2010年06月29日

田園空間博物館樺戸地区・月形エリア施設見学会(2)

田園空間博物館樺戸地区・月形エリア施設見学会(1)のつづきです。

【北漸寺】
樺戸集治監には教養の高い政治犯が多いことから、位の高い僧が必要と政府から要請され、永平寺の直末寺として建立されました。樺戸山北漸寺は今も周辺地域(美唄、栗沢、浦臼、新篠津)に計10の末寺を持っていて、月形のような田舎の小さな町にあるお寺としては非常に珍しいとのことです。
本堂は水害や火災にも遭わず、外観にもほとんど手を入れていないので、建立当時のままの彫刻などが残っています。本堂正面の4枚戸には『梅に鶯』『松に鶴』等それぞれに意味のある彫刻が施され、梁や軒にも様々な彫り物があります。いつまでも見ていた〜い、時間が足りな〜い。

バスで移動。町の中心部を抜け、円山脇を通って(樺戸集治監の建っていた所から)約3km奥へ。途中からはバスがやっと通れる幅の砂利道です。

【水道遺跡】
昭和56年頃に月形小学校校舎建設工事中に木管(水道管として使われた)が出土したことから調査が進められ(第1期調査)、現在の位置に水道遺跡(3段堰堤方式ダムと取水施設)が発見されました。発見当時、現場は笹藪に覆われ、囚人達が焼いた煉瓦によって作られた構造物(廃砂門、取水塔、制水弁室)はかなり崩れていたそうです。調査終了後には埋め立て保存されました。
平成10年には第2期調査が行われ、ヨーロッパから輸入された鋳鉄管が出土!! この水道遺跡の重要性(ひいては樺戸集治監がいかに重要だったか)がよく分かる発見でした。
この水道遺跡によって供給される水は、樺戸集治監だけでなく町民へも分配されたとのことです。

バスで移動。円山公園周辺へ。

【円山杉林】
車窓からの見学。明治23年、樺戸集治監開庁10周年記念として囚徒によって植えられました。
詳しくはこちらのブログ記事で。

【展望台】
円山頂上(海抜83m)に立つ、黄色の三日月型展望台。今年の春先、展望台より大きく育った円山の木を整理し、展望台建設当時の展望が復活しました。
樺戸集治監はじめ北漸寺、石狩川、月形から三笠方面にまっすぐに伸びる峰樺道路(空知集治監への陸路を確保するため、三笠の達布山と月形の円山にかがり火を目標にして開削された道路。囚人達の大きな犠牲により完成。全長16km)、監獄田んぼがあった農事会地区の水田等、月形の歴史の要所が一望できます。

【歴代典獄記念碑】
樺戸集治監開監から閉監までの39年間に集治監を治めた典獄は8人。それぞれの典獄の実績や地域への貢献を記した石碑。功績を歴史に残したいと昭和36年建立。

バスで移動し、出発地点の博物館に戻って解散。
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約2時間半のツアーは見所が多く駆け足状態でしたが、宝があちこちに隠れているのを再発見できました。また「もっとじっくり見たいね〜。」「またやってほしいわ。」「とても楽しかった。」と、参加者からの声が寄せられるほど満足度の高いツアーでした。これはやはり、熊谷さんのガイドがあってこそ、そして企画した役場担当者のアイデアと準備の賜だと思います。

気温の高い中、要所要所で的確な解説をする熊谷さん、さぞやお疲れになったことでしょう。本当にありがとうございました。熊谷さんのお陰で現代と明治とをつなげることができ、目の前の景色に奥行きを感じました。先人の力があって今の私たちがあることを再認識させられ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

今回のツアーには観光のヒントがありますね♪

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