立された「畜魂碑」の前で、この1年に処分されたアライグマと、アライグマを介在として影響を受けた多くの命に対して、参加者全員が黙とうを捧げて終了しました。
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この慰霊祭に参加して、私は今まで[アライグマ=害獣=最適な駆除方法の確立]という認識しかなかったことに気付きました。

自分が農業者として花を栽培している時、あるいは研究員として除草剤の新規開発をしていた時は、植物を中心とした生態系を意識して日々の生活をおくっていました。また趣味の登山の時にも「自然の生態系」を意識して一つ一つの行為に慎重に行動してきました。

しかし、ひとたび「行政(議員)」という立場になると[アライグマ=害獣=最適な駆除方法の確立]という様な一方的な視点でしか見られなかったのだと思うと、自分に残念でなりません。行政こそ多様な視点が求められているというのに・・・。

しかし今回気付いたことで、「アライグマ」に限らず様々な場面で(例えば、住民検診率の受診率向上:数字だけに着目するのではなく、受診者の健康管理や精神的問題、町全体の医療・救急体制の問題、そして町の財政問題等)、想像力を働かせながら多様な視点で課題を幅広く捉えた上で、改善策を提示することができるようになれるでしょう。

大きな「気づき」をありがとうございました。

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