北海道自治体学会フォーラム in えにわ(報告・2)

トークセッション 片山善博氏&中島興世氏  司会:片山健也氏(ニセコ町職員)

◆後期高齢者医療制度
・国会議員がキチンと議論しないまま通してしまった(→ 問題発見の遅れ)
・国保救済が主目的だったのに・・・
・現行の健康保険は(職業別)縦割り → 地域ごとに一つにまとめてみては

◆議会
・議会は政策をめぐるセリ(政策闘争)。スムースに通すことが目的ではない。
・(首長も職員も)普段キチンと仕事をしていればだいたいの答弁ができるはず
・議会が成熟すれば、数字を聞くような細かい話は出なくなる(答弁調整しなくても大丈夫)
・地方議会は試行錯誤するところ
  対極:矢祭町(議員日当制)←→ 三重県(通年議会)
・答弁調整しない = 判断を議会にゆだねる → 結論がわからなくなる → 状況対応型に変化
・答弁調整しない = 判断すべき人(議会)に判断をゆだねる → 首長、職員は楽になる

◆市町村合併
・更なる合併の強要はあり得ない
・それぞれの自治体の考えで進む方向が決まる

◆地方分権
・地方分権には2つの方向性がある
  団体自治(自治体と国の関係)・・・今まで力を入れてきた
  住民自治(自治体と住民の関係)・・ここがなければ住民の関心は呼べない
・住民自治を進めると議会の決定力が増す→議会の質が問われる=議会改革の必要性
・大きな起債をするときには住民投票をしてみては
  (住民=主権者に聞く、住民投票の制度化)
・道・国に「気兼ね」「遠慮」「恐れ」があっては自立できない
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

第3分科会『自治体議会のこれからの役割
              〜市民に開かれた議会へ〜』
 コーディネーター:森  啓氏
          (北海学園大学法科大学院客員教授)
 パネリスト   :中尾 修氏(栗山町議会事務局長)
         :林かづき氏(江別市議会議員)
         :田中芳憲氏(恵庭市議会議員)

◆議会改革
・議員数を減らすことと議会改革は直接関係ない。民意の把握こそが重要。
・なぜ「議員定数を減らせ」という流れになるのか? → 議員の仕事が見えないから
・議会改革 = 住民との回路を沢山持つこと。住民との向き合い方。
・質問に答える側になること(議会報告会などの場面)で、議員もまた成長する

◆会派のメリット、デメリット
・会派による縛り ←→ 個人の考え・自由な評決

◆自治法は壁か
・法の解釈権

◆情報の提供方法
・インエターネットの利用、ビデオ中継
・議会の夜間・休日開催

2008年09月06日

北海道自治体学会フォーラム in えにわ(報告・1)

今日は表題のフォーラムに参加し、様々な情報を吸収・発想を充電・新たな繋がりを得て、議員として向かうべき光(方向性)を見いだしてきました。これ程までの充実感を味わったのは久しぶりです。講演をしてくださった先生方、スタッフの方々、参加した皆さん、そして私に参加する時間を与えてくれた家族に感謝です。

以下に、フォーラムの内容(私の受け取ったエッセンス)を記します。感想と「議員として向かうべき光」については別の項で。
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

北海道自治体学会フォーラム in えにわ 
 テーマ『ひとが動く、まちが変わる』  会場:北海道文教大学

◎特別講演『逆境が育む まちづくり戦略』
               恵庭市長 中島興世氏

◆地盤・看板・鞄(=組織力)←→ 政策・志
・組織力を持たない者が選挙に勝つためには、政策と志
・政策を力に替えるには、市民にとってわかりやすいモノにする
 1) 感動、共感を呼ぶ表現(→ 絵本仕立てのマニフェスト)
 2) 政策のポイントを絞る(= 商品の差別化)

◆歴史に残る仕事とは
・大きな障害、反対を乗り越えて始めて歴史に残る
・抵抗や障害は良い仕事をするための必要条件

◆自治体の役割とは
・政策をつくり、実施していくこと
・住んでいる人(= 地域に根ざした人 = 女性や子供)のためになる政策
・政策の実現には、市民一人ひとりの問題解決能力と、市民との信頼と共感のアプローチが必要

◆本を介在した教育
・ブックスタート事業、読み聞かせ
・図書館司書の充実
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

◎基調講演『自治体の日常から真の地方自治を考える』
    慶應義塾大学大学院法学研究科教授(前鳥取県知事) 片山善博氏

◆自治体改革にあたって
・改革というが、今ある「しくみ」を充分に活用しているのか?
・日常生活(現在の行政スタイル)を見直す必要があるのでは?

◆教育
・自治体行政で最も重要。
・教育現場が上手くいっている=自治体運営も上手くいっている
・経営のマネージメントができていない
 例)教育委員会=経営者、モンスターペアレント=クレーマー
  ○ 会社にクレーマーが来た場合、会社全体(組織)として対応する
  × 学校にモンスターペアレントが来た場合、担任(個人)のみの対応になっていないか
・学校教育の充実は、公共事業を削ればすぐにでもできる(予算は数分の1で対応可)
・学校図書館の充実による教育の向上

◆行政
・仕事量と人員配置はマネージメントの問題
・仕事量が増えたら、それを処理する税率もアップする「しくみ」(負担分任=地方自治の原則)
 → 税金が上がらないように、歯止めがきく。議会が機能する。

◆その他
・税務署長の経験 = 徴税の辛さ、大変さ → 無駄遣いしない → 透明化

2008年09月03日

平成20年度 樺戸監獄物故者追悼式

今年も樺戸監獄開監のこの日、追悼式が行われました。
今年は篠津山霊園内の慰霊碑の前で行われましたが、開式とともに霧雨から本降りとなり風も付いて、あいにくの天気となりました。ただ、先人の苦労を思えば、悪天候の中での追悼式は思いを馳せるには充分すぎるものがありました。

月形町に樺戸集治監が開設された明治14年9月3日から廃監になった大正8年までの39年間に、病死や事故死のために1,046人の方が亡くなられ(囚人並びに殉職者)、遺族に引き取られなかった1,022人が、今もこの篠津山霊園内の樺戸監獄墓地に眠っています。

この墓地には合葬碑が3基と、個々人の戒名が記された406基の石碑が整然と並んでいます。
その昔、土饅頭状態だったお墓を不憫に思い、過去の記録を頼りに確認作業を進め、戒名を記した木の墓標を建てました。その木の墓標が朽ちて哀れになっていくのを何とかしたいと石碑に替えた(昭和56〜58年)ものが今、目の前にあります。

この確認作業を行ったのが、郷土史研究家で当時役場職員だった熊谷正吉さん。そして、木の墓標を墓石にしたのが、現在名誉町民で当時町長だった鈴木勇三さんです。お二人とも既に80歳を超えていますが、お元気に追悼式にも参列されていました。

追悼式では参列者による献花の後、岩見沢在住のオカリナ奏者・斉藤かすみさんによる追悼演奏(千の風になって、ふるさと他)。オカリナの音色は雨音とともに霊園一帯と私の心に染み入り、自然に感謝と哀悼の気持ちで満たされていきました。

月形町の礎を築いてくださった方々に、合掌。ありがとうございました。

<<前の5件 123

▲TOPへ戻る