2008年07月11日

空知町村議会議長会議員研修会(平成20年度)

本日午前、秩父別町の北いぶきJA本所において、上記の研修会が開催されました。
__。__。__。__。__。__。__。__。__。


『自治の興廃は地方議会にあり』
講師:大正大学招聘教授(前大和市長) 土屋 候保氏

1.議会とは何か
◆地方議会(二元代表制)と国(議院内閣制)とは制度が違う=議会の役割も違う
◆歴史的に見て、首長公選の前に議会選挙があった。議会の腐敗により首長の公選が生まれた。

2.議会とはなくてはならないものなのか?
◆町村総会(地方自治法第94条)を行う議会があってもよい。
◆現状を打破するため、議会発祥の精神に立ち返り町村総会にする
 → 総会といえども発言するのは代表者となるであろう
 → この代表者による発言が議会の基礎となる
 → 議員定数へと発展し、本来の「議会」の意味を持つようになる
◆町村総会(地方自治法第94条、第95条)は地方自治法第89条、日本国憲法第93条に抵触しない
◆議会改革が行われている自治体
 ・福島県矢祭町(議員日当制)
 ・北海道白老町(通年議会)
 ・北海道栗山町(議会基本条例)

3.執行側と議会はくるまの両輪か?
◆直接民主主義(ルソー型:主権は市民にある・大和市)志向か?
◆間接民主主義(ロック型:信託統治・議会主義・多治見市)志向か?
◆議員が町民の意見を聞き、町政に反映させ、実現していく。   
   
4.議会の果たす役割とは何か?
◆議員が今以上に住民と関わり合い、意見を吸い上げることが大切。自ら動き、地位を築く!
◆本来は町民が行政に要望するのではなく、議員がそれを集めてくるものではないか。
◆北海道が初、多い=歴史が浅く、色々なところから人が集まり、合議制が成り立っているから。
 例)自治基本条例(ニセコ)、議会基本条例(栗山)、行動展示(旭山動物園)・・・

5.まとめ『議会のない民主主義はない』
◆議員任期4年の内1回は議員提案による政策的な条例を提出する
◆決算中心主義へ(必然的に予算もしっかりしたものになる)
◆討論をしっかり(教条主義の見直し) 
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

土屋先生のお話しは、普段私が議会の中にいて「何か違う」と感じることをそのまま題材にしたような内容で、共感の持てるおもしろいものでした。

公演後、先生に「北海道には先進地と呼ばれる自治体がある一方、財政破綻する自治体や、公共事業などに依存している自治体もある。何がそれを分けるのか? 本当に北海道に魅力はあるのか?」
と質問しました。先生からは「自主財源があまりにも低いことも要因の一つ。解決するためにグループになって取り組むなど、やり方は色々あるだろう。ただ北海道は潜在能力や可能性が高い。」とのお答えをいただき、『取り組み方』の重要性を考えさせられました。

月形町は空知の中で最も古い町ですが、それでも本州に比べれば歴史は浅く、様々な土地からの移住者で成り立っているのも事実(私もその一人)。私自身も日頃の出来事から、可能性の高さを感じていただけに、先生の言葉には勇気づけられました。私が取り組むべきことはやはり「新風を吹き込むこと」なのだと感じました。

それにしても、議員になってからこのような(議長会等主催の公式な)研修会に幾度となく参加しています。そこでは今回と同じように「現状の打破」「住民主権」「開かれた議会」「行動する議員」などの言葉が投げかけられてきました。しかし、廻りを見ても実際に変革されているところは少ないように思います。
主催者側(議長会)が常にこのような『改革』をうたう講師を呼んで来ているにもかかわらず、実際に実現されていないというのはどういうことなんでしょう? 議長会(つまり議長達)は本気で改革を考えているのか、疑問です。もうそろそろ『総論賛成、各論反対』でなく、自ら行動することを実行に移しても良いのではないかと思うのですが・・・。

comments

 的確な要点の捉え方、問題点の把握、そして宮下議員の考え方が良くまとめられているブログです。
 私のHPからリンクできるようにさせていただいてよろしいでしょうか?
 ご回答をお待ちしております。

 土屋先生、コメントありがとうございます。その上、高く評価していただきとても嬉しいです。
また先生のHPにリンクしていただけるとは光栄です。どうぞよろしくお願いいたします。

 先生の講演会の後、「なぜ議会改革が進まないのか」を自分自身の議員活動を通して考えてみました。

 議会改革は一議員が声高に叫んでも実現するものではなく、全体の機運として「改革」が見えてこないことにはどうしようもありません。そのためには「議論の場」がとても重要ですが、現実には議論の仕方が分からない(かみ合わない)ことがよくあります。これは議員同士だけでなく、議員対首長の間でも起きています。
 十人十色、意見の内容や表現の仕方など人それぞれ特徴があり、それらを理解するのはなかなか大変ですが、議論に慣れていれば論点をとらえて会話を発展させることができます。また相手を理解しようとする姿勢や、議論を通して合意形成しようと考えれば、自然に議論に集中することができ、建設的な展開が望めます。

 しかしながら現場では「発展」「進化」より「安易」「楽(らく)」に流れているように感じます。人の話を聞かなくても、新しい考えを取り入れなくても「現状」は続けられるからです。

 私はそんな現状を変えたいと日々思っています。その思いを実現するために、「議論を重ねた結果、住民のとってより良い方向になった」という実績を作りたいと考えています。安易に妥協せず、焦らず、本質をとらえながら粘り強く活動していきたいと思います。

  • 宮下ゆみこ
  • 2008年07月26日 22:41

  •     

コメント・フォーム

(ゆみこの日記 にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)

コメント・フォーム

▲TOPへ戻る