2009年11月24日

廃棄物資源循環学会 平成21年度技術セミナー「基調講演」

10月21〜22日、一般社団法人廃棄物資源循環学会主催技術セミナーに参加してきました。
この学会は会員約3,000人、学会誌発行の他、全国規模のセミナーやシンポジウムを年3回開催し各支部活動も盛んです。私も昨年より会員になり、廃棄物関連の情報収集をして議員活動に役立てています。

さて、今年のテーマは「地域における廃棄物系バイオマス循環利活用事例」で、1日目は北大でセミナー、2日目は施設見学「(株)アレフ北海道工場、ecoリサイクルセンターしらおい」で、セミナーと見学が連動している上、技術的側面からのお話を聞くことができてとても有意義でした。参加者は学生、研究者、メーカー、ゼネコン、行政関係と幅広く、道外からがほとんどというのも特徴的でした。

以下、内容別に要点を記します。
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基調講演「北海道におけるバイオマス利活用の取り組み」
   北海道大学大学院工学研究科教授 古市 徹 氏


◆バイオマスとは生物資源(量)を現す概念
「再生可能な生物由来の有機性資源で、化石燃料を除いたもの」
 廃棄物系資源が最も多い。(他に未利用資源、資源作物など)

◆埋立が一番コストが安い。
 ただし環境に負荷をかけている(BOD、ガス他)
◆北海道の半分で直接埋立をしていたが、今後出来なくなる。
 → 様々なシステムの、ベストミックスを探ることが重要
◆バイオマスを有効活用するためには
【地域特性にあった】トータルシステムが必要
 →【事業化(採算性)の視点】が大切。特に行政が関わる時(今まで不足していた)

◆北海道循環型社会推進基本計画(H17.3策定)
◆北海道バイオマスネットワーク会議(H17.9設立)
◆バイオウェイストマネジメント工学講座(H21.10〜H24.9)

◆埋立処分場の概念が変わってきた 
 → 埋立処分場は、有機物や廃棄物資源のストックヤード
 = 掘り起こして、有機物の再利用 & 問題物質の除去
 ・稚内市 クローズド型処分場

◆バイオガスの消化液 → 水処理すると採算が合わない。
             利活用するのが課題(農業分野の技術で利活用)
◆バイオガスからコージェネ(電気は売っても安い、熱は捨てている)より、ガスを燃やし直接利用

◎【動脈(産業)】と【静脈(廃棄物処理)】の連携。【人】も関係して上手くいく
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 この分野で第一人者の古市先生の基調講演は非常にわかりやすく、廃棄物処理(廃棄物系バイオマスの利活用)の基本や課題など全体像がつかめました。廃棄物には様々な分野が関係し、利活用するにも様々な技術が必要で、「システム」「マネジメント」の重要性を痛感しました。特に行政に関わる立場としては、もっと学ばなければと思います。

 今回初めて【動脈・静脈】という概念を知ったのですが、なるほど!と、イメージできました。

 月形町は今、将来的なゴミ処理方法の検討に入っています。【静脈】ばかりに目を向けていると負担が大きくなり最後には回らなくなってしまうでしょう。【動脈】になる得る産業や組織、施設はどこなのか、また様々な処理方法の【ベストミックス】はどこにあるのか、探り、見極めて進めなければと気合いが入りました。

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