2010年11月25日

議会改革シンポジウム 〜自治体議会が変わるためのヒント〜

11月20日(土)の午後、NPO法人公共政策研究所と北海道大学公共政策大学院主催の「議会改革シンポジウム 〜自治体議会が変わるためのヒント〜」に参加してきました。会場の北海道大学の教室は後部座席まで埋まるほどの参加者(約50名)で、「議会改革」というテーマは時代の関心の的であることを再認識しました。かく言う私も同族ですね。

私はこのサブテーマ「変わるためのヒント」に引かれて参加したのですが、(主催者には申し訳ないのですが)思っていたほどの収穫はなかったです。というのも話題の中心が「議会基本条例」にあり、視点が都市部の議会目線と感じたからです。
市民参加の仕組みづくり、会派制の善し悪し、議会報告会の実施などは多くの場面で語られていることですし、その問題提起の多くが「議会や行政に関心の薄い市民」を対象にしていたためです。

月形町の場合、公式的な(表面的な)市民参加は活発とは言えませんが、地元選挙の投票率が90%近くであったり、多くの町民が何らかの形で地域活動を担っていたり、議員や理事者とも地縁、血縁、仕事や趣味、ボランティアなど様々な関係が濃い・・・等、情報も比較的届きやすく市民の監視の目は厳しいです。
また議会内でも会派や政党はなく(強いて言えば地域代表の色合いはありますが)、基本的に議員個人の思想信条でそれぞれの活動をしています。議案の否決こそありませんが(公開の)全員協議会での議論は本質に迫り、調整の末に「名を捨てて実を取る」場面も赤裸々です。

このように前提となる条件が違っている以上、話題の視点や解決のための手法も違ってくるのも仕方のないことですが、ただ多くの「議会改革」議論が都市部の目線で語られていることが残念です。もしかしたら改革のヒントは地方(田舎)にあるのかもしれないと思っているので。

とは言え、キラッと光るものも見つけました。パネリストの「辻ひろし登別市議会議員」の発言には議会活動の目指すべき方向性が表れていると感じました。自分の視点を自分の言葉で語ることは人の心を捉えますね。
以下、当日のプログラムと概要、心に響いた言葉(主に辻議員の発言)を列挙します。
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 議会改革シンポジウム 〜自治体議会が変わるためのヒント〜
       主催:NPO法人 公共政策研究所、北海道大学公共政策大学院

■基調報告「北海道の自治体議会の現状
       〜アンケート調査から見る北海道自治体議会の課題〜」
                 NPO法人 公共政策研究所 理事長 水澤雅貴氏

・道内180自治体議会を対象に、今年夏にNPO法人公共政策研究所が実施した
 『市民参加により自治体議会を活性化するための環境整備に関する調査』をまとめて考察
・基本データを(議会基本条例の有る無しが中心視点で)点数化し、分類。
・議会側から市民への情報提供の少なさを問題提起。
・議会が変わるヒントは「議会のオープン化」ではないかと提言

■パネルディカッション:テーマ「自治体議会が変わるためのヒント」
  パネリスト:鳥越 浩一氏(苫小牧市議会議員)
        辻  弘之氏(登別市議会議員)
        志子田 徹氏((株)北海道新聞社記者)
        水澤 雅貴氏(NPO法人 公共政策研究所理事長)
  コーディネーター:宮脇 淳氏(北海道公共政策大学院教授)

・議会基本条例を持つことが良しではなく、
 それぞれ地域に合った(地域にとって良いと判断する)議会のあり方もある。議会のあり方は多様
・議員は「話す」仕事と取られがちだが、「聞く」ことが仕事ではないか。
 地域活動の中で話を聞き、そこから受けた感性や想像を議会に持っていき話し合う

・議会改革とは、見えやすい部分(お金、人)にばかり気を取られすぎず、質を向上させること。

・議会とは、行政が「できない」と言ったことを、
 「できる様にするにはどうすればいいのか」を議論し、話しを持っていくところ。
・首長にモノが言えない人の立場をくみ上げるのが議会
・議会は決定機関=首長のやりたい放題のブレーキ役(闇雲に判を押すのではない)

・議会に多様な人材が入ってくるためには、
 「やりたいことがあった時の手段として、議員になる」という認識を、市民に持ってもらう。
 そのために、子どもの時から「議論した内容が反映される」体験を持たせる。

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