2009年03月25日

アライグマ捕獲講習会

3月19日午後、役場大会議室にて。住民課主催の「アライグマ捕獲講習会」が開催されました。

アライグマの被害はしばらく前から道内各地で報告されているのですが、ここ月形町でも数年前から被害の報告があり、年々増加傾向です。これまで月形町では「捕獲オリ」の貸し出しや注意文書の配布を行ったり、任意の被害状況調査等を行ってきました。また昨年は「まちづくりNPOふきのとう」主催で「有害鳥獣に関する勉強会」も開催されています。

今回は住民課主催としては初の講習会ですが随所に趣向がこらされ、参加者の興味や疑問に大いに答える画期的な講習会でした。約35名の参加者は2時間半の講習時間中ひっきりなしにメモをとったり、質問をしたりととても活発で、会場全体が一体感のある素晴らしい講習会でした。

これはひとえに講師を担当した住民課今井さんの力だったと思います。今井さんは今の部署に配属されてから有害鳥獣の知識を深めたいと月形猟友会にも入会し、活動を通して生態を把握したり、自ら捕獲の実践をして研鑽を積んだそうです。また「情報を伝えるために」プレゼンテーション能力を磨こうとその方面の研修も受けたとのこと。それらを総合して今回の企画が生まれ、住民のニーズにあった情報提供と伝える努力をされた結果、参加者のほとんどが満足した講習会ができたのだと、私は感じました。

さて、講習会の内容は・・・
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

1.身体的特徴(アライグマとタヌキの比較:◆●は特に目立つ部分)
【アライグマ】◆尻尾・・・大きくてシマ模様
       ◆顔・・・・鼻から額にかけてまっすぐに黒い線
       ◆手・・・・人間のように長い指(2〜3歳の子どもの手に似ている)
       ◇身体の色・全身ほぼ同じ色(特徴がない) 
       ◇ヒゲ・・・白くて長い
※ 前後両足とも人間のような長い5本指を持つので、人間と同じ機能(物をつかむ、皮をむく)を持っている。また長い爪もあって力が強く、どんなところでも登ることができる(90度に立てかけたトタン板を登ることも可能)

  【タヌキ】●尻尾・・・小さくて模様なし
       ●手・・・・肉球がある(犬や猫のよう)
       ●身体の色・肩、両足、腹が黒い
       ○耳・・・・黒い線状のふちどり
       ○ヒゲ・・・黒くて短い

2.衛生上の問題・・アライグマ回虫、狂犬病の宿主

3.生態(抜粋)
 ◆キツネの放棄した巣穴、樹木のうろ、牧草ロールの隙間、廃屋・納屋などに住み着く。
  寝ぐらとして利用(自らは巣穴を掘らない)。永年利用。
 ◆交尾は1〜2月、妊娠期間は63日、3〜4月に誕生し、4〜5月に巣立ち、秋に子離れ。
 ◆出産から子離れまでは母子で行動(1度に3〜5頭出産)。同一箇所で1家族捕獲可能。
 ◆オスは単独行動であちこちに出没。
 ◆冬は寝ぐらから動かないが、春になると行動範囲を広げる(寝ぐらから1日1〜5km)
 ◆水辺を好み移動する(沢、用水路、沼、池、川、ため池、窪地)
 ◆雑食性
 ◆臆病
 ◆臭いには鈍感

4.捕獲するためには
 ◆4〜6月が最適(母子家族で行動する=一斉捕獲可能)
        (空腹が強い時期なので警戒心が薄くなり捕まえやすい。)
 ◆必ず出る場所にかける(足跡、被害状況、けもの道などの確認)
 ◆オリを仕掛ける(町民には月形町で貸し出し中 → 住民課へ申請)
          購入も可(当別町:ファームエイジ株式会社 ¥13,800)

5.オリのしかけ方と、その後
 ◆オリの後ろを壊す力があるので、必ず結束バンドや針金で補強
  (月形町で貸し出している物は既に補強されています)
 ◆オリは仕掛ける前に洗車ブラシ等で、ざっと水洗い
  (仕掛けの動きをよくするため。オリに付いた獣の臭いは関係ない)
 ◆エサはキャラメルコーンとドッグフード
  (肉系や魚系は他の動物が捕まってしまうので避ける)
 ◆右写真のように配置
 ◆捕獲できないのにエサだけなくなっているのはネズミの仕業
 ◆仕掛けたあとは毎日1回は見回り。エサの補給など(エサは乾燥した状態が○)
 ◆アライグマは寄生虫や病気を持っているので、ゴム手袋を着用する。
  もし噛まれたり引っかかれたら、すぐに病院へ。
 ◆捕まえたら布などをかぶせて落ち着かせ、衛生センターへ(安楽死)

以上の情報は転記・転送OKです。ただし「月形町役場の今井さんからの情報」と伝えてください。また、新たな情報などありましたら今井さんまで(月形町役場住民課:0126-53-2323)お寄せください。その情報を元に調査研究を行い公開するそうです。
今井さんの元にはもっと詳しい情報がありますので、興味を持たれた方は直接問い合わせてみてください。
 

【追記】2009.4.4

最新捕獲情報です。この講習会に参加した町民の方が、この方法でオリを仕掛け、既に数頭のアライグマの捕獲に成功しているそうです。また講師の今井さんも同様に成功しているとか。皆さんもお試しください。


また、今井さんから『アライグマの生態&捕獲のコツ』を記した資料【アライグマをやっつけろ!!(PDF)】をいただきました。ダウンロードしてご利用ください。
なお、利用に当たっては資料巻末の「二つのお願い」への協力をお願いいたします。


アライグマ捕獲に関しては<<注意事項>>があります。


アライグマの捕獲には、免許や許可が必要です。
詳しくは、地域の区役所、市役所、町役場、村役場、各支庁にお問合せください。
何もないまま捕獲すると違法となり、罰せられます。



(月形町は町として捕獲許可を得ています。)

comments

コメント・フォーム

(ゆみこの日記 にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)

コメント・フォーム

▲TOPへ戻る