2007年11月24日

栗山町議会「議会改革の取り組み」について視察(その1)


栗山町は北海道夕張郡にあり、月形町と同じ南空知に区分されます。
その栗山町議会が平成18年5月に「栗山町議会基本条例」を発表し、一躍全国から注目される存在になりました。様々な議会の仕事に加え、出版物への掲載や講演等お忙しい中、受け入れた視察者数は現在まで約1,800人にのぼります。

私もご多分に漏れず、栗山町の議会基本条例を含む議会改革の取り組みについて興味があり、機会があれば視察したいと思っていました。というのも「地方自治土曜講座」では「栗山町議会基本条例」が何度も話題になっていましたし、2006年度のサマーセミナーでは橋場議長のお話を直接伺う機会があり、一般町民だった私でさえも議会が身近に感じるような内容にワクワクしたからです。また議員になってからも議員向けの刊行物で解説を読んだり、自分の町の議会と比較して「議会のあり方の違い」に疑問を感じていたからです。

視察は日時と定員が決められた中、幸いにも11月22日に参加することができました。同じ時に視察したのは、和歌山県西牟婁郡町村議会議長会、山形県寒河江市議会、埼玉県寄居町議会、出版社の皆さんで計25名です。

視察は橋場議長と中尾事務局長により進められました。議会改革の要旨がビデオ(テレビ放送の抜粋)と資料を使って説明され、その後は時間の許す限り質疑応答。条例の細かな部分の確認から運用上の問題点、議会の様子など多岐にわたり、自分では思いもよらない質問の数々に大変勉強になりました。

(その2へ続く)

2007年11月21日

石狩川を語るつどい in 月形

本日、【北海道遺産・石狩川を語るつどい in 月形】が「はな工房」大ホールで行われました。この「石狩川を語るつどい」は今まで石狩川左岸側8カ所(河口の石狩市から上流の旭川市まで)で実施され、今回右岸側で初めて月形で行うことになりました。石狩川の存在が生活や歴史に密接に関係していたこと再確認し、語り継いでいこうとする企画です。
外は雪が降りしきる悪天候でしたが、150人以上の人が集まりました。

チェロ演奏の後、歴史作家:合田一道氏による「松浦武史郎の石狩日誌に見る石狩川」の講演があり、その後「石狩川の変遷」として石狩川開発建設部から説明がありました。そして「石狩川とともに歩んだ生活の歴史をたどる」のパネルトークは、地域を代表して熊谷正吉さん(月形町郷土史研究会会長)と溝口信行さん(語り部)が出演しました。

様々な視点から「石狩川」が語られましたが、特に興味深かったのはやはり地元の熊谷さんと溝口さんのお話でした。川縁に巣作ったカワセミ、溜まり水での水浴び、ウグイのひっかけ、蒸気船上川号と空知号、水害、作家吉村昭などなど、次から次へと出てくる話題と身近な登場人物に、その時の様子が目に浮かんできました。
会場もお二人の話に引き込まれ、笑いあり感嘆の声ありで、「つどい」は熱気に包まれつつも解散となりました。

2007年11月19日

環境フォーラム2007 Vol.2「21世紀・持続へのシナリオ」

kankyou2007.jpg この環境フォーラムは「成長の限界」主著者デニス・L・メドウズ博士と環境ジャーナリスト枝廣淳子氏を迎え、

『21世紀・持続へのシナリオー私たちの前にあるのは運命ではなく、選択である』

と題して、札幌グランドホテルで昨日開催(入場無料)されました。定員700人の事前申込みもあっという間に満席となり、道民の感心の高さが伺えます。私は「地球を愛する会@月形」のメンバーと参加してきました。
 なお、主催は「びっくりドンキー」などを経営する(株)アレフです。アレフは自店でのゴミ排出ゼロを目指し生ゴミの堆肥化やリサイクルにも積極的に取り組んでいる、環境問題に関心の高い企業です。自社だけの取り組みだけでなく、この環境フォーラムの様に啓発活動に力も入れていて、その企業姿勢にも感心させられました。

 さて環境フォーラムの詳しい内容については、後日発表されるHPを参照いただくことにして、私の心に残った内容と言葉は、

●二酸化炭素(CO2)の排出量=人口×生活水準×エネルギーに関する技術
で現すことができ、それぞれに取り組むことが重要である。多くの国はバランスが悪く、例えば日本は自然エネルギー開発やエネルギーの効率化など技術面では高い成果を上げているものの、生活水準の見直しはしていない。自動車の燃費を良くしても、より大きな車に乗ったり、乗る場面を増やしたのでは結果的にCO2排出量は増えてしまう。現在の日本はそのような状態だ。

●エネルギーにはギャップがある。バイオマスエネルギーの理論的最大値は全体の7〜10%で、これだけでは賄えない。他のエネルギー源を開発すること、エネルギー使用量(生活水準)を見直すことが大切である。

●今までは 短期的結果=長期的結果 という傾向のものが多く、単純で分かりやすかった。しかし現実には、短期的な評価ではうまくいっていないものが最終段階では目標に到達している場合がある。これは評価と成果が相反して難しい問題である。この場合は評価の時間軸を後ろに延ばす、あるいは、システム思考を研ぎ澄ますことによって解決できる。

●エネルギー問題を解決(回避)するには、問題が現れ、エネルギー不足を実感するようになってきてからでは遅い。エネルギーがまだある今のうちに手だてを講じなければいけない。変革にもエネルギーは必要だから。

●『足(たる)を知る』=自分の判断で満足を得ること。『もったいない』とともに日本の良い言葉、良い思想。
●お金は他人に与えれば無くなってしまうが 『アイデアは他人に与えても自分の元に残る』
●『ネットワークこそ力』尊敬しあう相手、仲間が大事。

2007年11月16日

月形小 感謝集会(もちつき)

 
今日は月形小学校の感謝集会でした。5月の「田植え体験交流会」、9月の「稲刈り集会」に続く「感謝集会」で、今日は収穫したもち米を使ってもちつきをします。またそれに先立ち、総合学習の時間を使って学んだこと(米作り、野菜作り、福祉など各学年様々)の発表会や、全校生徒による「八木節」の演奏など、盛りだくさんの内容でした。

この年間を通した米作りは月形小の行事として定着し、札幌の大谷地東小学校の参加(田植えと稲刈り)もあって、交流と発表の場となっています。
米作りは人手のかかるもので、子供達や学校関係者だけでは到底できません。地域や行政のバックアップがあってこそで、お世話になった方々を感謝集会に招き、子供達から感謝状の贈呈もありました。また臼と杵による「もちつき」はお婆ちゃんの腕の見せ所、あけぼの婦人会の皆さんの見事な手さばきに見とれました。

地域がしっかりと子どもに関わっているからできるこの行事。準備等大変なことも多いかと思いますが、これからも繋げていって欲しいと思いました。

2007年11月15日

北海道市町村合併シンポジウムin旭川

 本日午後、旭川市大雪クリスタルホール音楽堂にて北海道主催の市町村合併に関するシンポジウムが開かれました。これは自治体理事者、職員、議員を対象とするもので、全道各地から人数制限がでるほどの関心を集めて行われました。
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 基調講演は(財)東京市政調査会理事長で、第29次地方制度調査会(地制調)のメンバーでもある西尾勝氏の「市町村合併を含めた基礎自治体のあり方」。主な内容は

●平成の市町村合併推進は合併新法期限切れのH22(2010)年3月でひとまずやめるべき。市町村合併の目的は、行財政の効率化と地方分権の受け皿作りであったが、合併ばかりに気がいって分権の方向へ向かっていない。腰を落ち着かせ、地方の自由度が増す分権の方向へ向かわせたい。

●地方自治体の分類(政令市、中核市、特例市・・・町、村)は要件が緩和され、単に人口規模による分類になった。小規模の自治体では権限委譲されても担えない。しかし様々な理由(離島、孤島、合併協議のもつれ、人口密度の低さ・・・)で合併の余地がない、合併条件が折り合わない地域も現存する。そこで「特例町村」を設けてはどうか。

●「特例町村」とは「一般町村」に対し、義務的事務の範囲を縮小(例えば国保・介護保険の保険者)するもので、任意的事務(図書館の設置等)は今まで通り。ただし交付税や地方税はそれぞれの仕事量により額を変える。住民へのサービスは垂直補完(都道府県による補完)、可能であれば水平補完(周辺町村による補完)の仕組みを作る。議会や教育委員会、公平委員会・・・等の政治・行政機構に関しても廃止を含め簡素化していく。

●権限委譲の実績が最もあるのは広島県。考え方が進んでいるのは福島県と山形県(ただし市町村側からの申し入れが少なく、実績は少ない)。

●地方自治体の有り様を、国は明確な区分け(例えば人口)で全国一律に決めたいと考えるが、町村は自分達で(どの義務的事務をするのか)決めたい。相反する関係である。今後、様々な仕組みの標準型を作るようになるのではないか。
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パネルディスカッション「考えよう地域の未来ー今、私達がすべきことー」
パネリスト  西尾 勝 氏(財団法人 東京市政調査会理事長)
       小西砂千夫氏(関西学院大学大学院教授・経済学)
       室田 哲男氏(総務省自治行政局合併推進課課長)
       田中 誠 氏(元端野町長)
司会     佐藤 俊夫氏(北海道企画振興部長)

●H20.7の全国市町村数は1,788になる見込み。西高東低(県庁が進めたところは進んでいる。道庁は進めなかった。)

●広域連携→合併という流れが、市町村合併を推進する上で進みやすいのではと考えたが、スケジュールとして間に合わない。道の地理的、人口的要件から、同時並行で進める方向になるであろう。

●道内の合併していない自治体にアンケート調査し、以下の2点を感じた。
1) 目の前の財政問題が気になっている自治体が多い。もっと長期的な目線で考えて欲しい。
2) 支庁制度が大きく、いざとなったら助けてくれるという甘えが見える。

●市町村の役割は明治・昭和の大合併の時より幅が広がっている。調整が難しく、割れる要素が多い。町村長の固い意志が必要。

●地方財政計画では、今後5年間もそれまでと同じペースで歳出削減していくと示されている。
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3時間にわたるシンポジウムでしたが、中身が濃く、今後の地方行政のあり方を考えさせる良い場になりました。
パネルディスカッションの中で小西氏が「道内の自治体は合併に関心を持つのが遅い。今の関心の高さが旧法の時代にあったなら、違った選択肢があったのに。」という言葉に、議員としてアンテナを四方八方に張る必要性と、時代の流れと情報に迅速に反応することの大切さを痛感しました。
それから、西尾勝氏から直接お話を聞くのはこれで2度目ですが、今回も話の分かりやすさと情報量の多さに感心し、納得しました。普段は媒体を通して西尾氏の発言を聞くのですが、紙面等の関係上内容を割愛した情報となり、本質が伝わっていないように感じます。本質を見極めるべく自分自身で積極的に活動していくことが重要だと再確認しました。

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