2010年05月28日

月形町開町130年記念 円山スギ植樹会

昨日午前、町内円山(まるやま)でスギの植樹会が行われました。参加者はこのスギ林にかかわる関係者や小中学生、一般町民など約250名。たくさんの人が月形町の歴史や自然に触れ、時代を繋ぐ担い手となったひとときでした。

月形町は明治14年(1881年)、北海道初(全国3番目)の集治監(国が管理する刑務所の前身)である樺戸集治監の開庁に伴い拓かれた町で、初代典獄(現在の刑務所長。当時は警察署長や地域の自治も担っていた)月形潔の功績を讃え姓をとって「月形村」となったのが起こりです。
今年7月1日で開町130年、空知管内では最も古い町です。

その樺戸集治監開庁10周年(明治23年:1890年)の記念事業として、円山に囚徒の手によってスギが植栽されました。望郷の念を抱いた囚人達は丹誠込めて手入れしたそうです。
このスギ林(国有林)は「まとまったスギ林」としては北限に位置し、学術的・歴史的にも価値が高いと評価され、「月形スギ保護林」として大切に管理されています。平成19年には野ネズミの食害対策(特殊粉の塗布、ネットの巻き付け)も行われました。

当初4,000本以上植えられたスギは風雪・生育不良・動物の食害等で数を減らし、途中補植などもされながら管理され、現在は約350本が残っています。最も大きなものは幹の直径68cm、樹高32mもあるそうです。

写真は平成20年に試験伐採したスギの切り株付近の標本です。根に近い部位なので星の様な形状をしています。よく見ると中心部の年輪は幅広く、周辺部は狭くなっているのがわかります。
森林関係者の話では「植えてすぐの頃(中心部が育っていた頃)は樹と樹の間に隙間があって、十分な陽光を受けることができて順調な生育をしたけれど、スギ林全体が育ち大きくなることで光りが遮られ、生育スピードが落ちたのではないか。」とのこと。なるほど〜。

さて、本題に戻ります。まず植樹に使われたのスギ苗について。

平成18年、月形町と空知森林管理署とが共同で「スギ保護対策プロジェクト」を立ち上げ、平成20年度には(独)森林総合研究所林木育種センター北海道育種場も加わって「後継樹育成対策」が始まりました。
平成20年6月保護林のスギから枝を切りとり、その穂から苗木を仕立て挿し木(1,400本)して越冬。翌春、発根しているものはヤシでできたポットに移植。未発根苗は再度調整し発根すればポットに移植。枯れたものも多かったので新たに採穂した苗木(300本)や北海道育種場で管理していた苗(570個)も加え、2年目の越冬。平成22年5月27日、最終的に1,100個のポット苗が準備できました。

植樹会場には小さな杭で目印が打たれ、植樹用の穴も開けられていました。そこにヤシポットに入った20cmほどのスギ苗をそのまま埋めて土を寄せ、しっかり押さえれば植樹は完了です。敷地が小学生区、中学生区、一般区と区割りされていたので、それぞれ穴を見つけてはどんどん植樹を進め、30分程で終了しました。
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雨続きの雨上がりで足元の悪い現地でしたが、歴史に触れながら1人4本もの苗を植える事ができ、皆満足そうに引き上げていったのが印象的でした。

また「大きく育ってくれたらいいね。」「頑張ってね。」と声をかけながら植える姿や、「これが立派に育つ姿は見られないねえ」と感慨深げに全体を見渡す高齢参加者の姿、「土を苗にかけると枯れちゃうんだ」と植え方を指導する森林現場で働く人、「これからの管理が大変だよね」と心配する人、様々な人が参加したからこそ意味のある植樹会だったと感じました。

この日の植樹会は公的な森林関係機関の協力はもちろんのこと、会場整備などの協力をしてくださった月形建設業協会や「花の里つきがたの水と緑を愛する会」の皆さんをはじめとする関係団体、役場の方々の『現場の力』で成功しました。
動いてくださった皆さん、ありがとうございました。

この苗が大きな木になるまでにはまだまだ手がかかりますが、いつかスギ林になって今日の日のことが語り継がれるようになれば・・・歴史の一部になれる幸福感を味わうことができるでしょう。

月形町土地開発公社 平成22年度第1回理事会

今日の午後、土地開発公社の理事会が開かれました。

今回の議題は「平成21年度の事業および決算の認定について」

・平成21年度は、理事会を3回開催
・土地販売の実績なし
・主たる契約として
  ○公社所有地の管理業務(草刈り等)を高齢者事業団と契約  31万3,966円
  ○優良林間住宅地の立木伐採業務を福井建設と契約      14万5,950円
・収益的収入支出差引額 − 58万8,677円

[質疑・他]
前回の理事会で話題に上った「第三セクター、地方公社及び公営企業改革の推進について」は、
 空知総合振興局での説明会に出席するなどして情報を収集中。
 国の意向を含め調査を進めたのち、まとまり次第理事会に報告する。

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