2007年11月05日

道内行政視察研修の報告

10月30日〜11月1日にかけて、月形町議会議員全員による道内行政視察について報告いたします。

【厚沢部町】

1)メークイン等を原料にした焼酎の製造について

 民間企業が試験的に栽培したサツマイモ「黄金千貫」が地域に定着し、それを原料にした焼酎製造工場を誘致した。現在は特産のメークインを使ったじゃがいも焼酎他も製造。原料の麹用米はJAから、黄金千貫は町内農家との契約栽培、メークインは規格外品も使えるため、経済的波及効果が大きい。
 町は工場建設にあたり、企業立地促進条例に基づく支援(インフラの整備、補助金の交付、課税の免除)をしているが、主体は民間企業と農業者である。

2)トドマツを原料にした木質ペレット製造について

 製造業者の「佐々木総業」は、建設業や廃棄物処理業の傍ら木質ペレットを製造することで、人員や機材を効率的に配置・稼働していた。また作業所や機材の多くが手作りで、徹底したコスト削減が図られていた。
 原料は周辺国有林の間伐材で、不足することはない。販売は道南から札幌方面まで幅広い。

■私の感想
 焼酎工場が柱になった産業展開は、元々は民間企業の取り組みだった。そこをある時点で行政が支援し大きく育てたが、その際、2億円もの資金援助や様々な取り組みを決断した行政と議会の「先見の明」に驚いた。私たちの町でそのような場面が起きた時、どのようなプロセスで判断するのか、できるのか。
 ペレット工場を経営する佐々木総業社長の徹底したコスト意識に、民間の厳しさとたくましさを感じた。


【黒松内町】

 酪農から「福祉の町」に転換し、人口の4割が福祉関係に従事している。「ブナ北限の里」をまちづくり構想の柱に展開し、年間20万人が来町する町となった(人口は約3,300人)。現在の課題は、町立病院と点在する離農家の廃屋。

1)総合移住対策事業

 移住の対象は若者からお年寄りまで全ての世代。移住者は新たな価値を持ち込んでくれると歓迎。役場内に関連部署が連携した「総合移住対策連絡会議」を設置、ホームページを最大限活用。自家住宅建築奨励事業(地元業者の活用、屋根の形状統一)、景観修景事業(住宅の色彩指定)、北方型住宅建設奨励事業(案・国から補助あり)などを合わせて展開。

2)地球温暖化防止対策・・月形町と同様の施策 

3)お出かけサポート券交付事業

 高齢者等の外出支援。温泉券またはタクシー券として利用できる共通券の発行。利用者が自分にあった使い方を選べるので利用率が高い。
 
■私の感想
 移住者を町の財産として位置づけ、歓迎し活用していることに興味を持った。また住宅景観や「ブナ北限の里」など、イメージを統一して方向性を出すことで、大きな力になりうるということに気付いた。
 「お出かけサポート券交付事業」は興味深く、参考になった。福祉の分野でも「選べる」という発想が大事で、成果を上げていることに着目したい。


【道の駅視察】

 施設の雰囲気、配置、利用状態(農産物直売、展示棟)について視察。
各道の駅の特徴は以下の通り

・ あっさぶ:道の駅内に別組織の事務所あり。(人がいる、暖房費削減)
・ 江差/繁次郎:トイレと売店だけ(簡素でよい)。
・ ルート229元和台:見晴らし良。広いトイレが数多くある。
・ くろまつない/トワ・ベールⅡ:有名なパンの店、加工品と喫茶充実。
・ みたら室蘭(休館)
・ だて歴史の杜:併設して刀鍛冶館や藍染め館などあり。
・ あぷた:小さい建物に様々な産品が効率よく配置。
・ とようら:農産物が中心。大きな建物。
・ 230ルスツ:施設が広く大きい。農産物専用の棟。
・ 真狩フラワーセンター:特産のユリ根中心。温室、細川たかしの展示場。
・ ニセコビュープラザ:農産物販売が充実。長屋方式で効率的。

■私の感想
□道の駅を建設する場合、建物の大きさと配置に工夫が必要。また同じ施設内に他団体の事務所等が入居することにより、●常時人が出入りしている ●冬場の暖房費、除雪の面で有効 と思われた。
□道の駅の構成要素「トイレ」は重要で、新しい施設ほど洋式トイレの割合が高かった。その分建物は大きくなる。
□農産物や加工品など、特産品がある町は特徴付けされて印象に残った。
□夏場に農産物が多く出回る道の駅では、冬場の場所の維持が大変そう。広すぎて空間を埋めるのに苦労しているようだった。

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