2009年09月30日

平成20年度決算特別委員会

平成20年度月形町歳出歳入決算特別委員会(9月16〜17日)の報告です。なお用語については平成19年度決算特別委員会をご参照ください。

月形町には7つの事業会計(一般会計、国民健康保険事業特別会計、老人保健事業特別会計、介護保険事業特別会計、農業集落排水事業特別会計、月形町後期高齢者医療特別会計、町立病院事業会計)があります。各事業ごとの平成20年度の決算について、特別委員会で審議し承認しました。

私が特に注目した点について、以下に記します。
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【一般会計】
◆ 歳入総額 34億0399万7367円
◆ 歳出総額 32億9456万5885円+翌年へ繰り越すべき財源 3397万1772円 
◆ 7545万9710円の黒字決算
  ・地方交付税の大幅な増額と月形町行財政改革プランによる歳出抑制による
◆ 地方交付税は、1億0969万4千円の大幅増(H19年度と比較)
  ・普通交付税:9671万3千円増、特別交付税:1298万1千円増
  ・基準財政需要額算定中の地域振興費需要額算定方式の改正、単位費用の改正による
  ・麻生内閣の政策による増額を含む(地域活性化臨時交付金、定額給付金給付補助金など)
◆ 財政調整基金、減債基金、公有財産整備基金を取り崩さずに済んだ
◆ 経常収支比率 89.1%(H19年度比較 1.3%減)
  ・交付税の増額が大きな要因(分母が大きくなった)
  ・警戒ライン85%を上回っている(道内の多くの自治体が同様)
   → 今後も経費節減に努めることで、更なる悪化は回避できるであろう
◆ 公債費比率 12.9%(H19年度比較 0.1%減)
  ・警戒ライン10%を上回っている
   → 今後も計画的な償還により上昇することはないであろう
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【財政健全化判断比率】

財政健全化法により公表が義務づけられた4つの指標と数値

            平成20年度値    早期健全化基準 財政再生基準 
1)実質赤字比率  : ー(実質赤字がないため): 15.0%   : 20.0%
2)連結実質赤字比率: ー(実質赤字がないため): 20.0%   : 40.0%
3)実質公債費比率 : 12.1%         : 25.0%   : 35.0%
4)将来負担比率  : ー(実質的な将来負担額がない):350.0% : /

これらの数値から、月形町の財政は良好である
(月形町監査委員の平成20年度財政健全化審査意見書から)
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【月形町国民健康保険事業特別会計】

◆ H20年度の医療給付費は、H19年度に比べ減少(H19年度比:95.3%)
  H20年度国保税収入も同様に減少(H19年度比:80.4%)
◆ 減少の要因は、制度変更に伴う被保険者数の大幅な減少(1,962人 → 1,290人)
  ・75歳以上の被保険者が後期高齢者医療制度に移行
  ・退職被保険者の年齢区分の変更(75歳未満 → 65歳未満)
◆ 収支差引額 1870万6千円の黒字決算
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【月形町立病院事業会計】

◆ H20年度純損失額 7422万9101円(H19年度比:3970万2587円の損失増)
◆ 累積欠損額 5億5850万1204円、累積欠損比率 84.87%(H19年度比:12.90%悪化)
◆ H20年度患者利用者数はH19年度と比較して、1500人の減(特に外来患者の減少が大きい)
◆ 収支悪化の要因は?
  ・収入減の主たる要因:外来患者数の減少(医療費高騰、景気悪化などが考えられる)
  ・支出増の主たる要因:給与費(人件費)の増、材料費(主に薬品費)の増
◆財政状態は今のところ悪化傾向にある
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月形町の平成20年度財政規模は約34億円と、今までの縮小傾向から一転して大きくなった。これは麻生内閣時代の地域活性化臨時交付金等、国の政策によるところが大きく、一過性のものと考える。
とは言え、今年度も平成20年度からの繰越分+新たな景気刺激政策により、年度当初から町内の至る所で工事が行われ、物品が入れ替えられている。ここ数年の「交付税減額による締め付け財政」からは考えられない状態で、「お金が回っている」のは事実だ。

だからといって無駄な公共事業は将来に禍根を残す。
景気刺激・地域活性化が重要なことは理解しているが、思案する間もなく矢継ぎ早に打たれた国の政策に対し、地方が戸惑い混乱しているのも事実と思う。

となると、以前にも増して「議会の役割」が重要になるのではないだろうか。

国の施策に翻弄される行政側に対して、議会なら第三者的に冷静に判断できるのではないか。だからこそ、計画段階からの積極的な情報公開と議論が必要だと考える。特に月形町のような小さな自治体においては、議会も町の担い手の一員であり、行政と手を携えて「まちづくり」をしていかなければならないから。

議会と行政は対峙するものであるけれど、最終目標は同じ。単なる敵対でなく、丸投げでなく、依存や馴れ合いでもない、それぞれの役割を認識した中で尊重し合う「大人の関係」にしていきたい。

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