2008年02月19日
農業用ペレットストーブ(温風器)導入実験・現地視察
月形町では農業用暖房の熱源としてペレット(木質バイオマス)が使えないかと、3年間の実証導入実験が始まりました。
今年度予算で道より90万円、町より90万円の補助と、残りを月形町農業用ペレットボイラー導入推進協議会が拠出(約90万円)して農業用ペレットストーブ(温風器)を購入、花き生産農家のビニールハウスに設置されました。燃焼用のペレットや灯油、電気代は設置農家の負担です。
この農業用ペレットストーブ(温風器)は、ペレットの他に電気と灯油を併用するハイブリット型です。点火スイッチを押すと、まずペレットが3分間投入されます(ハウス内の貯留箱から一定のスピードでペレットが燃焼室に送られ、ペレットの山を作る)。その後3分間灯油バーナーが燃焼しペレットに着火させます(燃焼中もペレットは一定スピードで投入され続けている。初期に灯油を使うことにより瞬発的な温度上昇にも期待)。その後はペレットだけの燃焼になり、スイッチを押してから約15分で安定します。これら全てを電子制御で行い、送風も電気を使っています。
現在、農業用ペレットストーブ(温風器)設置から約1ヶ月が経過し、初期の燃焼実験や微調整がほぼ終了したと言うことです。この後、外付けの大型ペレット貯留タンクへのペレット搬入実験なども行われて、3月中旬にはこのビニールハウスにデルフィニュームの苗が植え付けられて本格的な実証実験が開始されると言うことです。
この農業用ペレットストーブ(温風器)は、以前私が七飯町で見た物より格段にコンパクトになっていましたが、それでも200kgという重量があります。灯油温風器のように簡単に移動することはできなさそうです。
また設計上、縦方向の煙突の長さが必要とのことで、このビニールハウスでは高さが足りず地面を20〜30cm掘り下げて設置してありました。春先の雪解けで地面がぬかるむのが常ですが、ここはどうなるのか・・・。
ペレットの燃焼が安定するまでに15分かかると言うことで、急激に気温が落ちたときにどのようになるのか?、停電時の復旧体勢は?、栽培時のペレット湿気対策は?、燃費は?・・・。
様々な疑問が湧いてきますが、それらはこの実証実験中に答えが出てくるでしょう。注意深く見守りたいと思います。設置農家にとっては手間と労力がかかり大変な実験になると思いますが、よろしくお願いします。
- by 宮下ゆみこ
- at 21:29
comments
ただいま 当社では 300坪用建築廃材利用の バイオマスボイラーを作ってます。
写真の雪を見ると 燃焼の安定性とか 内外の 温度差等々の 開発課題が 浮かんできます。ですが ペレット、ヒートポンプなどなど 各種ある中で 今後とも必要なのは 暖房装置だということです。エヒメは暖かいので ピンときませんが ペレットの推移は 載せてください。宜しく!
中井さん、コメントありがとうございます。
御社のHPを拝見いたしました。木材(建築廃材)を直接投入し、コントロールもしやすくした暖房機はなかなかのものですね。ただ得られる熱量等を見たときに、月形の気象では難しいのかな、というのが正直な感想です。やはり北海道の寒さは侮れません。
参考になるかどうか解りませんが、木材による暖房機で、温度反応式バネを用いて制御する簡易型のモデルを七飯町で見ました。こちらは石油暖房機の補助として使われていました。夕方、木材を容量いっぱい(約200L)投入して着火しても夜中には燃え尽きてしまうので、補助にしか使えないとのことでした(早春時期、約100坪のハウス)。ちなみに七飯町は道南にあり、月形よりかなり暖かいところです。
ペレットストーブに関するデータについては、実験終了後に産業建設常任委員会で報告があると思います。手元に入り次第報告したいと思っています。
コメントしていただいてるとは 知らなかったので ごめんなさい。
2トンが 一晩で 燃え尽きたとのこと おっしゃるとおりなのですが、それは 燃焼させたエネルギーを使うためでして 当社のシステムは 煙を 発生させて その煙をエネルギー化
させるところが ポイントです。従って 木のエネルギーを 煙の時点から使うため長持ちします。12月12日日刊工業新聞 1月5日愛媛新聞 1月8日日本農業新聞に 掲載されました。NHK地方版で 2月4日と2月8日(今日)放映されました。HP更新(ハイブリッドアルディー)で再度確認していただければ 以前より詳しくはなってるかと思います。
是非 再度検討してみてください。本当に従来の とは違いますので!宜しく!