2010年07月13日

第22回参議院議員選挙の結果について思うこと

7月11日は第22回参議院議員選挙の投開票日でした。結果は「与党の大敗」と新聞の一面に書かれています。そしてその要因としてマスコミの多くは「消費税アップが国民に受け入れられなかったから」という論調を繰り返し流しています。

果たして、この論調は正しいのか? 私にはどうも腑に落ちません。

消費税が上がることだけを聞かれれば「上がらない方がいい」と答えるのは人情。でも国の借金や社会福祉の状況を多くの国民は理解していると思います(少なくとも私の周りの人達は理解しています)。
高齢社会の現場で介護関連の賃金が安く担い手が不足していることや、地域医療を維持するための経費の問題、パートやバイトでしか生計を立てられない状況で年金や健康保険の支払いが大きな負担になっていることなど、社会構造の変化に仕組みがついて行っていない現実を打開するには、増税を含めた現行制度の見直しが必要と身にしみているからです。

もちろん消費税増税の前に政府がやるべきことはありますが、それと平行して税制についても議論すべきだし、そこに消費税の議論(単なる税率アップではなく、実生活を考慮した税率配分)も加わるべきと思います。

今回の選挙で私が感じたことは「なぜ選挙になると自民も民主も同じになってしまうのだろうか?」と言うことです。是々非々の議論をするのが民主党だと思っていたのに、タレント候補を擁立するなんて! このことで比例区の投票先が一気に狭められてしまいました。
「選挙は勝ってなんぼ」とは言いますが、選挙こそが(政党や候補者の)意識を現し評価を受ける場面です。いくら選挙に勝っても(議席数が増えても)そこにポリシーがなければただの頭数でしかありません。それなら割合だけ保って議員数を減らしても・・・という展開になっても仕方在りません。私たちは「この人が代弁者となって国を変えてくれる」と思うから責任を持って投票でき、政治にも関心が高まるのです(少なくとも私はそう思って投票しています)。

それからこの結果を受けて「管首相の責任問題」を声高に主張する民主党の一部や自民党の姿勢にも疑問です。選挙結果は管首相に対する審判と言うより、政権交代後の民主党に対する評価だと思うからです。
まずいとことがあったなら修正し、その経験を生かしてより良い国にしていくのが、今の日本の状況なのではないでしょうか。勝った負けたとか、誰の責任とか言う前に、やるべきことをやってもらわなければ何も進まず、ただいたずらに時間が過ぎ借金が増えるだけです。

国政を担う国会議員の皆さん、日本国中の様々な状況をくみ取り、より良い国の形を求めた制度改革をお願いします。私も地方議員の一人して、地方の実情と制度の隙間を発信していきます。

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